聖徳太子1390年御聖諱法要に

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  2011年4月22日、奈良斑鳩の法隆寺の門前は、修学旅行生や内外からの観光客で賑わう日頃の『世界遺産』という顔ではなしに、各宗派の管長・諸大徳を乗せた黒塗りの高級車がずらりと並ぶ、非日常的な光景が出現した。この日は、これまで十年ごとに仕えられてきた聖徳太子の没後1390年目の御聖諱(ごしょうき=皇族の年忌法要)が執行される日である。


松下日肆本門法華宗管長と共に御輿行列を迎える三宅善信代表

  午前十時、聖徳太子像を乗せた御輿が夢殿のある東院を出発し、僧兵や天部衆(インド伝来の神々・天人・吉祥鳥獣)に守られた行列は、大野玄妙管長以下法隆寺の僧侶と共に西進し、東大門を経て西院伽藍の正面から北上し、中門を経て金堂と五重塔の間を進み、大講堂に太子像が安置された。大講堂前には特設ステージが設けられ、その前庭には、南都各大本山の各管長は申すに及ばず、仏教各宗派の管長、格式のある神社の宮司たちのための来賓特別席が設けられた。


楽人たちは本堂の前で舞楽を奉納してから登壇する

  大野玄妙管長が大導師を勤めた御聖諱法要は、最初に、この度の東日本大震災で犠牲になられた方々の冥福を祈って黙祷を捧げた後、極楽浄土に棲むといわれる人面鳥身の霊鳥迦陵頻伽(かりょうびんが)の可愛い動作を表した子供たちによる『迦陵頻』をはじめ舞楽が次々と奉納される伝統的な形式に則ったものであったが、あいにく途中から雨模様となり、特別席の諸来賓は回廊へと避難し、華厳宗管長の北河原公敬東大寺別当による慶賛文の奏上や聖徳太子がお気に入りであったと伝えられる舞楽『蘇莫者(そまくしゃ)』の奉納が割愛された。


各宗派の管長方と一緒に来賓席に着席する
三宅善信代表

  三宅善信代表も、この御聖諱法要に来賓として招かれ、御輿行列を松下日肆本門法華宗管長らと共にお迎えした後、松長有慶高野山真言宗管長や有馬頼底臨済宗相国寺派管長らと共に法要に列席した。


雨天のため急遽設けられた回廊で各宗派の管長方と一緒に般若心経を唱える
三宅善信代表



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