< 2010年度下期活動報告 >
  

会長ごあいさつ
ハイチ大地震被災者に40万円
会長 カナダで
G8宗教指導者サミットに出席
子どもたちの笑顔のために
第30回チャリティバザー開催
IARF世界大会に
ダライ・ラマ法王が参加
会長 NYで
世界連邦事務局会議に
ユネスコ前事務局長と
ドイツから研修生
マケドニア政府の
紛争和解会議に招待
カナダ食糧支援銀行理事長と会談
オバマ大統領に核廃絶を
  2010年度上期活動報告



あなたも人類共栄会の会員に

世界各国に支援と救済の輪を広げる人類共栄会に、あなたも参加しませんか。年会費は、一般会員が1口3,000円、賛助会員が1口3万円です。会員のみなさんには、会費や寄付金が有効に利用されていることをご理解戴くために、年次報告書をお送りいたします。

集まったお金は世界各地の
救済・援助の費用として
役立てています。

たとえば・・・



あなたのご参加を
お待ちしております。
人類共栄会事務局まで
〒551-0001 
大阪市大正区三軒家西3-8-21

Tel.06-6551-0049
Fax.06-6553-7073
www.relnet.co.jp/jinrui

  会長ごあいさつ

2000年9月、世界百数十カ国の指導者が一堂に会してニューヨークの国連本部で開催された国連ミレニアム・サミットにおいて、『ミレニアム開発目標(MDG)』が採択されました。それは、世界の指導者が、人類社会が直面する以下の8つの課題について、「2015年までに達成する」という国際公約であります。

 MDGで定められた8つの目標とは:@極度の貧困と飢餓の撲滅、A普遍的初等教育の達成、Bジェンダーの平等の推進と女性の地位向上、C幼児死亡率の削減、D妊産婦の健康の改善、EHIV/エイズ、マラリアその他疾病の蔓延防止、F環境の持続可能性の確保、G開発のためのグローバル・パートナーシップの推進、であります。

 世界の政治的指導者がその知恵を出し合って決議したこの目標(MDG)は、人類共栄会が長年取り組んできた課題そのものであります。これは、人類共栄会の先見性の証明であると同時に、この課題を未だに叶えることができないという全人類的課題でもあります。 しかし、われわれが悠長なことを言っている間にも、世界中で毎日5万人もの子どもたちが、ほんの少しの援助によって助かるいのちを落としています。一刻の猶予もありません。

 MDGが目標達成のために定めた「期限」は「2015年」です。開始からすでに十年が経過しているので、目標の3分の2は進捗していなければならないのですが、実際には、道半ばどころか、世界的な景気後退のため、先進各国の政治的指導者の関心は、自国の国民への人気取り政策に終始して、地球的課題への取り組みなんか忘れている感すらあります。このような時こそ、われわれ人類共栄会の出番です。

 人類共栄会では、今年も1月のハイチ大地震被災者支援活動にはじまり、2月にはオバマ大統領に対する核兵器廃絶キャンペーン、3月にはインドでIARF世界大会準備会合、4月にはWFM国際事務局での会合、5月にはマケドニア政府との会合やチャリティーバザー、6月にはカナダでG8宗教指導者サミットなど、各方面で広範囲な活動を展開していますが、その活動を支えているのが皆様からの会費です。引き続きいっそうのご協力をお願いします。



  ハイチ大地震被災者に40万円


 1月12日に、カリブ海の小国ハイチで発生した地震は、死者22万人、負傷者31万人を出す大惨事となったが、首都ポルトープランスの大統領府・財務省・外務省等の官舎自体が壊滅的打撃を受けたことによって、国家的非常事態に十分対応することができず、社会的混乱にいっそうの拍車をかけることになった。

 カリブ海島嶼含む南北アメリカ大陸で最貧の破綻国家ハイチの人々を救援するため、国連をはじめとする国際機関や各国政府、さらに多くのNGOが現地に駆けつけようとしたが、首都の空港施設も破壊され、独自の上陸手段を有する軍隊以外は、現地へ入ることすら困難を極めた。

 そんな中で、日頃から人類共栄会と協力関係にある国際医療NGOのAMDAが現地で救援活動を実施することになり、人類共栄会はその活動資金の一部として40万円を寄託した。


