村田晃嗣同志社新学長を迎えて国連協会

1月18日

  2013年1月18日、京都ガーデンパレスにおいて、京都国連協会(大谷光真会長)の昼食会と新春講演会が開催され、関西国連協会理事の三宅善信レルネット代表も参加した。4月から同志社大学の学長に就任することが決まった村田晃嗣教授が『2013年の展望』と題して、内外の諸情勢を踏まえて興味深い講演を行った。

国際情勢について解りやすく講演する村田晃嗣教授
国際情勢について解りやすく講演する村田晃嗣教授

日本が近代国民国家へと転換した明治維新(1868年)からちょうど百年目の昭和43年(1968年)に日本がGDP世界第2位の経済大国になったのと同じように、清朝が滅亡した1911年の辛亥革命からちょうど百年目の2011年に中国のGDPが世界第2位になったが、日本と中国の違いは、日本は第2位の座をキープした43年間の間に一度も第1位の米国を抜くことができなかったが、中国はあと十数年経てば米国を追い抜いてGDP世界第1位になるということである。しかしながら、中国はその人口が日本の約10倍あるため、たとえGDPが世界第1位になったとしても、国民1人当たりのGDPはポルトガル程度に留まり、決して「先進国」と呼べるようなものに達しないという点が指摘され、なおかつ、その「一人っ子」政策の影響で、日本が高度経済成長期から約30年間享受することができた「人口ボーナス期」をわずか10年間ほどしか享受できずに、少子高齢化社会という減速局面入りするであろうことが指摘された。

民主党政権で官房副長官や外務副大臣を務めた福山哲郎参議院議員も列席していたが、村田教授は3年4カ月間にわたる民主党政権の「負の遺産」についても触れた。また、歴史を振り返ると、1914年にオーストリア・ハンガリー帝国の皇太子が訪問中のサラエボ(註:現在はボスニア・ヘルツェゴビナに属するが、当時はオーストリア・ハンガリー帝国領)で銃撃された事件をきっかけに、世界中を巻き込んだ第一次世界大戦へと発展したが、その1年前の時点では、まさかそのようなことになろうとは誰も思いもかけなかったが、来年は第一次世界大戦百周年であり、尖閣諸島における日中両国の偶発的衝突が世界を巻き込んだ大戦争に発展しない保証はないというような点が指摘された。




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