三宅代表 フロリダでIARF年次総会に出席

07月23〜30日

2007年7月23日から30日まで、米国フロリダ州クリアウオーターで開催されたIARF(国際自由宗教連盟)の年次総会ならびに拡大常任理事会、および諸宗教対話集会に、IARF国際評議員を務める三宅善信代表が出席した。現在IARFは組織存亡の危機に直面しており、これまで英国オックスフォード置かれていた国際事務局を大阪の金光教泉尾教会に移転するために必要な法的処置を行うために急遽開催されたものである。三宅代表は、新しい国際事務局の実質的責任者として、年次総会と拡大常任理事会を中心的な役員として切り盛りしたのをはじめ、地元の諸宗教対話ワークショップのパネリストを務めた。

 10世紀最後の年、1900年に創設されたIARFは、これまで4年に2度(2002年以前は3年に1度)、全世界から百余名の代議員が一同に会して開催されてきた世界大会時に、公益法人としての「年次総会」を開催し、それ以外の年は、国際事務局の所在する英国オックスフォードで毎年開催される国際評議員会(定員16名)をもって「年次総会」に代え、これを機関としての最高意思決定としていたが、昨年春の事務総長解任騒動と、この度の英国から日本への国際事務局の移転登記を巡るゴタゴタによって、英国でも公益法人を所轄する「チャリティコミッション(非営利法人委員会)」からの監視の目が強まり、同委員会からの「コンプライアンス(法令遵守)強化」要請の行政指導に伴い、百余名の代議員の20%以上の「実出席」をもって毎年「年次総会」を開催しなければならないことになった。

 そこで、この度、最初で最後の「(世界大会とは関係ない単独の)年次総会」を招集し、ドイツのフランクフルトから英国のオックスフォード事務局に移転した1992年当時に改定され、チャリティコミッションに登記された現行定款と規約を再度改定し、IT時代に即応した電子的決済手段を導入したりして、数多くの人間が実際に世界中から参集しなくとも、インターネット等を利用して、国際機関としての意思決定が迅速に行えるようにすることになった。


各国からの代議員たちに向かって
自説を力説する三宅代表

 午前9時、すり鉢状のオーディトリアムのような形の教会堂で、数十名が席に着いて「年次総会」が始まった。ユニテリアン・ユニバーサリスト協会は全米一リベラルな教団であり、教会と言っても、十字架はもとより、祭壇もなければ神聖めいた施設は何もない。たいていは、公民館か学校の講堂のような礼拝施設であるが、それでも、一応、正面の一段高いステージが設けられていることが一般的であるが、この教会はそれらの類型とも全く異なり、八角形のすり鉢の一番低い「底」の部分に牧師が立ち、それを360度周りから会衆が見下ろすといいう特殊な構造になっていた。

 その一番「底」にジャナマンチ会長と執行部の面々が陣取って、それをぐるりと取り囲む代議員たちは、「煮て喰おうか焼いて喰おうか」と虎視眈々で、まるで、国会の審議のような対決ムードで始まった。開会の祈りに続いて、本来ならば事務総長が行うべき「報告」を、事務総長が一年以上空席のため、ジャナマンチ会長が代わって、財務や人事も含めた詳細な報告を行った。


三宅代表のリードで進められた拡大執行理事会

 26日は、十数名による拡大執行理事会が終日開催され、昨日までの年次総会の議決によって、総会に代わるものとしての「権力」を委任された拡大執行理事会が、予算措置などを含む詳細な問題ついて微に入り細に入って検討審議を行った。

 28日は、地元の人々を招き、宗教的多様性についての公開シンポジウムが開催され、大学の教授たちと共に、パネリストでは三宅代表が唯一の日本人として、人種と宗教の坩堝(るつぼ)であるアメリカの市民たちと、宗教の相対性について、近くにある『ウォルト・ディズニー・ワールド』と『ユニバーサル・スタジオ』という二つのテーマパークを例に挙げて、「ミッキーマウスという神はディズニー・ワールドという「お約束」の中では有り難い神であるが、一歩外へ出てユニバーサル・スタジオへ行けば、また別の神がいるのでミッキーマウスという神は有効性を持たないのと同様に、キリスト教やイスラム教の有効性についても考え直す必要がある」と挑発して、丁々発止のやり取りを行った。


戻る