< 2011年度上期活動報告 >
  

会長ごあいさつ
インドでエイズ対策プロジェクト
インドで
第33回IARF世界大会開催
アルゼンチンで
WFM評議員会に出席
会長ムンバイで
AYC執行理事会開催
IARF国際事務局だより
中露総領事と会談
会長ハワイ真珠湾で追悼式典に
  2010年度下期活動報告



あなたも人類共栄会の会員に

世界各国に支援と救済の輪を広げる人類共栄会に、あなたも参加しませんか。年会費は、一般会員が1口3,000円、賛助会員が1口3万円です。会員のみなさんには、会費や寄付金が有効に利用されていることをご理解戴くために、年次報告書をお送りいたします。

集まったお金は世界各地の
救済・援助の費用として
役立てています。

たとえば・・・



あなたのご参加を
お待ちしております。
人類共栄会事務局まで
〒551-0001 
大阪市大正区三軒家西3-8-21

Tel.06-6551-0049
Fax.06-6553-7073
www.relnet.co.jp/jinrui


人類共栄会では、集まったお金は
世界各地の子どもたちの
救済・援助のための
費用として役立てています。

あなたのご理解とご協力を
お待ちしております。




  会長ごあいさつ

人類共栄会員の皆様には、健やかに新しい年をお迎えになられたことと思います。

昨年9月、私は南インドのコーチ市で開催された第33回IARF(国際自由宗教連盟)世界大会において、会長の大任を賜りました。IARFは、1900年にボストンで創設された世界最古の諸宗教対話団体で、国連の経済社会理事会で総合諮問資格を有する国際的NGOとして活動いたしておりますが、その最大の目的は、世界の各地で抑圧されている宗教的・民族的少数派の人権を擁護して、人類文明の多様性を守ることであります。

また、10月には、名古屋で国連の生物多様性条約(CBD)第10回締約国会議(COP10)が開催され、百数十万種におよぶ絶滅の危機に瀕した生物種を救うために、世界百数十カ国の代表が一堂に会しました。

しかし、その実態は、多種多様な生物種を「遺伝子資源」と捉え、そこから生み出される無限の可能性を秘めた医薬品等がもたらすであろう巨万の利益を、その生物種の採取国(発展途上国)と医薬品の製造国(先進国)との間で、いかに分捕り合うかを争う“南北間戦争”の様相を呈した、地球温暖化防止条約会議以上に醜い、国家エゴ丸出しの会議でした。

人類共栄会では、「人類共栄」とともに「地球共生」をスローガンとして、あらゆる生きとし生けるものが相互に尊重しあって暮らしてゆける世界の創出の願っております。それは、国益を第一とする国家や利益の最大化を図る企業だけでは絶対に実現できない目標であります。このことを実現するためにも、皆様の一層のご理解とご協力をお願いいたします。

  インドでエイズ対策プロジェクト


ケアセンターの開所式で挨拶する三宅会長

10月19日、インド中南部のアンドラ・プラデシュ州のハイデラバード郊外のコナプール村において、青少年のための総合HIV/エイズ対策ケアセンターの開所式が行われ、人類共栄会の三宅光雄会長が主賓として列席した。

同センターは、三宅師が会長を務めるAYC(世界連邦アジア青年センター)のインドにおける関連事業のひとつであるIRDS(総合農村開発サービス)が、日本政府のODA(政府開発援助)を受けて設置したもので、三宅師の来訪に合わせて記念植樹やテープカットなどの式典が行われ、同センターの多目的ホールにおいて三宅師が挨拶を行った。

インドのエイズ感染者数は、南アフリカ共和国に次いで世界第二位であり、10億の人口に対して約500万人の感染者がいる。特にアンドラ・プラデシュ州では、100人に1人が感染していると言われており、今後のインド社会の発展にとって、深刻な問題を投げかけている。

南アジア各地で様々な社会開発プロジェクトを実施しているAYCにとって、近年この地域で急激に拡がりつつあるHIV/エイズへの感染防止対策は重要なテーマのひとつであり、AYCを財政的に全面的に支えている人類共栄会としても、今後の重要なテーマのひとつである。


