三宅代表がマニラで開催されたACRP大会に出席
08年10月16日〜22日
2008年10月16日から22日まで、フィリピンのマニラで開催された第7回ACRP(アジア宗教者平和会議)大会が開催され、三宅善信代表は、WCRP日本委員会の評議員として日本代表団メンバーの一人として出席した。また、期間中、ネグロス島でIARF(国際自由宗教連盟) が実施している社会開発プログラムの「アヒルプロジェクト」の視察も行った。
ACRPは、1974年に第2回WCRP(世界宗教者平和会議)世界大会がベルギーのルーベンで開催された際に、三宅代表の亡祖父三宅歳雄師によって「アジア人のイニシアティブによるアジア版WCRPの開催」が提唱され、1976年にその第1回大会をシンガポールで開催したことに始まる。以後、ニューデリー、ソウル、カトマンズ、アユタヤ、ジョグジャカルタとアジアの各都市で開催されてきた。
大会開催を翌日に控えた16日夕方にマニラ市内のレストランで開催された日本代表団結成晩餐会で、三宅善信代表が乾杯の発生を行った。
開会式後にキャンパスで行われた記念撮影 |
17日午前、東アジア「最古の大学」であるサント・トマス大学の医学部大講堂で第7回ACRP大会の開会式が行われた、ゲストであるフィリピン共和国のグロリア・アロヨ大統領は、三宅代表から約1mの椅子に着席したのが印象的であった。開会式では、ローマ教皇ベネディクト16世や国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長やイランのM・ハタミ前大統領らからのメッセージが、それぞれの代理から読み上げられた。さらに、スリランカ和平問題日本政府代表の明石康元国連事務次長と、昨年秋までバチカンの諸宗教対話評議会の次長を務めていたF・マチャード大司教が基調講演を行った。
今回の大会のテーマは『アジアのおける平和の創造』であり、オーストラリアや北朝鮮を含むアジア20カ国から仏教・バハイ教・キリスト教・儒教・ジャイナ教・ユダヤ教・ヒンズー教・イスラム教・神道・シーク教・道教・ゾロアスター教などに属する約370名が参加して、四日間にわたる会議を行った。
また、三宅善信代表は、この機会を利用して、フィリピン中部のネグロス島において、三宅代表の肝煎りでIARFが東南アジア地域で進めている社会開発プログラムのひとつ「アヒルプロジェクト」の視察を、18日に行った。
アヒル小屋に入って説明を受ける三宅善信代表 |
このプログラムは、バングラデシュの社会開発プログラムとしてノーベル平和賞も受賞したグラミン銀行の『マイクロ・クレジット』をヒントに開発されたプログラムで、僻地の貧しい農家に、無償で1羽の雄アヒルと5羽の雌アヒルを貸与し、3カ月後に「利子」分として、8羽のアヒルを返して貰い、そのアヒルをまた別の農家に無償貸与するという単純なプログラムである。その間、5羽の雌アヒルたちは平均30個の卵を産むので、彼らの「取り分」は、8羽を返却したとしても22羽となり、この営みを繰り返していくことによって、貴重な現金収入を得られるようになるという社会開発プログラムである。
豚の飼育実態について説明を受ける三宅善信代表 |
経済的には貧しいが、温暖な気候のため食糧には困らないこのような地域の自立支援が一番難しい。人々に、自分たちの生活スタイルを変える意欲が湧かないからである。ただし、このような生活スタイルを続ける限り、子女に教育を受けさせるということはできないので、経済的成功への道は永久に閉ざされたままなのである。そこで、彼らの生活様式を急変させることなく、これまでとあまり変わらない形で現金収入を得る手立てとして、「アヒルプロジェクト」が開始されたのである。
島民と意見交換会を行う三宅善信代表 |
三宅善信代表は、島内の僻地へ入り込み、アヒル飼育状態を視察して回った。これらの多くの農家では、竹を割って造った簡易なアヒル小屋(約1〜2畳の広さ)の周りには、「半野生化」した鶏が走り回り、また、その直ぐ隣には、豚小屋や人間の住居まで混在していた。そこで、三宅代表は、島民たちとの意見交換会で、近い将来世界的に大流行が懸念されている「鳥インフルエンザ」発生時の対処法について島民たちを指導した。
こうして四日間にわたる大会が終了したが、三宅善信代表は、全体会議での「諸宗教の祈り」を英語と日本語で行ったり、旧知の明石康氏との食事を摂りながらの意見交換を行ったり、先の大戦で、現地で“戦犯”として処刑された日本人将兵の墓地への参拝等の行事を終えて、22日に無事帰国した。