  会長 カナダでG8宗教指導者サミットに出席


G8宗教指導者サミット2010が、6月21日から23日まで、カナダのウイニペグ大学を会場に開催され、仏米英露独日伊加の8カ国はもとより、アフリカ・中東・アジア太平洋・中南米各地域から約80名の正式代表ならびに地元カナダから多数のオブザーバーが参加し、『宗教者のリーダーシップと行動を喚起する時』をテーマに開催され、本会の三宅光雄会長が日本代表団の団長として出席した。


サミット参加者全員で記念撮影

6月21日の午前中は、開会式に先立って、ジャーナリスト会議や人権と宗教的自由に関する会合等、各種の専門家会議が開催された。広大なカナダにおける東西交通の要衝で、真冬の最低気温が氷点下50℃にもなるというマニトバ州のウイニペグ市は、歴史的にも先住民(いわゆる「インディアン」)の集積地であり、現在でも人口の2割が先住民である上に、近年、アジアからの人口流入も多く、「民族的・文化的多様性」を国是とするカナダにおいても、諸宗教の指導者が一堂に会してサミットを行うのに相応しい地である。

 この日の夕方に行われた開会式では、G8宗教指導者サミット国際継続委員会の議長であるジェームス・クリスティ博士(世界連邦運動理事長)が開会宣言を行い、昨年のローマ会議の運営責任者であったアルベルト・クアトルリッチ聖エジディオ共同体事務局長がイタリア共和国外務大臣のメッセージを、ヘグメン・リアビュク駐ジュネーブ代表がロシア正教総主教からのメッセージを代読した。また、地元を代表して、先住民のドゥン・マリチンダレ師が歓迎の挨拶を行った。

 22日の朝は、ウイニペグ大学のロイド・アクスウォーシ総長と、先住民でカナダ「真実と和解委員会」のムッライ・シンクレア弁護士が挨拶を行い、ロメオ・ダレイル上院議員が基調講演を行った。続いて、『極端な貧困と経済』についての実質討議に移り、カナダ教会協議会事務総長のカレン・ハミルトン師の司会進行で、全アフリカ教会協議会事務総長のアンドレ・カラマガ師と、ジャーナリストのジム・ウォリス師が講演を行い、ディスカッションに入った。休憩に続き、『平和と安全』についての実質討議が、地元カトリック・ウイニペグ教区のジェームス・ワイスガーバー大司教の司会進行で、WCCのパク・ソンウォン師の講演とジョン・シーバート氏とウオルター・ルビー氏とロバート・スーダーマン師がパネリストとなってディスカッションが進められた。

 昼食後、『極端な貧困と経済』についての第2回実質討議が行われ、国際社会正義委員会コミッショナーのクリスティーン・マクミラン女史が講演を行い、熱を帯びた討議が繰り広げられた。世界百数十カ国の首脳が一堂に会して開催された2000年の国連ミレニアム・サミットで採択された『MDG(ミレニアム開発目標)』の達成期限まであと3分の1しか残っていないのに、まだまだ目標達成におぼつかない世界の現状を真剣に捉え、G8各国首脳にその早期達成を迫っていくのが当宗教サミットの大きな目的であるため、とりわけ熱心な意見交換がなされた。


気候変動パネルでスピーチする三宅善信理事

 休憩に続いて、『気候変動』に関する実質討議がレバノン正教会総主教アラム1世の司会進行で行われ、地球温暖化による海面上昇で国土が消滅する危険に曝されているツバルのフランソワ・ピハーテ牧師が講演を、人類共栄会の三宅善信理事がパネリストとなってディスカッションが行われた。このテーマは、ユダヤ・キリスト・イスラム教などの一神教と、ヒンズー教や神道や先住民のアニミズム等の多神教とでは、大きな意見の対立が存在するだけに熱心な討議が繰り広げられた。


閉会式のお祈りをする三宅光雄会長

 23日の朝は、昨晩行われた青年会議の参加者代表が、G8宗教指導者サミットに対して「青年の声」を訴え、大人の代表たちと熱心に討議を行った。引き続いて行われたセッションでは、MDGの早期実現を迫る「ミレニアム・プロミス」のジョン・マッカーサー氏が講演を行い、当サミットの目的である政治指導者に対する具体的アプローチ方法を討議した。

 昼食を挟んで、今回のサミットの宣言文を採択するためのセッションが、クリスティ博士の司会進行で行われ、英国国教会首座のカンタベリー大主教の名代として出席したニック・ベインス主教が講演を行い、G8主要国首脳会議へ提出するため、8カ月かけて検討してきた宣言文への最後の修正を加えてこれを採択した。

