『古事記』撰録1300年記念国際セミナー

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  2012年9月30日、東京四谷のスクワール麹町を会場に、神道国際学会(へ跳べるように)主催の「『古事記』撰録1300年記念国際神道セミナー」が、強力な台風17号が上陸するという悪天候が心配された中にもかかわらず、内外から約百名の研究者・神社関係者を集めて開催された。

  『古事記』自身の序文によれば、「太安万侶によって和銅5年(712年)に撰上された」ことになっており、今年がちょうど1300年の佳節に当たる。古事記は、上(序・神話)・中(初代神武天皇から15代応神天皇まで)・下(第16代仁徳天皇から33代推古天皇まで)の三巻よりなる現存するわが国最古の歴史書である。

主催者を代表して挨拶を行う三宅善信常任理事
主催者を代表して挨拶を行う三宅善信常任理事

  9月30日午後1時30分、「『古事記』撰録1300年記念国際神道セミナー」は、アレキサンダー・べネット関西大学准教授の総合司会で開会された。まず、主催者を代表して、三宅善信神道国際学会常任理事が、本会の趣旨説明を込めて開会挨拶を行った。

M・ヴァフトゥカ教授の発表を傾聴するセミナー参加者
M・ヴァフトゥカ教授の発表を傾聴するセミナー参加者

  シンポジウムはまず、テュービンゲン大学同志社日本語センターのミヒャエル・ヴァフトゥカ所長が『ドイツ語圏の日本研究と独訳「古事記」について』と題して、また皇學館大学文学の本澤雅史教授が『日本における「古事記」の読まれ方』と題して、それぞれ発表を行った。

  さらに、休憩を挟んで、麗澤大学外国語学部の岩澤知子教授が『「古事記」における女性的なもの』と題して、また南開大学日本研究院の劉岳兵教授が『中国における「古事記」研究について――周作人の漢訳「古事記」を中心に』と題して、それぞれ発表を行った。

最前列に陣取って他の発表者の見解を聞く発表者たち
最前列に陣取って他の発表者の見解を聞く発表者たち

  続いて、神道国際学会会長の薗田稔京都大学名誉教授がコーディネーターとなってパネルディスカッションが行われ、フロアの研究者たちも混じって古事記にまつわる議論が大いに盛り上がった。最後に、主催者を代表して、大崎直忠神道国際学会理事長が閉会の挨拶を行い、台風の接近で、東京でも風雨の強まりかけた午後5時に閉会した。

セミナーの前日に開催された理事会で自説を力説する三宅善信代表
セミナーの前日に開催された理事会で自説を力説する三宅善信代表

  なお、この日の午前中に、NPO法人神道国際学会の年次総会が、同会場にて会員624名中、委任状提出者と実出席者合わせて398名が「出席」して開催され、役員人事・決算・予算・活動方針などが原案どおり承認された。また、前日(9月29日)の午後には、神道国際学会の定例理事会が、日・英・オランダ・コンゴ・ニュージーランド等から理事13名中10名が出席して開催され、重要方針について協議された。




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