大阪国宗 モンゴルの文化財保護に協力
7月8日、大阪国際宗教同志会理事の三宅善信金泉尾教会執行と津江明宏今宮戎神社禰宜(大阪国宗会長名代)がウランバートルを訪問。モンゴル仏教総本山のガンダン寺院で、モンゴル仏教最高位のハンボ・ラマ(管長)チョイジャムツ猊下と会見したのをはじめ、数々の日蒙交流行事を行った。
70年間にわたる社会主義政権下のモンゴル国内で唯一存続を許されたガンダン寺院と金光教泉尾教会の関係は古く、米ソ冷戦対立下での世界平和をめざしてクレムリンでソ連のブルガーニン首相と核軍縮について会談した三宅歳雄教会長(大阪国宗創設者)が、モスクワからの帰途、モンゴルを訪問した1957年に遡る。当時、一修学僧であったチョイジャムツ猊下は、その時のことを思いだし、以後、社会主義の厳しい時代も絶えることなく七・八回にわたって行われた泉尾教会との交流の歴史について触れ、歳雄師の孫にあたる善信師の来訪を歓迎した。チョイジャムツ猊下との会談にに続いて三宅善信師と津江明宏師は、同寺院において、世界平和を祈願して日蒙合同の礼拝を行った。
ガンダン寺院管長チョイジャムツ猊下と三宅・津江両師

日蒙合同礼拝を行う三宅・津江両師
同寺院を除くすべての仏教寺院が社会主義時代には破壊されたが、ガンダン寺院は懸命にモンゴル仏教(チベット仏教と同系統)の伝統を守ってきた。1992年の社会主義崩壊以後、7年間で全国に140カ寺が復興し、急速にモンゴル国民の心を捉えている証拠に、社会主義時代にソ連によって持ち去られた大仏(観音菩薩)が返却されなかったので、全国民的寄進を集めて、2年前には新たに高さ26メートルの巨大な観音菩薩像が本堂内に建立再建された。また、同寺院に保管されている百万部に及ぶ経典類が新たにコンピュータを導入してインデックスが作成されているところを見学した。
続いて、両師は同国第二の寺院であるタシチョリン寺院を訪問し、ダムバジャフ管長と会見した。同国大統領の諮問機関である宗教審議会の委員でもあり、WBF(世界仏教徒連盟)の副会長でもあるダムバジャフ管長は、信教の自由と引き替えに、本国ではカルト集団だと見なされている諸宗教が海外から一挙に流入し、モンゴル国内で伝道活動を行っていることや、同国の宗教法人法制定に伴う公益法人としての税制の問題等について意見交換を行った。
さらに、両師は国立ウランバートル大学仏教学科内に暫定事務所を構えるモンゴル仏教学研究所を訪問。大阪国際宗教同志会と金光教泉尾教会がモンゴル仏教学研究所との協力事業として1998年から2000年にかけて三年計画で実施されている「モンゴル仏典保存復刻事業」の視察と、今後の研究事業のあり方について同研究所のルブサンツェレン所長はじめ3名の仏教学者と意見交換を行ない、協力金(年間、泉尾教会が2,000ドルと大阪国宗が2,000ドルの合計4,000ドルを支援)の贈呈式が行われた。
翌9日には、ウランバートルから80キロ離れたティレルジを視察。遊牧民の生活や民衆宗教に触れた。また、ウランバートル郊外の日本人墓地にも参拝した。この墓地には、先の大戦後、ソ連軍によってモンゴル国内に抑留されて死亡した数百名が眠っており、両師と入れ違いの形でモンゴルを訪問した小渕首相も参拝したところである。
ユーゴスラビア駐日大使と会談
99/07/05
大阪国際宗教同志会理事の三宅善信師(金光教泉尾教会執行)は、7月5日、ユーゴスラビア連邦共和国大使館(東京都品川区)を訪れ、同国のR・ブライッチ駐日大使と冷戦以後の新世界秩序における民族・宗教問題について1時間以上にわたって意見の交換を行なうと共に、6月11日に開催された平成11年度第1回例会の際に採択された「コソボ和平への祈り」を大使に手渡した。
ブライッチ駐日大使と会談する三宅善信理事
同連邦内のコソボ自治州における少数派セルビア系住民と多数派アルバニア系住民の民族紛争に端を発した今回の事態は、まず、ユーゴ連邦の「盟主」セルビア共和国によるコソボ鎮圧(相当数のアルバニア系住民が虐殺されたと伝えられる)に始まり、今度は「その蛮行を止めさせるため」という大義名分で、アメリカを盟主とするNATO各国が軍事介入に発展し、ベトナム戦争以後最大規模といわれる空爆によって、コソボはおろかユーゴ連邦の隅々まで戦火は拡大し、アルバニアやマケドニアといった周辺諸国に百万人の難民が流出することになった。ユーゴスラビア側は、2カ月半にわたるNATO軍の空爆によって、軍事施設だけではなく一般市民に多くの犠牲者が出るとともに、国内の産業・交通・通信施設といった生活基盤に大きな被害を受けた。
幸い、6月10日の停戦で、戦火を一応の収束をみたが、双方が「正義」を主張し合うかぎり、問題の根本的解決を見ることはほど遠く、同じような戦災被害を受けたにも関わらず、コソボ自治州のアルバニア系住民には国連を始め数々の国際機関・NGOから救援物資が寄せられたが、「欧米を敵に回して」戦ったばかりに、ほとんど人道援助物資すら寄せられなかったセルビア系住民の問題について理解を深めた。「敵味方を分け隔てしない人道援助」の精神が望まれる。
コソボ和平遵守への祈り
大阪国宗例会開催 6月11日
