宗教者と市民のためのフォーラム開催

 10/19

  10月19日、太閤園(大阪市都島区)において第1回「宗教対話」から学ぶ宗教者と市民のためのフォーラムが開催され、約200人が参加した。これまで30年間の長きにわたって大阪で開催されてきたオーケストラと各宗派の式衆のコラボによる「国際永久平和祭典」を改組したもので、各界から識者を招いて、現代における宗教の意味と役割を問うものである。

宗教対話に関する第1回市民フォーラムでは、多くの市民が長時間にわたってディスカッションの行方を見守った

  記念すべき第1回目のフォーラムは、東京交響楽団の首席チェリストを務めたベアンテ・ボーマン牧師にチェロ独奏で幕を開けた。『諸宗教との対話を通して、明らかになる宗教の本質と価値』と題するパネルディスカッションが、松長有慶高野山真言宗管長、島薗進東京大学大学院教授、山脇直司東京大学大学院教授、アデリノ・アシェンソ大阪教区諸宗教対話担当司祭によって行われた。モデレータは、竹内日祥統合学術国際研究所理事長。

宗教対話の方法論の研究家である三宅善信代表は、
コメンテーターとして熱弁をふるった

  約三時間に及ぶディスカッションの後、増田大阪府仏教青年会副会長(真宗大谷派)、松井大英下田日米協会会長(日蓮宗)、川鍋襄兵庫県立大学名誉教授、三宅善信レルネット代表の四師がコメンテーターとなって、異なった観点からディスカッサントの各師に鋭い質問を浴びせて、議論が大いに盛り上がった。特に、月末にダライ・ラマ14世と対談することになっている松長管長に、複雑な現代世界の認識にとって曼荼羅果たす意味が問われたが、三宅代表は、「曼荼羅とは、いわば膨大なコンテンツをコンパクトにまとめたスマートフォンのポータル画面のようなもので、そのアイコンひとつひとつを拡大してゆけば、あらゆる宗教的な智恵の源泉へと繋がることができる極めてポストモダン的なツールであるが、そのような智恵が密教では二千年も前から編み出されたことを評価すべきである」と述べて注目された。



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