三宅善信代表がインドのケララ州を訪問

 09年02月16日〜21

 三宅善信代表は、2009年2月16日から21日にかけて、IARF(国際自由宗教連盟)第33回世界大会準備会議に参加するため、インド南西端のケララ州最大の都市コーチを訪れ、現地の宗教指導者たちと意見を交換したり、2010年9月に同地で開催される予定の第33回IARF世界大会の会場予定施設の視察等を行った。IARFは、1900年にボストンで設立された世界最古の諸宗教対話団体であり、爾来、百十年の長きにわたって継続されてきた。IARFFはまた、国連経済社会理事会(Eco. Soc.)に総合諮問資格を有するNGOのひとつとしても知られる。


ヴァルケイ・ヴィチャヤチル枢機卿と訪問団一

  アラビア海に面したこの地には、紀元前の時代から、エジプト・メソポタミア・中国等と交易を行っており、東西文化の交差点であったが、15世紀末に大航海時代の始まったポルトガル人が拠点を築いて以来、オランダや英国の東インド会社貿易の中心地となった。全国民の80%がヒンズー教徒であるというインドにおいて、カトリック教徒が人口の35%を占めるというこの地は、宗教的寛容さという点でもインドの中では特異である。イスラム教やユダヤ教やバハイ教といった中東起源の宗教の礼拝施設もあり、もちろん、ジャイナ教や仏教やシーク教といったインド起源の宗教の寺院もある。

  インドはまた、「世界最大の民主主義国家」(註:自由な選挙のない共産党一党独裁の中国が民主主義国家でないことはいうまでもない)でもある。ちょうど、この期間、総選挙が行われており、街中、ド派手な看板やバナーで溢れていたが、全国レベルでは、ガンジーやネルーといった傑出した指導者を出し、ほぼ政権与党であり続けた「国民会議」と、1998年から2004年まで、バジパイ首相の下で政権を取ったヒンズー教至上主義の「BJP(インド人民党)」以外は「弱小政党」と言えるが、このケララ州においては、過去50年間にわたって、世界唯一の自由選挙によって選ばれた共産党政権がほぼ継続している。識字率の高さや幼児死亡率の低さも先進国並みであり、インドで一般的に見られる外国人観光客を見ると集まってくる「物乞い」や「物売り」の姿はほとんど見かけられない。


街中いたる所で見られる候補者のポスター類 

  三宅善信代表は、17名からなるIARF世界大会準備会議一行と共に、エルナクラムとアンガマリー大司教区のヴァルケイ・ヴィチャヤチル枢機卿を表敬訪問し、バスコ・ダ・ガマ以来、500年間に及ぶインドにおけるキリスト教伝道の歴史について枢機卿と話し合ったのをはじめ、ラーマ・クリシュナ教団、ユダヤ教のシナゴーグ(礼拝堂)、ジャイナ教寺院、バスコ・ダ・ガマの遺体が安置されている聖フランシス教会などを訪れた。また、IARFがオランダ政府からの助成金をもらって実施してきた『HRE(人権教育)』プロジェクトの実施状況視察として、英国国教会系のピート・メモリアル・カレッジやビショップ・ムーア・カッレジを訪問して、学長やプログラムオフィサーと意見交換をし、学生たちから直接意見を聴取したりした。ピート・メモリアル・カレッジでは、三宅代表が突然指名を受けて、教師免許資格取得コースの学生さんたちに、スピーチを行った。


ピート・メモリアル・カレッジでスピーチを行う三宅善信師

  また、この地域には「バック・ウオーター(背後の水)」と呼ばれる深い入江の汽水域の水郷地帯がどこまでも続いており、IARF世界大会準備会議一行はそこで竿で操作する屋形船に乗って自然環境の保存状況などを視察したが、カワセミなどの姿も見え、実に豊かに自然が残っていた。


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