ごあいさつ
 金光教泉尾教会長
                          三宅光雄
 

大恩師親先生は、昭和2年(1927年)1月24日、24歳の若さで泉尾の地に布教されて以来、平成11年(1999年)8月31日に96歳の天寿を全うされるまでの72年半もの長きにわたり、自らを一求道者として、数々の難儀を抱えて参拝する信奉者と共に歩まれました。

大恩師親先生は、終始「人が助かりさえすればよし」のご念願のもとに、戦前戦中戦後を通じて、人々の暮らし向きの立ちゆきを願い通されました。そのようなお働きは、昭和25年(1950年)の聖地泉光園建設、さらには、昭和43年(1968年)の現会堂「拝める宮」の落成と、次々と目に見えるおかげとして現れてきました。

さらに、「全人類の幸福、世界真の平和達成」に願いを込められて、世界の諸宗教の指導者と相互理解を通じた協力体制を構築され、また、各国の難民や生活に困窮する人々にも救いの手を差し伸べるための活動に邁進(まいしん)されました。そのことは、生涯を通じて、百回を超す「御神願外遊」をなさったことからも広く知られております。

このような偉大な足跡を残された大恩師親先生と生涯共に歩まれ、大恩師親先生ご帰幽の後は、私どもの助かりのために御身を張られてご祈念ご修行くださいました二代親先生も、昨年(2006年)3月28日にお国替えになられ、その後を受けて、信心も修行も不十分な私が、教会長の御用をかつがつながらも仕えさせていただき、こうして本日、御布教八十年記念大祭の佳節をお迎えすることができましたことは、ひとえに大恩師の君の大御徳(おおみとく)と二代親先生の神霊様(かんみたまさま)の御祈りの賜(たまもの)であると思っております。

中東をはじめ世界の各地では、テロと報復といった飽くことのない暴力の応酬が繰り返され、一見平和そうに見える日本でも、人心はいよいよ荒廃し、これまでには考えられなかったような残酷な事件が続発しております。さらには、人類全体の存続を脅かすかのごとき新種の疾病の流行や、地球温暖化に起因するといわれる急激な環境変化。また、地震・津波・台風といった天変地異が繰り返し発生して、まさに人類文明への警鐘を鳴らしているかのごとき状況です。

この時期に、御布教八十年記念大祭を迎える意義は大きいと思います。ご参拝の皆様方も、今一度、大恩師親先生が何を私たちに願われておられるかに想いを寄せていただき、本日の記念大祭を「師願継承」の出発点としていただければ、ありがたいことと存じます。

平成19年(2007年)1月28日