★ 2003年度活動 ★

著名な生命誌学者迎えて、『ゲノム(遺伝子情報)から見た人間の意味』を講演

2月27日(木)、金光教泉尾教会(三宅龍雄教会長)の神徳館国際会議場において、大阪国際宗教同志会(大森慈祥会長)の平成15年度総会が開催され、著名な生命誌学者である中村桂子JT生命誌研究館館長が『ゲノム(遺伝子情報)から見た人間の意味』と題して記念講演を行ない、神仏基新宗教各派から約60名の宗教者が参加した。


記念講演に耳を傾けられる国宗会員諸師



「素人」にも解りやすい
説明をされた中村桂子博士

 中村博士は、講演の中で、昨今の著しい生命科学の発展によって判明しつつある地球上における38億年の「生命誌」を解き明かし、ゲノムの観点から「いのちの意味」について判りやすく説明された。

 また、米英両国による対イラク戦争が秒読み段階になった現在、大阪国際宗教同志会の名において、『対イラク武力行使反対声明』が採択され、関係各国へ送付された。



フランス人研究者が自然環境保護と日本宗教の関係を講演

アラン・グラパール教授

6月7日、金光教泉尾教会(三宅龍雄教会長)の神徳館国際会議場において、大阪国際宗教同志会(大森慈祥会長)の平成15年度第2回例会が、神仏基新宗教各派の宗教者約50名が参加して開催された。

 この春、京都を中心に「第3回世界水フォーラム」が開催され、あらためて水資源の確保すなわち山林環境の保全の重要性が確認されたが、わが国において、伝統宗教が果たしてきた山林の保全に対する役割について、独自の観点から研究を進めている米国カリフォルニア大学サンターバーバラ校東洋学部神道講座主任教授のアラン・グラパール博士が、この問題を採り上げて『自然環境保護へ貢献してきた日本の宗教』と題する解りやすい講演を行なった。


グラパール教授の講演に熱心に耳を傾ける
国宗会員各師

 グラパール教授は、長年にわたる英彦山(ひこさん=大分県)の修験道研究を元に、現在では、資源探査衛星ランドサットの画像を使った解析をはじめ、数々の科学的研究成果を採り入れて、出羽山・榛名山・富士山・大峰山・英彦山等の「修験道の聖地」が、結果として、どれほど自然環境保護(特に、水資源の確保)に良い影響を与えてきたかについて、3次元CG画像を用いて分かり易く説明を行っている。この研究成果は、文部科学省や国土交通省からも高い評価を受け、本年3月に京都で開催された「第3回世界水フォーラム」の際にも、プレゼンテーションを行われ、大いに注目を集めた。

 今回の大阪国際宗教同志会例会では、8世紀における「聖地」としての日光の開山に尽力した勝道上人を採り上げ、これを高く評価した空海をはじめ、天台宗の「山川草木悉皆成仏」の思想や道元禅師や西行法師の自然観、さらには法華経と修験道の自然観を解説し、日本人が古来より持っている「水の神」信仰から派生する自然保護へ果たしてきた役割と、これからの宗教界が担わなければならない責務について極めて明快に論説した。


日本語で分かり易く図解して説明する
グラパール教授


四天王寺国際仏教大学の柳本行雄学長を講師に迎え、
『日本の将来と教育問題』を学び会う   
03年10月03日

 10月3日(金)、金光教泉尾教会の神徳館国際会議場において、大阪国際宗教同志会(会長:大森慈祥辯天宗管長)の平成15年度第三回例会が、神仏基新宗教各派の宗教者約40名が参加して開催され、四天王寺国際仏教大学学長の柳本行雄博士が記念講演を行った。


柳本行雄先生の講演に耳を傾ける国宗会員諸師

 例会に先立ち、開催された今年度第3回理事会(理事長:三宅龍雄金光教泉尾教会長)では、本門佛立宗清風寺の岩本昭三参務と天理教明城大教会の松井龍一郎会長が開会・閉会の祈りを行い、来年度の海外行事などの活動方針が審議された。


例会に先立って開催された理事会の様子

 午後2時から開催された第3回例会は、最初に、宮尾早雄妙道会教団常務理事による開会の祈りと、大阪国際宗教同志会理事長の三宅龍雄金光教泉尾教会長による開会の挨拶で始まり、この日の記念講演の講師、柳本行雄博士の講演を聴いた。柳本博士は、かつて大阪市立大学医学部で教鞭を執られていた1972年に生活科学研究所を設立し、化学物質が人間の健康に与える影響について早くから研究を行い、医師であるにもかかわらず、関西経済同友会幹事や経済産業省PL法(製造物責任法)原因究明ネットワーク関連委員会委員を務め、社会的に積極的に発信されるなど、各方面で活躍されている。その柳本博士が、『日本の将来と教育問題』と題する講演を行なった。


例会の開会の挨拶をする三宅龍雄理事長

 コーヒーブレイクの後に、三宅善信金光教春日丘教会長のモデレートで行われた質疑応答では、カトリック教会・臨済宗・住吉大社等異なった宗教的背景を持った宗教者たちから質問が出て意見交換を行った。最後に、大阪国際宗教同志会常任理事の平岡英信清風学園理事長が閉会の挨拶を行い、森嘉一上宮天満宮宮司が閉会の祈りを行って終了した。


講師に質問するホセ・レルガ神父


2003年度第4回理事会 イラク問題や台湾訪問について協議
03年12月22日

12月22日(月)、大阪国際宗教同志会(会長:大森慈祥辯天宗管長)の平成15年度第4回理事会が、リーガロイヤルホテルで開催され、理事・監事14名が出席した。

 第4回理事会は、辯天宗の東嶋祥厳総務部長(大森慈祥会長の代理)の開会の祈りと、金光教泉尾教会長の三宅龍雄理事長の挨拶で始まった。最初に、事務局長の三宅光雄師から、今年度の決算報告や活動報告が行われ、さらに、来年度の予算や活動計画が提案され、原案通りに採択された。


熱心な討議が行われた第4回理事会の様子

 また、平成16年度の中心行事のひとつである「台湾の宗教・先住民視察」プログラムについて、詳細に議論が行われ、来年(2004年)2月17〜19日の日程で、台湾を訪れることが決定された。また、平成16年度総会は、2月28日に開催されることが内定した。

 公式の審議終了後、宗教教団向けに泉尾教会とNTT西日本が共同して開発した写真・画像・音声等の一括保存・検索のできるシステムについて、担当者から報告があり、妙道会教団の宮尾早雄常務理事(国宗常任理事佐原慶治妙道会会長の代理)の祈りで第4回理事会は終了した。


話が大いに盛り上がった納会

 続いて、平成15年度の納会が開催された。開会の挨拶を国宗常任理事の平岡英信清風学園理事長が行い、三宅龍雄理事長の発声で乾杯し、開宴となった。1990年の湾岸戦争時に、法務大臣を務めていた国宗理事の左藤恵大谷学園理事長から、米軍の軍事作戦執行中の生々しい深夜の臨時閣議の様子などが紹介されるなど、興味深いディナーとなった。最後に、国宗監事の葛葉睦山臨済宗桂香寺前住職の閉会の祈りでお開きとなった。


戻る