比叡山宗教サミット20周年記念世界平和祈りの集会開催

08月03〜04日

 2007年8月3、4日の両日、内外の代表を含む2,000人の宗教者が一同に会して、国立京都国際会館および比叡山延暦寺で開催された「比叡山宗教サミット20周年記念 世界宗教者平和祈りの集い」が開催された。

 比叡山宗教サミットは、1996年10月、時のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の呼びかけによって、イタリアのアッシジで開催された「世界平和祈りの集い」に時の天台座主山田恵諦猊下が招かれて参加したことをきっかけに、日本でも同様の趣旨の「超宗教による祈りの集いを行おう」と、日本仏教の母山とも言える天台宗の呼びかけに応じて、1987年8月に開催された。

 今年は、その20周年ということもあり、例年8月4日の比叡山頂での「世界宗教者平和祈りの集い」だけでなく、第1回目と10周年の時と同じく、8月3日に京都洛北宝ヶ池の国立京都国際会館において、2,000人の参加者を集めて開会した。

 まず、10年前民族宗教紛争の坩堝であった旧ユーゴスラビア連邦のボスニア・ヘルツェゴビナ共和国から招かれた子どもたちと広島の子どもたちによる絵と平和メッセージの披露に引き続き、本行事の主催者を代表して日本宗教代表者会議事務総長の濱中光礼天台宗宗務総長が、また、日本の宗教界を代表して神社本庁の矢田部正巳総長が歓迎の挨拶を行った。続いて、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長のメッセージをジョセフ・V・リード事務次長が、ローマ教皇ベネディクト十六世のメッセージをバチカン諸宗教対話評議会のフェリックス・マチャード次長が、イスラム教世界の最高学府と言われるカイロのアズハル大学のムハマド・タンタウィ総長のメッセージを同大学のムハマド・M・アブドゥルアジーズ副学長が、世界仏教徒連盟のパーン・ワンナメッテー会長のメッセージをパロップ・タイアリー事務総長が、それぞれ代読した。

 休憩を挟んで、バチカンのF・マチャード次長と、サウジアラビア善導省のアブドラ・アルレヘダン審議官の両名が基調講演を行い、WCRP日本委員会前事務総長の杉谷義純師がコーディネーターを務めて各国各宗教の7人のパネリストと共に『和解と協力――宗教・民族・国境を越えて』と題するシンポジウムが行われ、初日の会議は終了した。


イスラム世界の最高権威アズハル大学の
M・アブドゥルアジーズ副学長と
日本ムスリム協会の徳増公明会長と
意見交換する三宅代表

 続いて、会場をグランドプリンスホテル京都に移して、歓迎レセプションが行われ、主催者を代表して庭野日鑛立正佼成会会長が挨拶を行い、河野洋平衆議院議長が祝辞を述べた。安原晃全日本仏教会理事長の発声で乾杯し、WCRP日本委員会評議員として参加した三宅善信レルネット代表が内外のゲストが交流を深めた。

 翌4日は、午前中は、前日に引き続き、国際会館において『諸宗教間の対話と協力』と題するフォーラムが山田経三上智大学名誉教授のコーディネートで、また、『自然との和解と共生』題するフォーラムが薗田稔秩父神社宮司のコーディネートで開催され、それぞれ各国からの代表7名がパネリストとして参加した。

 昼食を挟んで、午後3時、比叡山頂の延暦寺根本中堂前特設会場にそれぞれの装束・僧衣を身につけた諸宗教代表が参集した。日本宗教代表者会議運営委員長の宮本けいし妙智會理事長の開会挨拶に続き、この度、寄贈された「平和の鐘」の除幕式がボスニアと広島の子どもたちの手によって行われ、20年前と同時刻の午後3時半に「平和の鐘」が打ち鳴らされた。

 続いて、主催者を代表して日本宗教代表者会議名誉議長の半田孝淳天台座主が挨拶を述べ、「アッシジ・メッセージ」を聖フランシスコ会国際センターのアダム・ブンネル師が披露した。続いて、各宗教の代表が次々と登壇して「平和の祈り」を行い、諸宗教組織を代表して、三宅光雄金光教泉尾教会長他数名が登壇して「平和の祈り」行った。最後に、山北宣久日本キリスト教連合会委員長が『比叡山メッセージ』を披露し、各宗教団体の代表者がステージに登壇して閉幕した。この日の様子は、テレビや新聞を通じて広く報道された。



半田孝淳天台座主とH・ウコWCC諸宗教対話局長と談笑する三宅代表

 比叡山頂での「祈りの集い」終了後、会場を大津プリンスホテルに移して、「さよならレセプション」が開かれ、三宅善信代表は半田孝淳天台座主猊下から、亡祖父三宅歳雄師の時代以来の長年にわたる「比叡山宗教サミット」への協力に対して、何度もお礼を言われた。


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