< 2015年度上期活動報告 >
  

会長ごあいさつ
比叡山世界平和祈りの集い
英国バーミンガムで開催された
第34回IARF世界大会を
成功裏に導く
オランダでWFM国際評議員会
ハイデラバードで
AYC執行理事会
国内でも世界連邦運動を推進
平成26年度総会開催
日本レスキュー協会を支援
WCRP平和教育円卓会議
  2014年度下期活動報告



あなたも人類共栄会の会員に

世界各国に支援と救済の輪を広げる人類共栄会に、あなたも参加しませんか。年会費は、一般会員が1口3,000円、賛助会員が1口3万円です。会員のみなさんには、会費や寄付金が有効に利用されていることをご理解戴くために、年次報告書をお送りいたします。

集まったお金は世界各地の
救済・援助の費用として
役立てています。

たとえば・・・



あなたのご参加を
お待ちしております。
人類共栄会事務局まで
〒551-0001 
大阪市大正区三軒家西3-8-21

Tel.06-6551-0049
Fax.06-6553-7073
www.relnet.co.jp/jinrui


人類共栄会では、集まったお金は
世界各地の子どもたちの
救済・援助のための
費用として役立てています。

あなたのご理解とご協力を
お待ちしております。




  会長ごあいさつ

三宅光雄会長
三宅光雄会長

人類共栄会員の皆様には、健やかに新しい年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。

昨年後半は、国内政治は近年になく安定・充実しておりましたが、一方で、広島における8月の土石流災害の原因となった毎時100ミリ以上もの集中豪雨、9月の御嶽山の突然の噴火、さらには、年末に各地を襲った予想外の豪雪と、自然災害が続発し、大勢の方々が大切ないのちを落とされました。それらの方々のご冥福を祈ると同時に、それらの原因と考えられている地球の温暖化防止にいっそう取り組んで行かなければならないと思います。  

目を世界に転じると、オバマ政権下のアメリカの国際的影響力の低下と相反する形で、覇権主義を標榜する中国が国際ルールを無視する形で近隣諸国と摩擦を生じさせ、また、中東地域で非人道的野蛮行為を恣(ほしいまま)にしていた「イスラム国」によるテロ活動が、世界各地へ拡散してしまいました。

さらには、隣国ウクライナに介入したロシアを制裁するために西側諸国が仕掛けた原油価格の下落政策が発端となってロシア発の世界金融危機が意識されはじめるなど、グローバル経済化した世界では、いったい誰のどういった行為が、まったく別のどういった問題の原因となるか誰にも判らないという状況を創り出しています。 

また、西アフリカで猛威を揮い続けているエボラ出血熱の問題も深刻です。人類共栄会では、これまでにも、アフリカや南アジア地域の発展途上国や紛争エリアにおいて、井戸掘りや給水パイプラインの設置といった保健衛生施設の充実や子供の教育プログラムの展開に取り組んでまいりました。

われわれ日本人の豊かで快適な生活を支える資源の多くは、これらの貧困地域からもたらされているケースが多いということを考えると、ここで立ち止まってよく考え、われわれの生き方をもう一度見直して行かなければならないと思います。引き続き、本会へのご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。


  比叡山世界平和祈りの集い

壇上で諸宗教の代表と祈りを共にする三宅会長
壇上で諸宗教の代表と祈りを共にする三宅会長

8月4日、比叡山延暦寺において比叡山宗教サミット27周年世界平和祈りの集いが開催され、内外各宗派教団から約千人が集い、世界平和への祈りを捧げた。      

木ノ下寂俊天台宗務総長の開式の辞に続いて、比叡山高校のブラスバンドが演奏する中、青少年たちが「地球」に見立てた透明ボールに折鶴を奉納、比叡山幼稚園の園児らが壇上へヒマワリを献花し、世界平和と東日本大震災復興を祈願した。 

半田孝淳天台座主による「平和とは、単に戦争がないということではなく、人間同士が結び合い、人類共同体の実現することである」との祈願文に続いて、本会会長の三宅光雄師を含む各宗教の代表者12名が特設ステージに登壇。参加者全員が起立し、世界平和の鐘と共に黙祷を捧げ、宗教・宗派を超えての平和行動の実践をあらためて誓い、小堀光實延暦寺執行の閉式の辞で終了した。 