 引き続き、閉会セレモニーが行われ、日本代表団の団長を務めた三宅光雄会長が各国からの参加者を代表して「祈り」を行い、カナダ連邦政府のスティーブン・フレッチャー民主改革担当国務大臣がスピーチを、そして開会式でも祈りを務めた先住民代表のドゥン・マリチンダレ師が閉会の祈りを行って、無事、3日間にわたるG8主教指導者サミットが閉幕した。なお、来年のサミットはフランスで開催される。


  子どもたちの笑顔のために 第30回チャリティバザー開催


テープカットを行う三宅会長とゲストの皆さん

5月23日、金光教泉尾教会で第30回チャリティバザー『世界中の子どもたちの笑顔のために』が開催され、あいにくの雨天のため、急遽、会堂ロビー内に会場を移して開催されたにもかかわらず、近隣の住民約2000人が来場し、お目当ての格安商品や泉尾教会信徒会員たちが売り子を務めるちゃんこ鍋、焼き鳥等の模擬店が多数出展した。

 今年は特に、第30回という記念のチャリティバザーということで、オリンピック体操競技のメダリストでタレントの池谷幸雄氏と、内外の災害発生時に救助犬を派遣している日本レスキュー協会の隊員たちも参加して、子どもたちの歓声で終日賑わった。

 池谷氏は、テレビの番組で人気を博したモンスターボックス(巨大跳び箱)ではなく、普通サイズの跳び箱を使って子どもたちに躰を動かすことの楽しさを丁寧に指導した。また、日本レスキュー協会の隊員たちは、救助犬の調教訓練の様子の再現と、生き埋めを想定して予め用意した箱の中に実際に参加者に隠れてもらい、救助犬の嗅覚でこれを探索するデモンストレーションを実演した。

 この日のバザーの収益金1,807,657円は、人類共栄会を通じて全額、南アジアの恵まれない子どもたちを支援する活動に寄贈された。


  IARF世界大会にダライ・ラマ法王が参加


白熱したディスカッションが展開された

3月23日と24日、インド南部のケララ州コーチンにおいて、IARF(国際自由宗教連盟:トーマス・マシュー会長)の2010年度国際評議員会が13名の評議員が参加して開催され、本会からは三宅善信理事が参加した。

 本年9月にこの地で開催される予定の第33回IARF世界大会の準備を中心に、通常年度の決算・予算や活動方針等について審議された。

 本年9月4日から7日まで、『対立から和解へ:21世紀の挑戦』をテーマに、世界各国から約600人の参加者を集めて、ケララ州コーチンのCRCをメイン会場に、その世界大会が開催される。特に注目されるのは、開会式にチベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世が基調講演を行うことである。

 人類共栄会からは、三宅光雄会長をはじめ17名が参加する。
また、三宅会長が2010年から2013までの任期で「IARF会長」に就任することがこの国際評議員会で内定した。


  会長 NYで世界連邦事務局会議に


国際事務局スタッフたちと三宅会長

 4月2日から6日までの日程で、三宅光雄会長はニューヨークのWFM(世界連邦運動)国際事務局を訪問し、事務局を預かる執行理事をはじめ、事務局のスタッフたちと意見交換を行った。

 国際連盟が、第二次世界大戦の勃発を防ぐことができなかったことの反省に立って、第二次世界大戦の戦勝国(米英仏ソ中)が中心となって、主権国家を構成単位として1945年に創設された国際連合(国連)に対して、「国益第一の主権国家を構成単位にしたのでは戦争は防げない」という考え方から、アインシュタイン博士、シュバイツァー博士らが「国家を排して地球上にひとつの政府を創る」という壮大な目標を掲げて1947年に創設されたのが世界連邦であり、人類共栄会創設者の故三宅歳雄師も、湯川秀樹博士と共にこの運動に最も古くから参加した日本人の一人である。

 三宅光雄会長は現在、WFMの副理事長であり、次女の三宅薫さんが6月からニューヨークの国際事務局でインターンとして研修している。



  ユネスコ前事務局長と


4月23日、日本国際連合協会関西本部主催の講演会で講師を務めたユネスコ本部前事務局長の松浦晃一郎氏と、同協会の理事を務める三宅善信氏が意見交換を行った。

 パリに本部のあるユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の事務局長を2009年までの十カ年間務めた松浦晃一郎氏と三宅理事は、国連の諸機関同士の業務分野の重複をいかに合理化するかについてや、『世界遺産』の選考基準を従来の石の建造物中心の西洋の尺度から、木材の建造物の多い、いかに他の文明世界をも評価しうる基準に改めたかということについて話し合った。


