三宅善信代表 カナダ食糧支援銀行理事長と会談

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 2010年6月21日、三宅善信レルネット代表は、マニトバ州ウイニペグ市に本部を置く「カナダ食糧支援銀行(Canadian Foodgrains Bank)」を訪れ、ジム・コーネリアス理事長はじめスチュアート・クラーク上級政策アドバイザー他、同銀行幹部と二時間にわたって意見交換を行った。


カナダ食糧支援銀行幹部と意見交換する三宅善信代表

「カナダ食糧支援銀行(CFB)」は、1920年代にロシア革命から逃れてカナダへ移民してきた農民たちが、飢えに苦しむ東欧の人々へ食糧支援をするようになったことに端を発している。「カナダの穀倉地帯」であるマニトバ州には、クエーカーやブレザレンと共に、新約聖書に書かれてあることに忠実な非暴力、質素、伝統的な宗教コミュニティを維持しているメノナイト派の農民が多数暮らしていた。聖書には「収穫物(所得)の一割は神に捧げなければならない」と書かれてあるが、彼らは文字通りそのことを実行し、1970年代からアフリカ等への食糧支援を行ってきた。

1983年にその運動を近代的に組織化して、メノナイト派が「カナダ食糧支援銀行」を設立し、その後、合同教会、バプテスト、救世軍、英国国教会、カトリック教会等のカナダの主要な15の教派がこれに加わり、それぞれの教派毎の「口座」をCFB内に設け、寄付を募り始めた。

同時に、民間の非営利事業に理解のあるカナダ連邦政府は、このNGOに対して4倍のマッチングファンド(註:1,000ドル民間が集めたら、その4倍の4,000ドルを政府が拠出し、5,000ドルの基金にする。もちろん、非課税)を決定したことがこの運動をさらに加速し、現在では年間予算約30億円(民間の募金が6億円、政府の拠出が24億円)の巨大NGOとなって、アフリカの紛争地域や北朝鮮等で飢餓に苦しむ人々に食糧を供給している。

かねてより、カナダ食糧支援銀行に招待されていた三宅代表は、ウイニペグ大学を会場にG8宗教指導者サミット2010が開催されるのに併せてCBF本部を訪れ、この活動を政教分離の原則が厳格な日本にいかに紹介していくかについて、様々なケースについて検討し、民主党政権の公益法人政策の問題点についてもカナダ側にこれを伝え、日本政府への積極的なアプローチのために、引き続き、アドバイスを行うことになった。



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