< 2012年度上期活動報告 >
  

会長ごあいさつ
国連難民高等弁務官と懇談
引き続き
東日本大震災支援活動を展開
フィリピン台風被災者を
会長 ベネディクト16世と謁見
平成23年度総会開催
パレスチナで対話促進
  ソマリア南部飢饉を救援
関西国連協会60周年
COP17で温暖化防止を訴える
  2011年度下期活動報告



あなたも人類共栄会の会員に

世界各国に支援と救済の輪を広げる人類共栄会に、あなたも参加しませんか。年会費は、一般会員が1口3,000円、賛助会員が1口3万円です。会員のみなさんには、会費や寄付金が有効に利用されていることをご理解戴くために、年次報告書をお送りいたします。

集まったお金は世界各地の
救済・援助の費用として
役立てています。

たとえば・・・



あなたのご参加を
お待ちしております。
人類共栄会事務局まで
〒551-0001 
大阪市大正区三軒家西3-8-21

Tel.06-6551-0049
Fax.06-6553-7073
www.relnet.co.jp/jinrui


人類共栄会では、集まったお金は
世界各地の子どもたちの
救済・援助のための
費用として役立てています。

あなたのご理解とご協力を
お待ちしております。




  会長ごあいさつ


三宅光雄会長
 人類共栄会員の皆様には、健やかに新しい年をお迎えになられたことと思います。
 昨年3月11日に発生した東日本大震災における凄まじい自然の猛威と福島第一原発の重大事故によって、「自然条件は科学技術の進歩によってコントロールすることができる」という近代合理主義“神話”が、いかに危うい想定の上に構築されてきたかということが白日の下に晒され、あらためてわれわれの生き方が問われました。

 また、ギリシャの財政破綻に端を発する欧州の金融危機は、世界の産業構造が、額に汗して働いた成果に基づくものづくり経済から、金融資本市場というマーケットの中を巧みに泳いでゆくだけで「マネーがマネーを生み出す」金融資本主義経済という“錬金術”によって演出された打ち上げ花火の燃えかすのようなものでした。

 そんな中で、北アフリカや中東地域においては、長年独裁体制を敷いてきた政権が、市民革命によって次々と崩壊しましたが、「独裁者を排除する」という一点のみで結集した民衆のパワーは、いざそれが実現してみると、その後の目指すべき社会のあり方へのビジョンがまるで異なっており、かえって社会に混乱を来しております。

 人類共栄会では、言語・民族・宗教・文化等の異なる世界中のあらゆる人々が、相互に尊重しあって暮らしてゆける世界の創出の願っております。それは、国益を第一とする国家や利益の最大化を図る企業には絶対に実現できない崇高な目標であります。このことを実現するためにも、皆様の一層のご理解とご協力をお願いいたします。



  国連難民高等弁務官と懇談


グテーレス国連難民高等弁務官と三宅会長

 11月17日、三宅光雄会長は、国連大学本部ウ・タント国際会議場で開催された国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)主催のシンポジウム『明日へのチカラ、どうする日本』に参加した。

 このシンポジウムは、1951年に国連で「難民の地位に関する条約」が採択されて60周年ならびに日本の難民条約加入30周年を記念して、外務省・法務省・独立行政法人国際協力機構(JICA)の共催で開催されるもので、アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官と緒方貞子国際協力機構理事長が『難民保護と人道支援における日本の役割:成果と課題』と題する基調講演を行った。

 続いて、『世界が直面する自然災害の脅威、増加する避難民−日本の役割』というテーマで、先の二人に加えて、二村伸NHK解説主幹がモデレータになって、柳井正ファーストリテイリング(ユニクロの運営会社)会長兼社長や加藤敏幸外務政務官らを交えてパネルディスカッションを行った。

 三宅光雄会長は、本シンポジウムのレセプションにおいて、ポルトガルの元首相でもあるグテーレス国連難民高等弁務官と、UNHCRに対する日本の貢献について懇談した。



   引き続き 東日本大震災支援活動を展開 


2万人という未曾有の犠牲者を出した東日本大震災の発生直後から、人類共栄会では数々の支援活動を展開してきたことは、第27号で既報のとおりであるが、昨夏以後も、継続的に各方面から被災地への支援を行っている。

▼心の相談室を支援
 三宅光雄会長は、4月に気仙沼市、5月には南三陸町、6月には石巻市を訪れて、被災地の視察や支援金を贈呈するなど、早くから何度も被災地に足を運んで、その都度、必要とされる活動を行ってきた。

 9月5日には、自身が会長を務めるIARF(国際自由宗教連盟)に加盟する海外の各団体や個人から寄せられた支援金545,879円を贈呈するため、仙台市を訪れ、被災者のこころのケアを行っている東北大学医学部臨床教授の岡部健「心の相談室」室長をはじめ、同事務局長の鈴木岩弓東北大学宗教学部教授、川上直哉宮城県宗教法人連絡協議会事務局長らと会談した。