  英国バーミンガムで開催された第34回IARF世界大会を成功裏に導く

8月24日から27日までの4日間、英国のバーミンガム大学を会場に、本会の三宅光雄会長が会長を務めるIARF(国際自由宗教連盟)の第34回世界大会が、世界30カ国から約300名を集めて盛大に開催された。

【激変する時代環境】

4年前、ダライ・ラマ14世法王を基調講演者に迎えて南インドのコーチで開催されて以後、ソーシャルメディアの急速な普及により、北アフリカの長期独裁政権が次々と倒れたことは記憶に新しいが、宗教的少数派の人権擁護を主目的とするIARFでは、今回の世界大会のテーマを『デジタル時代における信教の自由の挑戦』と定めて、英国で最も「移民」の人口比率が高いバーミンガムが今回の世界大会の開催都市に選ばれた。

第34回IARF世界大会の開会式は、8月24日午後、バーミンガム大学のバーバーホールで開催され、英語と日本語による「平和の祈り」の唱和に続き、4年間IARFの会長を務めてきた人類共栄会の三宅光雄会長が開会の挨拶を行った。地元の各宗教の代表者や市長等による歓迎の辞に続いて、今大会の基調講演者で英国の著名な作家であるカレン・アームストロング女史が『宗教的問題とわれわれの時代が要求するもの』という講題の基調講演を行った。

開会式で会長挨拶を行う三宅光雄会長
開会式で会長挨拶を行う三宅光雄会長


二日目からは、会場を同大学の学生センターに移し、朝の全体会合では、3人の発表者による『アニメーション』と題する映像をふんだんに用いたマイノリティとの和解プログラムが紹介された。その後、『少数派の権利とデジタルメディア』と『極論と極論の間』という二つの分科会が、それぞれ3人の発表者によって行われた。午後からは、『自由の遺産』と『他宗教の経典や文化への敬意の確立』という分科会が行われた。さらに、夕方には、各地域会議と『近接する者同士』という分科会が行われた。 

婦人大会で挨拶する三宅会長
婦人大会で挨拶する三宅会長

【難しい総会の舵取り】

三日目は、4年に一度開催される法人としてのIARFの最高意思決定機関である「総会」が議決権を有する84名の代議員が出席して、三宅会長が「議長」を務めて開催された。「議題案」の採択、2010年に開催された第33回世界大会の「議事録承認」や「会長演説」に引き続き、過去4年間の「活動報告」や「会計報告」が行われた。本来、この任務を担うはずであった英国人の法務担当兼財務担当理事が任期を8カ月残して、昨年末に突然辞任したので、報告説明が難しい場面もあった。

その後、『メディアと責任』と『鋭敏化したネットワーク』という二つの分科会が開催され、午後からは、『デジタルユートピア主義』と題する全体会合が行われ、英国コプト教会首座のアンガエロス主教や英国諸宗教ネットワーク理事長のハリエット・クラブトゥリー博士他が発表者を務め、デジタル時代の実情について議論した。夕方には、バーミンガム大学の神学・宗教学部の教授たちによるパネルが行われた。

K・アームストロング女史と アンガエロス主教と
K・アームストロング女史と  アンガエロス主教と

【身を切る改革】

最終日の朝は、「総会」の第二日目として、前日の激しい議論を踏まえて、各項目毎の採決が行われた。前回の議事録の承認や過去4年間の活動報告や財務報告については、すべて圧倒的賛成多数で評決が行われたが、予め国際評議員会から提出されていた「常設の意思決定機関である国際評議員会の定数を現行の19名から11名に減らす」という「身を切る」定款条項の改正案件の決定には、非常に時間を有した。

というのも、「定款」を改訂するには、出席者の3分の2以上の支持を得なければならず、意見の対立する案件に関しては、改訂を行うのは事実上困難だからである。しかしながら、現行の「定款」が制定された2006年時には、国際事務局は英国にあり、常勤の事務局員が事務総長以下数名おり、国際評議員はまさに、年に1回集まって「思いつきの意見を述べる」だけで良かったが、2008年以後は、国際事務局が大阪へ移転し、事務局員の1名だけになった上に、インターネットの発達により、国際評議員同士が日常的に意見交換を行うようになったので、IARFを取り巻く「前提」そのものが大きく変化したからである。