   インドで第33回IARF世界大会開催 


インド南部のケララ州コーチ市において、9月4日から7日までの4日間、世界各国から約650名が参加して、『対立を越えて和解へ:21世紀の挑戦』をテーマに、国際自由宗教連盟(IARF)の第33回世界大会が開催され、ダライ・ラマ14世が基調講演を行った。また、人類共栄会の三宅光雄会長が、第34回世界大会が開催されるまで任期4年の会長に選出された。


満堂の第33回IARF世界大会開会式会場

▼ダライ・ラマ14世が基調講演

IARFは、進歩的な自由宗教主義者であったユニテリアンの人々を中心に、1900年に米国のボストンで設立された世界最古の諸宗教対話・協力団体である。その第33回世界大会がコーチ市のC・R・C(カトリック・リニューアル・センター)を会場に開催された。

9月4日午後の開会式では、地元コーチ市の市長と大会実行委員長のホミ・ダラー世界ゾロアスター文化協会理事長が歓迎の挨拶を行い、トーマス・マシュー会長が主催者挨拶を行った。

続いて、本大会の基調講演者であるダライ・ラマ14世法王が登壇し、「大量破壊兵器の開発を見るまでもなく、科学技術の発展は必ずしも人間を幸せにするものではない」という論点で講演を行われ、質疑応答に30分も充て、ユーモアを交えた当意即妙の応答で会場を大いに沸かせた。

続いて、日本では「医師としてアフリカの人々を救った偉人」という評価しかないが、第一級の新約聖書の研究家にして、バッハ音楽研究家のオルガニストであり、生命哲学者でもあったアルバート・シュバイツアー博士の名前を冠した『シュバイツアー賞』のダライ・ラマ法王への授賞式が行われ、本会の三宅善信理事がプレゼンテーションスピーチを行い、マシュー会長と西田多戈止副会長(一燈園当番)の手から、ダライ・ラマ法王に『シュバイツアー賞』が手渡された。この賞は、シュバイツアー博士が、IARFの母体となったユニテリアンのメンバーだったことに因んで制定されたものである。人類共栄会創設者の三宅歳雄師は、この賞を1982年に受賞している。

また、西田師は、今回の世界大会のために、一燈園に伝わるマハトマ・ガンジーの「チャルカ(糸紡ぎ車)」を持参し、大英帝国からの独立運動において、ガンジーが、非暴力・自主独立のシンボルとした「チャルカ」をダライ・ラマ法王に回して貰い、そこから紡ぎ出した糸を世界大会参加者が順次紡ぎ出すということによって一体感をシンボライズした。チャルカはインド国旗の中央にも描かれている。


ダライ・ラマ法王と共にチャルカをまわす三宅会長

▼マイノリティの人権擁護を討議

大会二日目は、朝の「神道の祈り」で始まり、椿大神社の山本行恭宮司が祭主を勤めて、清々しく厳修された。 また、最初の全体討議@として、『人権を推進するための宗教の役割』をテーマに、インドで著名な社会運動家のスワミ・アグニベシュ師と、米国における中南米系移民の人権保護を行っているピーター・モラレスUUA(ユニテリアン・ユニバーサリスト協会)会長、イスラム教各国で抑圧されているバハイ教徒の人権を訴えているムンバイ高等裁判所のマルジア・ローハニ弁護士らが発題を行い、IARFの国際評議員を務める三宅善信理事がモデレータとなって、丁々発止のワークショップが行われた。

この日の午後には、四年に一度開催されるIARFの最高意思決定機関である「総会」が、マシュー会長が議長となって開催され、財務報告や事業報告等がなされ、世界各国から集った105名の代議員たちから熱心な質問や提案が行われ、意見の衝突に紛糾する場面も見られた。また、夜には、インドの伝統舞踊などの文化行事が行われた。


トーマス・マシュー会長と握手を交わす三宅会長

▼アフリカや中東からも多数の参加者

大会三日目は、前日と同じく、朝の祈りに続いて、『科学と宗教:対立か協調か』というテーマで全体討議Aが行われ、ヒンズー教の改革運動の一派であるラマクリシュナミッションのスワミ・マハラジ師と広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長と前IARF会長のアビ・ジャナマンチ師が発題を行い、インドの前国連大使T・P・スレーニバサン博士がモデレータとなって討論が行われた。