「心の相談室」の皆さんに海外からの
支援金を手渡す三宅光雄会長

 自らが医師でもある岡部室長は、たとえ今回の大震災を生き延びることができたとしても、多くの人々は、愛する家族や親しい人々を目の前で失ったことによる圧倒的な喪失感で大きな心の傷を負ったが、医療機関だけではこの傷を癒すことは不可能であり、宗教家の関与が不可欠であるとして、「心の相談室」を立ち上げた。

 「心の相談室」では、提供された資金を利用して、10月1日から12月31日までの三カ月間。岩手・宮城・福島、三県の民放ラジオ放送局を通して計14回、毎週土曜日の朝、30分番組を放送することになった。同番組には、禅僧で作家の玄侑宗久師(政府の復興会議のメンバーでもある)や、尼僧で作家の瀬戸内寂聴師や、満百歳を迎えた現職の医師である日野原重明聖路加国際病院理事長等そうそうたる顔ぶれの出演が予定されており、被災者の様々な心の相談を受けて問題の解決に向けて取り組む番組となる。

▼息の長い支援事業を
 また、ゴールデンウイークに行った青年の清掃ボランティア活動に続いて、7月5〜7日には石巻市と気仙沼市において、さらに、8月27〜29日には牡鹿半島地域において、人類共栄会の青年も参加して炊き出しや夏祭りのイベント支援活動を行った。


牡鹿半島で催された「夏祭り」の模擬店の様子

 大震災から七カ月目に当たる10月11日には、三宅善信理事が気仙沼市で合同慰霊祭に列席した後、避難所を訪問。避難所の運営状況について説明を受け、深刻な被害を受けた港湾設備を視察した。

 12日には、気仙沼湾に注ぐ大川の源流域に位置する岩手県一関市室根町のひこばえの森交流センターに三浦幹夫自治会長を訪れ、23年前から畠山重篤「牡蛎の森を慕う会」代表が推進している『森は海の恋人』運動の植林活動の詳細について、「山の民」側の視点から説明を聞くと共に、室根山系に登り、同植林運動への人類共栄会からの支援金を手渡した。


気仙沼市の避難所で地域リーダーから
説明を受ける三宅善信理事

 さらに、13日には、三宅理事は福島県に入り、放射能被害の実態についてフィールドワークを行った。原発から相当離れた福島市内の公園でも、落ち葉などの放射線量は相当高く、今後数年間にわたって、農業などには大きな影響が出るものと思われる。

 このように、人類共栄会では、震災発生直後のレスキュー犬派遣にはじまり、食糧や瓦礫撤去作業に必要な道具類の提供はもとより、生存者のこころのケアから、農林水産業復興のための環境保全に至るまで、その時々に必要な支援を継続的に行っている。



  フィリピン台風被災者を

 フィリピン南部のミンダナオ島を襲った台風21号は、死者・行方不明者約1,000名、被災者33万人と大きな被害をもたらせた。

 人類共栄会では、数年前にミンダナオ島に隣接するネグロス島でアヒルの養殖による農村開発運動を支援した縁で、同島の社会活動家アンジー・グラパー女史と、ミンダナオ島の少数民族の人権擁護に取り組んでいるモース・フローレス氏に対して、それぞれ1,000ドルずつの緊急支援金を送付した。


M・フローレス氏
 心温まるお見舞いとお励ましを頂戴し、ありがとうございます。幸い、私の家族とご近所は危機的状況を脱することができましたが、ミンダナオ島ではこの台風よって家や財産を失った人々が大勢います。われわれに寄せてくださった祈りと連帯のお気持ちに応えるべく、フィリピン南部の人々の救援のためにこの資金を使わせていただきます。




A・グラパー女史
 神の御恵みによって私の家族は助かりました。夫と私は高潮に浸かったネグロス島で食糧や救援物資の配給を開始しておりますので、頂戴した義捐金は、この貧しい島の人々の生活の復旧に役立たせていただきます。ありがとうございました。


  会長 ベネディクト16世と謁見

 


ベネディクト16世と言葉を交わす三宅光雄会長

 9月14日、三宅光雄会長はバチカンにてローマ教皇ベネディクト16世に謁見した。人類共栄会とバチカンとの関係は、三宅歳雄師が人類共栄会を創設した翌1953年に時の教皇ピオ12世と会見した時まで遡るが、ローマ・カトリック教会は、12億人の信徒を抱える世界最大の宗教団体であると同時に、バチカン市国という独立主権国家でもある。