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大阪国際宗教同志会では、6月11日に開催された平成11年度第2回理事会において、コソボ自治州におけるNATO軍とユーゴスラビア軍との和平実現に向けての声明文を採択し、引き続いて開催された例会で、会員ならびに報道陣に公表した。内容は、以下のとおり。
コソボ和平遵守への祈り
1999年6月11日
私共、大阪国際宗教同志会は、6月10日に国連安全保障理事会で決議された「コソボ和平決議」を北大西洋約機構(NATO)とユーゴスラビア連邦の両者が誠意を持って、遵守することを希望します。
大阪国際宗教同志会に連なる宗教者は、2ヶ月半にわたって続けられたNATO軍によるユーゴスラビア連邦に対する空爆を含む武力行使と、それに先立つ、ユーゴスラビア当局のコソボ自治州内のアルバニア系住民に対する弾圧行為に深い憂慮を表明し、百万にのぼる難民が、わが家を後にして、飢えと死の恐怖に脅えながら国境地域をさ迷い歩かねばならないバルカンの人々の苦悩に深く胸を痛めてきました。
私共は、関係各国政府・各国際機関に対し、今後、尊い人命を犠牲にして武力に訴える問題解決方法ではなく、対話と軍事以外の外交手段によって問題の解決を図られることを希望します。暴力に対し、更に大きな暴力をもってしても、平和は訪れないことを私共は強く訴えます。
ここに、大阪国際宗教同志会は、以上の主旨をそれぞれの関係機関に訴え、平和への祈りと行動を共にすることを誓うものであります。
合 掌
大阪国際宗教同志会
会 長 津江孝夫
理事長 三宅龍雄
モンゴルへ使節を派遣
大阪国際宗教同志会では、1998年〜2000年の3年計画で、モンゴル仏典保存事業を行っているが、この7月7日〜10日の日程でウランバートルへ使節2名を派遣する。
社会主義政権崩壊後のモンゴルは、市場経済への変化が著しく、それに伴い、物質的な国民生活は豊かになったが、アジアの内陸の秘境として保たれてきた貴重な自然の破壊や文化財の散逸が大きな問題となりつつある。
そこで、大阪国際宗教同志会では、モンゴル仏教界――いわゆる「ラマ教(チベット仏教)」――と数十年にわたって交流を深めてきた金光教泉尾教会の仲介で、同国の仏典保存事業に協力を行っている。
この度、三宅善信理事(金光教泉尾教会執行・三宅龍雄大阪国宗理事長名代)ならびに津江明宏今宮戎神社権宮司(津江孝夫大阪国宗会長名代)の2名が、ウランバートルを訪問し、モンゴル仏教最高位のカンポ・ラマ猊下を表敬訪問、同総本山のガンダン寺院にて日蒙宗教者合同礼拝を行う。また、仏典保存事業を行っているモンゴル仏教協会本部では、仏典保存事業への支援金の贈呈式を行う。他に、第二次世界大戦のモンゴル(南シベリア)抑留者の日本人墓地での慰霊祭も予定されている
京大医学部移植外科 猪股裕紀洋助教授を講師に迎えて
6月11日、大阪国宗平成11年度第1回例会が開催され、神仏基新宗教各派から約70名が参加した。今回は臓器移植をテーマに採り上げたこともあって、マスコミの関心も高く、十数社が取材に訪れ、当日のテレビ(朝日放送)のニュースでも放映された。
三宅龍雄理事長の開会挨拶に続いて、わが国の生体肝移植の第一人者として知られ、数百例の肝臓移植を手がけてこられた京都大学大学院医学研究科移植免疫医学講座の田中紘一教授(本人は、当日緊急手術を執刀したため、猪股裕紀洋助教授が代理を務めた)を講師として迎え、『移植医療の現場は、今…』の講題のもと、映像を多く用いて、移植医療の第一線で多くのケースに遭遇された医者の観点から「現場」の生の声を聞かせてもらい、併せて、宗教者の声を「現場」の医師に届ける機会となった。
猪股助教授は、スライドを用いて生体肝移植の歴史や手術方法を分かり易く説明。全世界の生体肝移植の4割を占める京大での移植手術について、患者(レシピエント)が元気になっていく過程を、写真や家族からの手紙などで紹介する一方で、とかく見落とされがちなドナー(提供者になる家族)の危険性や、インフォームドコンセント(説明と同意)といった心のケアの難しさを語たり、臓器移植は、単なる科学(医学)的な作業ではなく、むしろ宗教に極めて近いプロセスであることを指摘した。
講演の後、参加した宗教者と質疑応答になり、「(完全な人工臓器が開発されるまでの)過渡的措置である移植医療に将来はあるのか?」、「人の身体の一部であった摘出臓器をクーラーボックスで運搬する様は、生命への畏敬の念が薄いのではないのか?」などという質問が相次いだ。猪股助教授は、「京大病院は世界で最も多くの生体肝移植を経験してきたが、これまでの実績に奢ることなく、常に謙虚に、また、生命への畏敬の念を忘れないように肝に銘じている。これからも、宗教者の先生方には、いろいろと教えていただきたい」と答えられた。今回の講演の内容は、近日中に、本ホームページ上で全文紹介されます。
最後に、大阪国宗の会務が行われ、この夏、モンゴルに大阪国宗の使節を派遣すること(別掲)ならびに、「コソボ和平への祈り」(内容は別掲)が緊急に採択され、今回の例会は終了した。
「大阪国際宗教同志会」事務局 〒551-0001 大阪市大正区三軒家西3-8-21
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