総会での代議員による挙手採決の様子
総会での代議員による挙手採決の様子


非常に近接した票数が予測されたので、挙手ではなく投票用紙を用いた投票になり、「国際評議員の定数を19から11名に減らす」という改革案については、賛成56票・反対28票とまさに3分の2ちょうどというギリギリで可決された。これに伴い、「11名の国際評議員とは、東アジア・南アジア・欧州中東・北米の各地域からの2名ずつに加えて、RFYN(青年団体)代表・IALRW(国際自由宗教婦人連盟)代表と、総会時に一般会員から選ばれる1名」という定款改訂が成立した。なお、今回の総会で、新たな三役を含む国際評議員11名が選任され、会長には、オランダのウィツケ・ダイクストラ女史が、副会長には三宅光雄師が、財務理事には米国のベッツィー・ダール女史が選任された。

閉会式で謝辞を述べる三宅前会長
閉会式で謝辞を述べる三宅前会長

【将来を託す】

総会終了後、最後の全体会合『自由の技術』と題するセッションが、ジュネーブのIARF国連代表らによって行われ、各国から合計で発表者が三十数名にも及ぶ充実したプレゼンテーションであった。昼食後、閉会式が行われ、各大陸からの青年たちの代表が今回の世界大会の感想や提言を述べ、三宅光雄会長から、過去4年間にわたる国際役員、一般会員、そして、今大会のボランティアへの感謝と、次期会長に選任されたW・ダイクストラ女史の指導力への期待を込めた挨拶が行われ、歴代会長に継承されてきた「議長の木槌」が、万雷の拍手のもとに三宅会長からダイクストラ新会長へと手渡され、ダイクストラ新会長から就任挨拶が行われ、第34回世界大会は無事、閉会した。

青年総会で挨拶する三宅会長
青年総会で挨拶する三宅会長


なお、IARFの世界大会に先立ち、三宅会長は、姉妹団体であるIALRW(国際自由宗教婦人連盟)の世界大会の閉会式と、傘下のRFYN(自由宗教青年ネットワーク)の総会に、特別ゲストとして招かれ、それぞれの団体への期待を込めたスピーチを行った。

【松本芳之さんの感想 】

吉村裕之AYC日本支部長
松本芳之さん

IARF世界大会が、会長先生の祈り深いご挨拶で始まり、孔子を主にしたアームストロング博士の基調講演に、「寛容」や「おもいやり」という言葉が出てびっくりしました。講演後、多くの宗教家の先生が熱心に質疑をされる姿にも感動しました。世界平和は武力による解決でなく、同じ土俵を作り熱い議論を通してこそできる近道であると感じました。まさに今、日本だけでなく世界で道徳教育が必要とされている時代だと感じました。IARFは、他の国際機関よりも地道だが、着実に世界平和の種まきをしていると確信しました。大会を通して、教育の原点に戻り邁進したいと思います。

【田村聡子さんの感想】

吉村裕之AYC日本支部長
田村聡子さん

会長先生のお供に加えていただき、英国で開催されたIARF世界大会に参加させていただきました。大会には、政治・経済が混乱している中、「宗教家として何とかしなければ…」という気持ちのもと、たくさんの人が集まりました。世界中の多様な宗教や、また、それに携わる方々ごとに、いろんな価値観や思いがあることを目の当たりにしました。

これだけ違う背景の人々の意見をまとめ、一丸となって世界中にある課題に取り組むことは簡単ではなかったと思います。あらためて、会長先生のリーダーシップの強さを実感しました。仕事の都合もあり、全日程は参加できなかったのですが、一個人としても、深く考えさせられる機会を頂きました。有難うございました。


  オランダでWFM国際評議員会

ハーグで開催されたWFM国際評議員会
ハーグで開催されたWFM国際評議員会

11月10日から12日まで、国際法の中心地であるオランダ・ハーグの法の国際化研究所において、WFM(世界連邦運動)の年次国際評議員会が開催され、WFM第一副理事長でもある三宅光雄会長の名代として、また、その2週間前にインドのハイデラバードで開催されたAYC(世界連邦アジア青年センター)を代表するWFM国際理事として、三宅薫氏が出席した。

三宅薫氏は、ニューヨークのWFM国際事務局での1年間の勤務経験もあり、また、世界中にあるWFM傘下の団体では最も活動的な団体として知られるAYCの社会活動を、どうしても欧米中心になりがちなこの運動に対して「アジアの視点」を注入していく上での重要な貢献をしている。 


