2001年10月12日


アメリカ合衆国 大統領
ジョージ・W・ブッシュ閣下

 私ども大阪国際宗教同志会は、2001年9月11日、ニューヨークの世界貿易センタービルならびにワシントンDCのペンタゴン等を標的に行われた同時多発テロ事件によって貴いいのちを落とされた犠牲者および遺族の皆様に対し、心からの哀悼の意を捧げます。

 いかなる理由があろうとも、多数の一般市民を巻き込んだテロ行為が許されるはずはありません。ましてや、この行為が「神の御名」のもとにおいて行われたとすれば、それこそ「神」に対する最大の冒涜であり、信じている「神」は違ったとしても、同じ宗教者として、遺憾の極みであります。
しかしながら、貴国政府が、この非人道的な「テロ攻撃の首謀者ならびに協力者たちを断罪するため」と称して、2001年10月7日以来、圧倒的な航空戦力を用いて、アフガニスタンの一般市民を巻き込みかねない軍事行動を実施されていることについては、私ども、あらゆるもののいのちを尊ぶ宗教者としては、とうてい同意することはできません。

 ただちに、これらの軍事行動を勇気を持って「自制」されることを強く希望します。なぜなら、私どもは、非暴力のみが国際テロ撲滅への唯一の道だと信じるからです。暴力に対して暴力で応酬すれば、「憎しみと暴力の悪循環」が拡大再生産されるだけだからです。ましてや、自己の行為を正当化するために、宗教を持ち出すべきではありません。ややもすれば、暴走して止まるところを知らない人間のエゴから解放されるために、宗教はあくまで、自己抑制の手段として機能すべきと考えます。

 国際社会が力と知恵を合わせて、テロに対処されることはもちろんのことですが、私ども大阪国際宗教同志会は、国際連合や世界宗教者平和会議等を通じて、今回のテロ事件の原因を除去すべく、一層の努力を図ってゆく所存ですので、世界の指導的立場にある貴国政府ならびに国民が、寛容なる赦しの精神を発揚されて、非暴力の姿勢を維持されますよう切に要請する次第であります。

  大阪国際宗教同志会
                       会 長 大森慈祥
                       理事長 三宅龍雄