  ドイツから研修生


G・バウアー君

 本年3月末から8月末までの5カ月間、金光教泉尾教会内に国際事務局を置くIARF(国際自由宗教連盟)のインターンとしてドイツ人青年のグレン・
バウアー君(19歳)が研修生活を送っている。

 9月から名門ハイデルベルク大学で歴史を専攻する予定のバウアー君は、その準備として、日本語と日本の文化について学ぶ傍ら、9月上旬にインドで開催される第33回IARF世界大会の準備作業をスタッフの一員としてサポートしている。バウアー君はまた、現代の若者らしく、日本のアニメ文化にも大変興味を持っている。


  マケドニア政府の紛争和解会議に招待

 5月6日から8日まで、欧州の東南端バルカン半島にあるマケドニア共和国(旧ユーゴスラビア連邦構成共和国のひとつ。この二十年間、激しい民族紛争が続いた)の古都オフリドで、 第2回「諸宗教と諸文明の対話」世界会議が、同国政府の主催によって『宗教と文化:諸国民の間における本質的な関係』をテーマに開催され、同地域で有力な三つの宗教である東方各正教会・ローマカトリック教会・イスラムの指導者ならびに、ニコラ・グルエフスキー首相をはじめとする同国の閣僚や欧州議会関係者、また、この会議を後援したユネスコ欧州本部関係者を中心に百数十名が参加した。日本からは、唯一、人類共栄会の三宅善信理事が招かれた。

 三宅理事は、グルエフスキー首相をはじめ、多くの宗教指導者たちと意見交換すると共に、東欧数カ国のテレビ局の報道番組に次々と出演すると同時に、『平和と繁栄を確立するための宗教的権利と文化的多様性への敬意』と題するパネルディスカッションの発表者の一人を務めた。



  マケドニア政府の紛争和解会議に招待


三宅会長とチェラータ局長

 7月6日、三宅光雄会長は世界十億のカトリック教徒の総本山バチカンで諸宗教対話評議会局長のピエール・チェラータ大司教を訪問し、6月末にカナダのウイニペグで開催されたG8宗教指導者サミット2010の報告や、9月にインドのコーチンで開催される第33回IARF(国際自由宗教連盟)世界大会へのバチカンの協力を要請した。

 人類共栄会とローマ教皇庁との関係は、創設者の故三宅歳雄師が太平洋戦争中、「スパイ容疑」で日本軍の憲兵から監視されていたパトリック・バーン京都司教を支援したことにまで遡る。 三宅歳雄師は1953年に、時の教皇ピオ12世と会見したのを皮切りに、歴代の人類共栄会会長がその時々の教皇とたびたび謁見していることは良く知られている。

 諸宗教対話評議会は、その初代議長となったマレラ枢機卿をはじめ、ピネドリー枢機卿、アリンゼ枢機卿ら歴代議長が来日時に大阪を訪れて、旧交を温めている。




  カナダ食糧支援銀行理事長と会談

6月21日、三宅善信理事は、カナダのウイニペグ市に本部を置く「カナダ食糧支援銀行(CFB)」を訪れ、 ジム・コーネリアス理事長はじめスチュアート・クラーク上級政策アドバイザー他、同銀行幹部と2時間にわたって意見交換を行った。

 カナダ連邦政府がこのCFBに対して4倍のマッチングファンドを決定したことがこの運動をさらに加速し、現在では年間予算約30億円(民間の募金が6億円、政府の拠出が24億円)の巨大NGOとなって、アフリカの紛争地域や北朝鮮等で飢餓に苦しむ人々に食糧を供給している。


  オバマ大統領に核廃絶を

 2月13日から17日まで、三宅光雄会長はハワイを訪れ、現地の宗教懇話会が企画した「米国が核廃絶のイニシアティブを取るようにオバマ大統領に提言」するための会合に出席した。ハワイ出身のオバマ大統領は、米国史上初の黒人大統領(父はケニア出身のイスラム教徒)というだけでなく、幼少期をインドネシアで過ごすなど、多くの異なった社会文化を体験している。

 そのオバマ大統領が就任直後に、アメリカ合衆国大統領としては異例な「核廃絶」を訴えたことにより、世界的な核廃絶の機運が高まった。ハワイの宗教懇話会は、国連やホワイトハウスと関係のあるWFMやWCRPに影響力のある三宅会長に橋渡し役を依頼されたもの。