今回の世界大会の特徴は、200名もの青年が参加したことと、長いIARFの歴史でもほとんど例のないスーダン・タンザニア・ナミビア・ウガンダ・ジンバブエなどのアフリカ各国や、サウジアラビア・パキスタン・アルバニアなどのイスラム圏からも多数参加したことである。

なかでも、紛争地域であるアフガニスタンから11名もの青年が参加したことは特筆される。各国からの大会参加者に長年戦場になってきたアフガニスタンの現状を直接訴え、ワークショップで学習すると共に、サークルグループ活動を通じて、それぞれ社会環境の異なる日米欧印各国の人々が意見を交換した。


▼三宅会長 IARF会長に選任


9月6日の午後、第二回目の総会が開催され、前日、執行部から報告された案件やフロアの代議員から出された多くの提案が、次々と議決されていった。最も注目を集めたのは、次期総会までの今後4年間、総会に代わる意思決定機関たる国際評議員会の評議員選挙であり、会長・副会長・財務担当役員を含む19名の国際評議員が選出された。


会長の象徴であるハンマーを受け取る三宅会長

会長には三宅光雄人類共栄会会長が、副会長にはイスラエルのシュロモ・アロンIEA議長が、財務担当役員には英国のジェフ・ティーゲル法人役員が就任した。全代議員票の4分の3ほどを集めた三宅光雄師は新会長に選出され、マシュー会長に招かれて登壇し、会長受諾演説を行った。

大会第四日目に当たる9月7日は、長期にわたる共産党政権が継続しているケララ州だけでなく、インド全土で交通ゼネストが実施されるというハプニングに見舞われ、各ホテルから会場への足に混乱が見られた。そんな中、『ヒンズー教・イスラム教・キリスト教はインドにおいて共存できるのか』というテーマで全体討議Bが行われ、マンガロール・ゴア大学のシェイク・アリ教授とケララ大学のニナン・コシイ教授とガンディグラム大学のニーラカンタ・ラダクリシュナン教授が発題を行いオランダのウィツケ・ダイクストラEME議長がモデレータとなって討議が行われた。


▼三宅会長 200名の青年と意見交換

昼食休憩後、新しく会長に選出された三宅光雄師と全世界からIARF世界大会に参加した約200人の青年たちが自由に意見交換や提言を行う場が急遽持たれ、三宅新会長は各国の青年たちひとり一人と親しく交流した。最後に、開会式の会場にもなったヨハネ・パウロ2世記念講堂で閉会式が行われ、「IARF会長の象徴」として1960年代から受け継がれている「総会議長のハンマー」がトーマス・マシュー旧会長から三宅光雄新会長へ引き継がれ、四日間にわたる第33回世界大会は無事閉幕した。


青年の中に飛び込んで話をする三宅会長

世界大会閉幕直後の7日夜、三宅光雄新会長は、これまで4年間の任期を務めた旧評議員と、これから4年間の任期を務める新評議員を滞在先のホテルに招き、懇親の慰労会を催した。今回、国際評議員の顔ぶれが3分の2ほど入れ替わったので、新評議員が長年任期を務めたベテランたちに解らないことを尋ねる機会を設けたものである。なお、翌8日には選任後第1回の国際評議員会が開催され、帰国した三宅光雄会長に代わって、長年、国際評議員の経験を有する三宅善信理事が議長を務めた。

今回のIARF世界大会には、人類共栄会から17名が参加した。日頃、本ニューズレター等を通じて、南アジア各国における人類共栄会の活動を側聞してはいるものの、実際にインド社会を体験するとしないとでは大違いである。ノーベル平和賞にも選ばれたダライ・ラマ14世をはじめ世界的に著名な講演者から話を聴き、世界各国から参加したその道の実践活動家同士による内容の濃いディスカッションに耳を傾けることももちろん重要であるが、同時に、人類共栄会の会員自らが、インドという世界を自分自身の目で視て、皮膚感覚で体感することも大切である。今回の体験を通して、人類共栄会運動へのコミットメントを強め、かつ、一人でも多くの人々に意義ある人類共栄会に加入してもらえるように働きかけてこそ、世界大会参加の意味があるのである。


  アルゼンチンでWFM評議員会に出席

10月5日から8日まで、南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにおいて、WFM(世界連邦運動)の2010年度評議員会が開催され、世界各国から二十数名の評議員が出席し、WFM副理事長の三宅光雄人類共栄会長の代理で三宅善信理事が出席した。


