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視 察1:四天王寺とあいりん地区を視察

06月27日

 6月27日午後、G8宗教指導者サミットの参加者一行は、「最古の仏教寺院」として知られる四天王寺と、日雇い労働者や路上生活者が多数集まる西成区の「あいりん地区(釜ヶ崎)」を視察した。

 本G8宗教指導者サミット(以下、G8RLSと略す)の特徴のひとつは、設定された3つのテーマを三日間にわたって徹底的に論議すると共に、できるだけ多くの宗教施設を訪問し、海外からの参加者に、実際に「日本の宗教的状況」を体験してもらうプログラムを数多く用意したことである。


出口順得管長自ら海外参加者のために四天王寺を案内した

 午後2時30分、G8RLS参加者を乗せた3台のバスは、この日最初の視察地である和宗総本山四天王寺(大阪市天王寺区)を訪問した。四天王寺は、593年に聖徳太子によって建立された日本最古の仏教寺院(官寺)であることは言うまでもないが、同時に、「以和為貴(和を以て貴しと為す)」という日本的な共存主義のシンボルとしても、特に一神教圏からの参加者に対して、日本の歴史的・宗教的状況を説明するのに相応しい寺院でもある。


出口順得管長を中心に記念撮影

 梅雨の大変蒸し暑い天候であったが、四天王寺に到着した一行を、G8RLS会長でもある出口順得四天王寺管長が出迎え、「1400年の間に、戦争や自然災害で、七度焼けて七度再建された」ほど、時代を超えて人々から崇敬を集めた四天王寺の境内を自ら案内した。

 続いて、四天王寺からほど近く、今回のG8RLSの「目玉」のひとつでもある「あいりん地区」の視察を行った。「あいりん地区」とは、大阪市西成区にある日本最大の「ドヤ街」で、かつては「釜ヶ崎」と呼ばれた。色とりどりの民族衣装や法衣に身を包んだG8宗教指導者サミットの参加者一行は、あいりん地区の「北の玄関」とも言えるJR新今宮駅南側の「あいりん労働公共職業安定所」前でバスを降りた。


本田哲郎神父の案内で公共職業安定所内部を視察する一行

 現地には、長年にわたってあいりん地区の人々の世話をしてこられたカトリック司祭の本田哲郎神父やNPO釜ヶ崎支援機構の山田實理事長らが出迎えてくださり、あいりん労働公共職業安定所を皮切りに、3つのグループに分かれて約1時間かけて、公的な職業安定所以外にも、宗教団体やNPOが現地で行っているシェルター(避難所)やシャワー施設、簡易宿泊施設等あいりん地区内の多様な施設を訪問し、これらの運用実態について報告を受けると共に、いろいろと質問を行った。


NPO釜ヶ崎支援機構が運営する簡易宿泊施設を視察

 これまで、諸宗教対話に関する数多くの国際会議で共通して見られた「枠組み」は、「普遍的な理念や運営のあり方は欧米が主導し、資金は日本の宗教団体が提供し、それらの資金による援助活動の受益者はアジアやアフリカの途上国」という構造であったが、今回のG8宗教指導者サミットは、そのような構造を打破することも目的のひとつである。今回は、「日本が運営のあり方を主導し、途上国も含めて参加者自らが旅費を出して来日し、欧米主導ではなく、アフリカや中東の国々の意見を十分取り入れて、会議を進める」という本来あるべきモデルを構築することであったが、そのためにも、“経済大国”である日本の実態がいかに困難に直面しているか(註:年間の自殺者数30,000人という数字は、人口比では米国の2倍、英国の3倍に相当し、その大半は「経済的困難」であるという事実)を実感してもらうためでもある。


暖かい受け入れに、海外視察者たちもすぐにうち解けた雰囲気に

 この「あいりん地区」視察プログラムは、海外からの参加者、特に、アフリカ諸国からの参加者に大きな衝撃を与えただけでなく、日本人の宗教指導者でも、大半がこの地域に足を踏み入れるのが初めてということで、参加者一行にとって、本G8宗教指導者サミットの課題を明確に意識させるのに大いに役立った。なお、「あいりん地区」視察プログラム終了後、参加者一行は、夕方のプログラムである第1回分科会の会場となる住吉大社と念法眞教と金光教泉尾教会へと、3台のバスに分乗して向かった。



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