 人類共栄会は、世界中のすべての人たちの幸せを願い、世界各地で難民救済・経済援助・職業訓練などの支援活動を積極的に展開しているが、それらの多くは、同じような目的を持った他のNGOや国連や各国際機関との協力なしには実現することが難しい。そんな中で、極寒のツンドラ地帯から高温多湿の熱帯雨林地帯まで、世界中のあらゆる地域にスタッフを派遣し、人道活動を行っている世界最大の活動機関は、国際赤十字でもなければユニセフでもない。それはローマ・カトリック教会であるので、人類共栄会の活動の多くはバチカンとの協力関係なしには実現しがたい。

 たとえば、AYC(世界連邦アジア青年センター)を通じてインドのコルカタで行っている社会事業は、マザー・テレサの修道院と密接な関係を持っているし、先のハイチ大地震の際の救援活動にも、カリブ海地域で広範なネットワークを有しているカトリックの修道会の協力を得て、現地の情報を入手し、また現地パートナーとして実際の支援活動を実施してもらった。

 というわけで、三宅会長は定期的にバチカンを訪れ、その時々の教皇をはじめ関係者と意見交換を行っているが、ベネディクト16世と謁見するのは、就任直後の2006年以来五年ぶりのことである。今回は、世界中から訪れた15,000人以上の列席者の中で二組だけが教皇に招かれて登壇し、ベネディクト16世としっかり手を取り合った。三宅会長は、2010年にインドで開催された第33回IARF世界大会にバチカンから初めてメッセージを頂いたことと、東日本大震災の被災者に対してバチカンから寄せられた物心両面の支援に感謝すると共に、「9.11事件」の十周年に当たって、世界平和のためにはより一層の諸宗教間対話が必要であることを教皇に述べた。

 謁見に続いて、三宅会長は教皇庁諸宗教対話評議会を訪れ、ピエル・チェラータ局長(副大臣に相当)やアンドリュー・ヴィサンヌ次官(政務官に相当)らと、最近、北アフリカや中東地域を揺るがしている「ジャスミン革命後」の地域像について、意見交換を行った。



  平成23年度総会開催

 


開会に先立ち、平和の祈りを行った

 8月15日、人類共栄会の平成23年度総会が金光教泉尾教会で開催された。

 司会の小島宏理事の開会宣言に続いて、樋口徳光副理事長が開会挨拶を行い、香西俊雄事務局長から、平成22年度の活動報告ならびに決算報告がなされ、平成23年度の事業計画と予算案が説明され、満場一致で承認された。

 最後に、三宅光雄会長が挨拶を行い、人類共栄会の活動方針を示して、総会は無事、閉幕した。



  パレスチナで対話促進

 


三宅理事とジャバリ族長とストロフ博士

 「9.11」米国中枢同時多発テロ事件の十周年に当たる9月11日、三宅善信理事はイスラエルを訪問し、米国の駐イスラエル大使やベンヤミン・ネタニヤフ首相も出席した同事件の十周年記念式典に列席した。

 12日には、総延長数十キロもの「壁」を造って分離しなければユダヤ人の安全が確保できないなど、イスラエルによる対パレスチナ政策の矛盾が露呈しているヨルダン川西岸の占領地域(註:イスラエル側の表現では「入植地域」)をIEAコーディネータのヤフーダ・ストロフ博士と共に訪問し、最も係争が激しいヘブロン地区のアラブ人族長シェイク・アブハデル・ジャバリ氏と、同氏が治める1,000エーカー(約120万坪)の荒涼たる砂漠内でのテントで会談した。

 同氏は「イスラム教徒もユダヤ教徒も宗教上の理由で“聖地”を明け渡すことができない以上、この地でいかに平和的に共存してゆけるかが大切で、そのための相互信頼醸成が必要」と延べ、三宅理事は、「諸宗教が平和裏に共存している日本のモデルをぜひ参考にして欲しい。われわれにできることがあれば何でも協力する」と延べ、人類共栄会の推進している諸宗教対話プログラムのDVDを贈呈した。ジャバリ氏は「あのような大地震と大津波にも不屈の闘志を見せて国土再建に励んでいる日本人を尊敬している」と述べるなど、終始和やかな雰囲気で会談は進んだ。

 人類共栄会は、イスラエル人とパレスチナ人とが、相互に相手の言語や宗教を学び合い、ひとつの問題を同じテーブルに着いて話し合うことによって信頼醸成を行うプログラムであるIEAの事業を支援するため、2011年度には5,000ドルの資金提供を行っている。



  ソマリア南部飢饉を救援

ソマリア南部飢饉を救援

 9月7日、三宅光雄会長は東京・青山の国連UNHCR協会を訪れ、同協会の高嶋由美子事務局長とソマリア南部飢饉問題について話し合った。

 国連UNHCR協会は、日本におけるUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の窓口団体で、世界で絶え間なく発生している難民について広報し、これを支援するための資金を日本国内から広く集めるための団体であり、人類共栄会とは1980年代から良好な関係を続けている。