  ハイデラバードでAYC執行理事会

執行理事会で活動方針について説明する三宅会長
執行理事会で活動方針について説明する三宅会長

10月28・29両日、インドのハイデラバードにおいて、AYC(世界連邦アジア青年センター)の執行理事会が開催され、三宅光雄会長以下二名の会員が参加した。

今回の執行理事会(以下ECと略す)は、前年にスリランカで開催された第9回AYC総会によって選任された新執行理事と新事務総長下での最初のECであり、インド、ネパール、バングラデシュ、スリランカ、日本の各国支部の代表者から活動報告がなされ、清掃活動や植林活動、教育現場での勉強会や支援品配給、女性のための教育プロラム等が紹介された。

AYCは各支部とも盛んに活動が行われているが、本部=支部間の連絡と比べて、支部相互間の問題意識の共有や交流が不十分なため、facebook等のソーシャルメディアの活用が提言された。また、三宅会長から「創立三十周年記念大会を大阪で開催したい」との提案がなされ、全会一致で承認された。

二日目は、午前中にハイデラバード中心部より北西郊外に建設された経済特区「ハイテク・シティー」を見学した後、午後からはハイデラバード支部の事務所を訪問。現地スタッフと意見交換。隣接して医療活動を行っている医療場の活動視察をし、「女性患者との継続したケアを心がけ、カウンセリングとともに治療行為をしている」との報告を受けた。

【吉村裕之AYC日本支部長の感想】

吉村裕之AYC日本支部長
吉村裕之
AYC日本支部長

会長のお供で、ハイデラバードで開催されたAYC国際執行理事会に出席させていただきました。5カ国6支部の執行理事が参加し、教育・植林・図書館の寄贈・水タンクの設置・IT教育など、各国様々な活動報告が行われ、「困っている人がおれば、助けずにはおれない」という人類共栄会創設者の偉大な精神をアジア各国で実践しているAYCに大変感銘を受けました。2015年6月に大阪で開催される創立30周年記念大会では、AYC日本支部を挙げて歓迎したいと思います。


  国内でも世界連邦運動を推進

伊勢大会で挨拶される鷹司尚武神宮大宮司
伊勢大会で挨拶される鷹司尚武神宮大宮司

人類共栄会では、1952年の創設時以来、内外で世界連邦運動の支援を行ってきたが、国内では、下半年だけでも7月7日には東京で、9月28日には伊勢で、世界連邦日本宗教委員会の役員会に、また、12月20日には、同委員会主催の「第36回世界連邦平和促進全国宗教者・信仰者伊勢大会」に同委員会の理事を務める三宅善信理事が参加した。

また、12月5日には、日本国内における世界連邦運動団体の連絡協議体である世界連邦運動協議会の執行理事会が国会の参議院議員会館で開催され、同会の執行理事である三宅光雄会長の代理で三宅善信理事が出席した。


  平成26年度総会開催

平成26年度総会の模様
平成26年度総会の模様

8月15日、人類共栄会の平成26年度総会が金光教泉尾教会で開催された。

司会の高畦孝一賛助会員による開会宣言に続いて、議長を務める廣瀬彰理事が開会挨拶を行い、香西俊雄事務局長から平成26年度の活動報告ならびに決算報告がなされ、平成27年度の事業計画と予算案が説明され、満場一致で承認された。

最後に、三宅光雄会長が人類共栄会の活動方針を示す講話をして、総会は終了した。   


  日本レスキュー協会を支援

伊藤裕成理事長と手を取り合って
伊藤裕成理事長と手を取り合って

12月17日、日本レスキュー協会の伊藤裕成理事長が本会を訪れ、日頃の支援へ謝意を伝えると共に、本年8月に広島市で発生した集中豪雨による大規模な土石流被災地での救助犬の活動や陸上自衛隊との共同訓練等についての報告を受けた。   

また、2015年1月17日に実施される阪神淡路大震災20周年追悼式典の準備について打ち合わせを行った。


  WCRP平和教育円卓会議

9月27日、関西学院大学でWCRP日本委員会主催の『宗教を基盤とした平和教育についての円卓会議』が開催され、天理大学の金子昭教授、皇學館大学の新田均教授、大阪女学院大学の奥本京子教授、相愛大学の渡邊了生講師の4名の研究者が、それぞれの信仰を背景とした平和教育におけるそれぞれの取り組みと課題について紹介した。

本会からは同委員会の理事を務める三宅善信理事が参加した。