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全体会議2:天台眞盛宗管長がフードマイレージを指摘 

06月28日

6月28日午後、会議場を前日の大阪から京都の同志社新島会館に移して、G8宗教指導者サミット第二日目の討議が行われ、天台眞盛宗の西村冏紹管長が『フードマイレージ』について講演したのをはじめ、各分科会のモデレーターから前日の分科会の議論の流れの説明が行われた。

午後3時、京都での公式会議の最初となる全体会議2が新島会館で始まった。新島会館は、京都御所の南東角に接する新島襄の旧宅を元に整備された会議研修施設で、数十メートル先には、G8サミット外相会議の会場となった御所(京都御苑)に新しく整備された「京都迎賓館」がある静謐な環境である。朝早く大阪を発ち、奈良で東大寺を、京都で清水寺を視察したG8宗教指導者サミット(以下、「G8RLS」と略す)参加者一行は、二日目の会場に到着するなり、全体会議に入った。この日の全体会議の司会は、国際関係コメンテーターかつゴスペルシンガーというユニークな経歴を持つ文屋範奈さんが務めた。

三宅善信事務局長による趣旨説明、西村冏紹天台眞盛宗管長による基調講演

 最初に、G8RLS事務局長の三宅善信金光教泉尾教会総長が、この日のプログラム(全体会議2と分科会2)の趣旨を説明した。引き続き、天台眞盛宗の西村冏紹(にしむらきょうしょう)管長が『フードマイレージについて』と題する基調講演を行った。「フォードマイレージ」とは、同じ量の食糧品を消費したとしても、消費地がその食糧品の生産地から遠いか近いかによって、その食糧品の供給に大変なエネルギー(燃料等)がかかるため、「食糧品の重量X移動距離」の積が大きいほど環境に負荷がかかるとみる考え方である。フードマイレージという観点から見れば、世界中から食糧品をかき集めて消費している現代の日本の庶民は、世界中のどの時代のどの国の王侯よりも贅沢をしていることになる。このフードマイレージをできるだけ小さく押さえよう(環境への負荷を下げる)という考え方が「地産地消(生産地で消費する)」である。西村師は、フードマイレージの考え方は、仏教の教えにも一致するという見方を示した。

安田喜憲教授
町田宗鳳教授
井上昭夫教授

 続いて、A、B、Cそれぞれの分科会のモデレーターである安田喜憲国際日本文化研究所教授と、町田宗鳳広島大学環境平和学プロジェクト研究センター所長と、井上昭夫UNITAR(国連訓練調査研究所)特別上席顧問の三氏が、初日の各分科会の内容を報告すると共に、各分科会の主題に対する自身のアプローチの方法性について述べた。

マイケル・パイ教授
ワリド・アブデルナセル駐日大使

最後に、3人のモデレーターからの報告を受け、G8RLS諮問委員のマイケル・パイ独マールブルク大学名誉教授が問題点の整理を行い、参加者とフリーディスカッションを行ったが、最も注目されたのは、「多様な民族への寛容性」について論議したB分科会で、話題となった「チベットやビルマ(ミャンマー)や北朝鮮における人権侵害の実態」についての議論の成果をまとめる際、「われわれG8RLSの『提言文』を日本政府やG8首脳会議に受け取ってもらうためには、それなりの外交的配慮をした文書でなければ難しい」と、外交の専門家として、エジプト共和国のワリド・アブデルナセル駐日大使が強調したことが注目された。


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