三宅代表 ローマ教皇「世界宣教の日」に参列

10/17〜24

   10月18日、G8宗教指導者サミット事務局長を務める三宅善信代表は、ローマ・カトリック教会の総本山バチカンを訪れ、重要閣僚であるフランシス・アリンゼ典礼秘蹟省長官と会談した。三宅事務局長の亡祖父三宅歳雄師は、日本人非キリスト教徒としては最も早い時期に教皇ピオ12世と謁見した経歴を持ち、三宅家とバチカンとの間には深い信頼関係があるので、アリンゼ枢機卿は分刻みのスケジュールであるにもかかわらず、30分もの時間を割いて、三宅事務局長から来年7月に日本で開催されるG8宗教指導者サミットについての趣旨説明を受け、大いに理解を示した。


アリンゼ典礼秘蹟省長官と三宅善信事務局長

 また、三宅事務局長は諸宗教対話評議会を訪れ、あいにく留守であったジャン・ルイ・トゥーラン議長に代わって応答したフェリックス・マチャード次長とG8宗教指導者サミットの具体的な準備状況についての話し合いを行った。マチャード師は、本年7月末にも大阪の自宅を訪問するほどの親密な関係にあることから、7月末の時点からの準備の進捗状況に大いに関心を示し、特に、9月末に三宅事務局長がダライラマ14世法王を訪問し、G8宗教指導者サミットへの支持を取り付けたことを大いに評価した。

 21日、ナポリ市のプレビシート広場は、教皇ベネディクト16世自身が司式を務める「世界宣教の日」のミサに預かろうと、朝から冷たい風雨の中、万余の会衆で埋め尽くされた。教皇が「パパモビル」と呼ばれる専用御料車で、プレビシート広場に面したパオラの聖フランシスコ大聖堂正面階段の特設ミサ会場に入場した瞬間、会場は興奮の坩堝と化した。以後、約1時間半に及ぶミサの間、冷たい風雨が会衆の身体に打ち続けられたというのに、中座する者の姿はほとんど見られなかった。


セペ枢機卿と三宅事務局長

 「世界宣教の日」とは、カトリック教会が定めた全世界の教会で同時に行う行事の一つで、「まだキリスト教を知らない人々にキリストの福音を伝える」とこを目的とするものであり、近年、教皇がバチカンの外(諸外国)に出て、大きな野外ミサを行うことで知られ、地元イタリアの国営放送はもとより、欧米の主要メディアでも大きく取り上げられる行事である。今年の「世界宣教の日」は、特に、非欧米世界への布教を強く打ち出した教皇ピオ12世の回勅『フィデイ・ドヌム』発布50周年に当たり、ナポリ大司教区がホストとなって『すべての教会が全世界のために』のテーマで開催され、ミサ中の説教で、ベネディクト16世は「現代世界が、神の名の下に正当化された暴力によって満ちていることを指摘し、宗教者は決して憎悪の運搬役になってはいけない。また、暴力を正当化するために神の名を用いてはならない」と強調した。

 この日の「世界宣教の日」ミサには、ローマ・カトリック教会の行事であるにもかかわらず、ギリシャ正教の総主教であるバルトロメオ1世をはじめとする東方各正教会の高位聖職者や、英国教会首座のカンタベリー大主教ローワン・ウイリアムス師、さらには、プロテスタント各教派の連合体であるWCC(世界教会協議会)のサミュエル・コビア総幹事をはじめとするキリスト教世界を挙げてのミサとなった。


チャプリン副局長と意見交換を行う三宅事務局長

また、キリスト教徒だけでなく、全世界から諸宗教の指導者が一同に会するこの機会を捉えて、カトリックの一世俗信徒団体である聖エジディオ共同体が主催する国際会議『対話における宗教と文化』がサン・カルロ劇場で開催され、イタリアのロマーノ。ブローディ首相やタンザニア、カザフスタン、エクアドルの各大統領らも参加した。日本からは、杉谷義純天台宗宗機顧問や稲貴夫神社本庁渉外部長他十数名の宗教関係者が参加した。

 同日夜、この日の教皇ミサのホストを果たしたナポリ大司教区のクレセンチオ・セペ枢機卿主催の歓迎レセプションが市役所ホールで開催され、G8宗教指導者サミットの三宅善信事務局長は、セペ枢機卿はもとより、昨年度のG8宗教指導者サミットを運営したロシア正教会渉外局のヴセヴォロド・チャプリン副局長や、今年度のG8宗教指導者サミットを主催したEKD(ドイツ教会連合)のヴォルフガンク・フーバー議長と歓談する機会を持ち、来年七月上旬に関西で開催される予定のG8宗教指導者サミットの進捗状況について説明した。


フーバーEKD議長と意見交換を行う三宅事務局長

 また、三宅師は、共にIARFの国際評議員同士として旧知の世界ゾロアスター教徒文化財団理事長のホミ・ダラー博士やシリア正教会のグレゴリオ・イブラヒム府主教らと旧交を温めると同時に、G8宗教指導者サミットへの協力を要請するだけでなく、本年9月末に起きたミャンマーでの仏教僧による非暴力反政府活動の指導者のひとり、ウ・ウッタラ師とも意見交換を行い、ミャンマーの民主化についてG8宗教指導者サミットで取り上げることを約束した。


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