★三宅代表 民族和解問題でスリランカ首相と意見交換 ★

02年12月06日

  12月6日(金)、立命館大学国際平和ミュージアム(京都市北区)で開催された「スリランカ首相を囲む」会(主催:WCRP日本委員会、後援:外務省)に出席した三宅善信レルネット代表は、来日中のラニル・ウィクラマシンハ首相と、同国における民族問題について意見の交換を行った。


スリランカ首相と握手をする三宅善信代表

  5日、当事者相互の信頼構築による紛争解決に独自のスタイルで貢献している北欧ノルウェー政府主催の「スリランカ内戦解決のための第3回和平交渉」において、スリランカ政府と少数派民族タミル人の武装組織「LTTE(タミル・イーラム解放の虎)」との間において、「(タミル人の人口比率が比較的大きい同国北部と東部に広範な自治を認める)連邦制の導入」で合意されたことがオスロから伝わった。また、同日、東京において、ウィクラマシンハ首相と会談した小泉純一郎首相が、「来春、東京において、復興支援国会議を開催することを合意した」と発表したばかりのこの時期に、仏教国スリランカの和平構築と社会開発に長年関わってきた日本の宗教界の指導者とウィクラマシンハ首相との意見交換会が開催された。

 この日の「囲む会」には、ウィクラマシンハ首相と、スリランカ和平問題についての日本政府特別代表の明石康予防外交フォーラム会長(元国連事務次長)が招かれ、宗教界からは、天台宗・法相宗・臨済宗・日蓮宗・浄土宗・金光教・日本基督教団・立正佼成会などのWCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会加盟教団をはじめ、浄土真宗本願寺派・曹洞宗・念法眞教他の代表が顔を揃えた。

  「政教分離」を国是としている日本では、あまり報じられなかったが、本年5月27日、WCRP日本委員会の協力によって、タイのバンコクで、スリランカ上座部仏教4大宗派の法王を招き、内戦当事者間の信頼醸成措置による平和回復と、日本を初めとする国際社会のスリランカの社会開発への支援が合意され、これが、今回の国際社会の協力による「スリランカ和平枠組み」の前提になっている。


「スリランカ首相を囲む会」で質問をする三宅代表

 この日の会議では、まず、明石康氏が、これまでのスリランカ和平プロセスについて概略を説明し、続いて、ウィクラマシンハ首相から、日本の協力への感謝と今後の取り組みについて短い講演が行われた。さらに、杉谷義純WCRP日本委員会事務総長(寛永寺圓殊院住職)の進行で、日本宗教界指導者との意見交換が行われ、一番手として、三宅善信レルネット代表が、「この度、(主に多数派のシンハラ人=仏教徒で構成)されるスリランカ政府が、LTTE(少数派タミル人=ヒンズー教徒で構成)との間で、『連邦制』を含む和平合意がなされたことは、誠に喜ばしいことであるが、一方で、その合意の枠組みから取り残された、さらなる少数派のイスラム教徒との和解はいかにして構築していくのか? アルカイダをはじめとするイスラム原理主義勢力による国際テロ・ネットワークが、スリランカのイスラム教徒と連携していく可能性はないか?」などの質問をウィクラマシンハ首相に質し、それぞれに回答を得た。

 三宅善信代表の亡祖父故三宅歳雄師は、WCRPの創設者のひとりでもあり、スリランカに「ミヤケ財団」を創設して、同国の内戦被害者救済活動を展開したことでも知られる。1991年には、大阪の三宅邸を同国の初代大統領J・R・ジャヤワルデネ夫妻が訪れたことがある。また、三宅代表の兄で、AYC(世界連邦アジア青年センター)会長を勤める三宅光雄師は、度々、同国を訪れ、バンダラナイケ首相や、同女史の娘で大統領になったクマラトゥンガ女史らとも会見を重ねている。三宅代表は、11月にも、日本国際連合協会関西本部で明石氏と出会っている。


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