神道六派特立130周年記念祝賀行事

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  2012年6月5日、東京都渋谷区の國學院大学常磐松ホールにて、「神道六派特立130年記念」公開シンポジウム『21世紀の教派神道』が開催され、井上順孝國學院大学日本文化研修所長が基調講演を行い、芳村正徳神習教教主と村鳥邦夫御嶽教管長がパネリストとなってディスカッションが行われた。

主催者として挨拶を行う芳村正徳神習教教主
主催者として挨拶を行う芳村正徳神習教教主

  「神道六派特立」とは、聞き慣れない言葉であるが、明治初期の神道国教化政策の迷走(註:「神道は宗教にあらず」という明治政府の詭弁によって近代文明国の条件である「信教の自由」と、「国家神道へ人民の総動員」とを同時に充足さそうとしたこと)によって、民衆を直接教化する権利を奪われた神道家たちが、「宗教教団」として一教派を建てた出雲大社教・神道扶桑教・実行教・神道大成教・神習教・御嶽教が、1882年(明治15年)に、明治政府の宗教統制部局であった「神道事務局」の管理から離れて、「個別の教派として独立した」という意味であり、そこから数えて130年ということである。

  明治政府は、伝統的な「神道」と呼ばれる宗教の内、「儀礼」的要素を「神社神道」に、「教え」の要素を「教派神道」に、「学問」的要素を「國學院」にと三分割した。というわけで、今年は、國學院大学の創立130年でもあり、それゆえ、今回の記念行事の会場として國學院大学が選ばれ、田中恆清神社本庁総長をはじめとする神社神道関係者や、黒住教・神道大教・禊教等の他の教派神道各教派の代表も数多く駆けつけた。

「神道六派特立130年祝賀会」では、来賓が登壇して鏡開きが行われた
「神道六派特立130年祝賀会」では、来賓が登壇して鏡開きが行われた

  公開シンポジウムに続いて催された記念式典では、公益財団法人日本宗教連盟理事長も務める芳村正徳師が主催者として挨拶を行い、出雲大社教・神道扶桑教・実行教・神道大成教・神習教・御嶽教の管長方が自ら各教派の歴史や教えについて簡単なプレゼンテーションを行った。続いて、来賓として、赤井益久國學院大学学長、田中恆清神社本庁総長、岡野聖法公益財団法人新日本宗教団体連合会理事長らが祝辞を述べた。

  さらに、会場を同大学の有栖川宮記念ホールに移し、「神道六派特立130年祝賀会」が開催され、来賓方による祝辞や鏡開きが行われ、開宴となった。また、被災地東北を支援するという意味で、東北地方の地酒が振る舞われ、民謡関係者によってミニ・コンサートが催された。

21世紀の教派神道界を背負って立つ黒住宗道黒住教副教主(左)と芳村正徳神習教教主(右)と共に
21世紀の教派神道界を背負って立つ
黒住宗道黒住教副教主(左)と芳村正徳神習教教主(右)と共に




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