三宅代表 神道国際学会専攻論文発表会に

9/18〜20

  2010年9月18日、神道国際学会の定例理事会がホテルサンルート高田馬場(東京都新宿区)で開催され、同学会の常任理事を務める三宅善信代表が出席した。今回の理事会は、ハワイ在住のアラン・グラパール副会長(フランス)と梅田善美理事長が病気で欠席するという事態の中、開催されたが、薗田稔会長、大崎直忠常任理事、マイケル・パイ理事(ドイツ)、ジョン・ブリーン理事(英国)、王勇理事(中国)、マーク・テーウェン理事(ノルウェイ)、岩澤知子理事、玉川千里監事、梅田節子事務局長他が出席して、年末に任期末を迎える現役員の再任や、来年実施される国際シンポジウムや神道セミナーの詳細、さらには、毎年、英語・ロシア語・中国語で公募されている大学院生を対象にした「神道エッセイコンペ」の来年度の募集テーマ等について、熱心な討議が行われた。


研究論文発表者によるパネル討議で意見を述べる三宅善信代表

  19日、学校法人川口学園(東京都豊島区)において、第三回神道国際学会専攻論文発表会が開催された。最初に、薗田会長が挨拶と趣旨説明が行い、三宅常任理事がトップバッターとして登壇し、20世紀前半における日本宗教の朝鮮半島・台湾・満州等への布教の試みとその後について『世界宗教への道〜天理教・金光教の挑戦〜』と題する論文発表を行い、翌20日まで続く今回の専攻論文発表会の方向付けを行った。続いて、中国の浙江工商大学日本文化研究所の張逸農大学院生が『「日本書紀」神名用字研究――神代紀を中心にと』題する研究発表を。韓国の高麗大学校日本研究センターの全成坤研究教授が『「朝鮮神宮」の祭神論争を通じてみる<海外神社>の変容樣相考察』と題する研究発表を。国際日本文化研究センターのジョン・ブリーン准教授が『伊勢の近代:「神都」の形成過程』と題する研究発表を。麗澤大学外国語学部の岩澤知子准教授が『異文化理解の困難と可能性―『菊と刀』(ルース・ベネディクト著)と『アメリカの鏡・日本』(ヘレン・ミアーズ著)の比較分析』と題する研究発表が行われ、最後に、この日、研究発表を行った5人がパネリストとなってディスカッションが行われた。


研究論文発表者とフロアの間で熱心な討議が行われた

  さらに、翌20日にも、続きの専攻論文発表会が行われ、中国の浙江工商大学日本文化研究所の王勇所長が『東アジアから見た「天皇」の語源』と題する研究発表が。中国の南開大学日本研究院の劉学兵副教授が『皇国史観の形成と儒学――「神皇正統記」を中心に――』と題する研究発表を。続いて、台湾の台湾大学日本語学科・日本語文学研究所の徐興慶所長が三人の中国人発表者に対する総合コメントを行った。さらに、韓国の国立江原大学校人文大学日本学科の黄昭淵副教授が『韓国人の日本文化認識――朝鮮時代の『海行総載』を中心に――』と題する研究発表を。ガラス工芸作家の亀井治美が『日本美術工芸における神道文化の発露について』と題する研究発表を。京都大学の薗田稔名誉教授が『生命観にひそむ東西間の課題』と題する研究発表を行い、最後に、総合討議が行われ、二日間にわたる専攻論文発表会を閉じた。



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