 2011年度は、北アフリカ地域でドミノ倒し的に拡がった長期独裁政権に対する民衆の「ジャスミン革命」、なかんずく、これが長期化・内戦化したリビアで大量に発生した難民救援事業を支援するため、4月4日に三宅会長が国連UNHCR協会を訪れ、支援金20万円を贈呈したことは既報のとおりである。

 「アフリカの角」と呼ばれ、エチオピアの南部からアラビア半島に向かって突き出た位置にあるソマリアでは、1981年の内乱発生以来、実質的に無政府状態である。その上、干ばつによって南部のバクールとシェベリ川下流地域では、ソマリアの人口の半数に相当する370万人が飢饉によって生命の維持が困難な状況に陥っていることを受けて、7月20日、国連が21世紀に入って初の『飢饉』宣言を発令。各国に支援を求めたが、日本では、東日本大震災の被害の記憶が生々しく、人々の関心が遠く離れたアフリカまで及んでいなかった。

 そこで、人類共栄会では、このソマリア南部飢饉を救援するUNHCRの活動を支援するために緊急募金活動を行い、9月7日に三宅光雄会長が国連UNHCR協会を訪れ、支援金20万円を贈呈した。

 ソマリアでは、この飢饉から逃れるために、北の隣国エチオピアや南の隣国ケニアに、毎日3,500名の人々が、着の身着のままの格好で難民となって流出していると推計されており、国際社会の緊急支援が望まれているが、2008年のリーマン・ショック以降、先進各国の指導者の関心は、国内経済の立て直しと国際金融秩序の維持に集中しており、ソマリア問題が放置されている傾向が強いが、「同じ地球に生まれた人間同士、苦しむ人たちを少しでも助けることができれば、助ける人も助けられた人も、お互いが幸せになれる」と説く人類共栄会では、国連UNHCR協会と連携して、今後もソマリアを含む東アフリカ地域の難民問題に取り組んでゆく。  



  関西国連協会60周年

星野・村田両教授を交えたパネル討議

 11月19日、日本国際連合協会関西本部創設60周年記念行事が大阪市内のホテルで開催され、平松邦夫大阪市長、楠本祐一関西担当大使らが祝辞を述べた。

 記念シンポジウムでは、最初に星野俊也大阪大学大学院国際公共政策研究学科長と村田晃嗣同志社大学法学部長が記念講演を行い、引き続き、関西国連協会の理事を務める三宅善信人類共栄会理事がモデレータとなって、「安全保障の観点から日本を取り巻く国際環境と日本の外交のあり方」について、パネルディスカッションが行われた。  



  COP17で温暖化防止を訴える

パネル討議でスピーチをする三宅善信理事

 12月6〜8日、三宅善信理事は、南アフリカ共和国のダーバンで開催されていた国連気候変動枠組会議第17回締約国会議(註:日本では「COP17温暖化防止会議」と呼ばれている)に出席し、宗教者パネルで祈りとスピーチを行った。

 2008年のリーマン・ショック以来、先進国の政治指導者の関心は、完全に国内景気の回復と国際金融秩序に維持に向かっており、また、温室効果ガスの主要排出国が、従来の先進国から中国やインドといった新興国に移るという世界の構造変化によって、先進国のみに排出制限の数値目標を課した『京都議定書』は反故にされたも同然である。

 そんな中で、三宅光雄会長も出席して1997年に京都で開催されたCOP3以来14年ぶりに、COP会議において宗教者が温暖化問題に関するパネルを開催したことは注目に値する。

 12月7日、ダーバンのW・ナピエール枢機卿がモデレータとなって、エラ・ガンジー女史(マハトマ・ガンジー翁の孫)をはじめ7人の宗教代表によるパネル討議が開催され、地球温暖化がもたらす食糧危機や風土病の蔓延によって途上国の人々の生存が脅かされることに対する宗教者の取り組みの重要性が説かれた。

 WCRP日本委員会の開発・環境副委員長として出席した三宅理事は、急遽モデレータから指名され、このパネルの開会と閉会の祈りを務め、東日本大震災に際して全世界から寄せられた見舞いと支援に感謝の意を表すと共に、世界中の人々が環境を維持することによって安全を共有できるように祈った。また、日本では、原発の点検停止による火力発電所のフル稼働によって、一層温室効果ガスが排出されるので、容易に「原発反対」とは言い難い現状を英語で訴えた。

 結局、COP17では、各国別の排出規制数値目標の達成はおろか設定すら困難な様相を呈したので、会期を一日延長して、「2020年から新しい枠組を発効させるが、当面の間は、拘束力なしで京都議定書を延長する」という玉虫色の解決をもって12月11日に閉会した。