〜 イベント報告 〜

国際シンポ パネルディスカッション
『多様な民族のスピリテュアリティ』を開催
05.02

  5月2日14:00、国際シンポジウム第二部が、『諸民族の祈り』と題するスライドショーで始まりました。続いて、日本舞踊西川流師範西川充氏による『雛鶴三番叟』が上演され、ステージはピンと張りつめた雰囲気になりました。ここで、KBS京都放送の塩見祐子アナウンサーの呼び込みによって、この日のパネルディスカッションの出演者が次々と登壇しました。


ディスカッションに熱の入るパネリストの面々

  最初に、コーディネーターの奥野卓司関西学院大学教授のシンポジウムの趣旨説明が行われ、この日のパネリストであるチヴァン・モニラック殿下が上座部仏教国カンボジアの歴史を概観して「帝国と諸民族の関係」という観点から、また、ササラ・タイバン高雄市政府原住民族事務委員会主任が台湾先住民の聖なる山を紹介することを通して、スピリテュアリティの問題について発題しました。

  続いて、三宅善信金光教春日丘教会長が「天地生死」と題して、縄文時代以来連綿と続く日本人の世界観と死生観を世界の諸民族のそれと比較して。また、井野瀬久美恵甲南大学教授が、十億以上の信者を抱え世界最大の宗教教団であるカトリック教徒の過半数が既に「非白人」となったという現状を踏まえて。さらに、浄土真宗本願寺派の住職である大村英昭関西学院大学教授が「遺骨灰」というものをキーワードに、日本人の宗教的感性について発題しました。


解りやすい論議の内容に耳を傾ける
聴衆で満席の会場

  5名の発表者がそれぞれパワーポイントの映像を使って、非常に高度な内容にも関わらず解りやすく論証したので、ディスカッションも大いに盛り上がり、開幕2日目にして、IARF/WCR『こころの再生・いのり』館が、単なる「物品の展示」だけでなく、前日の「祈りのセレモニー」と合わせて、万博「地球市民村」屈指の内容を誇る出展事業であることが明らかとなりました。