白熱したディスカッションが展開された評議員会

WFMは、大量虐殺など、国家の指導者による人道への罪を裁くICC(国際刑事裁判所)の設立に尽力した国際的NGOで、現在の年間予算441万ドル(約4億円)の内、各国政府からの助成金247万ドル、各種財団からの寄付金164万ドルといった外部資金が大半を占め、各国の世界連邦組織内のメンバーグループからの分担金はわずか26,000ドル(約200万円)と、自己資金の二百倍という驚異的な効率経営がなされており、ニューヨークの国際事務局には、常勤スタッフ約30名、インターン(見習い)約20名と約50人のスタッフを抱える国際NGOとして、国際社会に政策提言を行っている。

今回の年次評議員会は、歴代国連事務総長や各国政府首脳がブエノスアイレスを訪問する際には必ず訪れると言われるCARI(アルゼンチン国際関係評議会)本部ビルで開催され、四日間にわたって運動方針・予算・各国支部の活動報告等が行われ、また、連日、地元の政府関係者や議員、NGO活動家等を招いて公開シンポジウムが開催された。

三宅善信理事は、共にG8宗教指導者サミットで活動しているJ・クリスティWFM理事長と頻繁に意見交換を行った。特に、今回の評議員会でのディスカッションの中心的なテーマは、グローバル・ガバナンスの民主化を担保するために、現在は主権国家(政府代表)が構成単位となっている国連に、世界中の人々が直接その代表を選ぶことができる国連議員総会の設立を求め、国際的な立法機関にすることである。

  会長ムンバイでAYC執行理事会開催


AYC執行理事会で挨拶をする三宅会長

10月20日、インド最大の都市ムンバイにおいて、AYC(世界連邦アジア青年センター)の国際執行理事会が開催され、人類共栄会からはAYC会長を務める三宅光雄会長とAYC日本支部長の吉村昇一郎氏および和田富喜子氏が参加した。

三宅会長の開会挨拶に続いて、スクマル・デイビッド氏からの事務総長報告、さらには、タイ、スリランカ、ネパール、バングラデシュ、パキスタン、カナダおよび日本の各国支部と、インド国内のチェンナイ、ハイデラバード、コルカタ、ムンバイの各地域支部から一年間の活動報告が行われ、来年度の活動方針が話し合われた。

1984年に創設されたAYCは、ストリートチルドレンの保護やHIV/エイズの撲滅や識字率の向上、部族間抗争の防止や保健意識の啓蒙を行っている。


  IARF国際事務局だより


国際事務局のひとこま

2007年末にIARFの国際事務局が英国オックスフォードから大阪に移転して以来、三年の歳月が経過したが、特に2010年夏は、第33回世界大会開催を目前に控えて、国際事務局業務は大いに賑わった。英国人とドイツ人のスタッフに加えて、国内でも、東京や京都から応援のスタッフが度々、活動支援に訪れ、いろんな国の言葉が飛び交い、活気のある一年であった。

  中露総領事と会談


ロシア総領事と三宅理事

8月18日、人類共栄会の三宅善信理事は豊中市の在大阪ロシア連邦総領事館を訪れ、イワン・プロホロフ総領事と会談した。今年は特に、世界の平和運動に影響を与えた『戦争と平和』の原作者トルストイの没後百年に当たり、その件で総領事と意見交換を行った。

尖閣諸島での漁船衝突事件への対応で、日中関係が緊張していた9月29日には、大阪市内のホテルで開催された中華人民共和国の国慶節祝賀会に三宅理事が招待され、鄭祥林在大阪総領事と現下の問題について話し合った。

  万国宗教会議2009に参加


追悼式典に参加する米軍関係者

12月7日、アメリカ海軍太平洋艦隊の司令部があるハワイ真珠湾基地において、太平洋戦争開戦記念追悼式典が開催され、三宅光雄人類共栄会会長が世界連邦日本宗教委員会ハワイ平和祈念使節団の一員として参列した。

大日本帝国海軍連合艦隊の「真珠湾攻撃」によって撃沈された戦艦アリゾナ記念館において、日本人の僧侶・神職・神父によって慰霊行事が行われた後、米軍主催の追悼式典に合流して、戦没者の慰霊を行うと共に、69年前の悲劇を二度と繰り返さないように誓い合った。