三宅代表 「勅祭」石清水祭に参列

2013年9月15日

 2013年9月15日早暁、石清水八幡宮において、春日祭・賀茂祭と共に平安時代から続く三大勅祭のひとつ石清水祭が、大雨の降り続く中、古式ゆかしく仕えられた。翌月に奉公される伊勢の神宮の式年遷宮同様、日本における神祭りは暗い内に仕えられる。石清水祭も、午前3時に上院(山上)の石清水八幡宮本殿を御鳳輦(ごほうれん=御神輿)が出立し、4時過ぎに下院(頓宮)に到着。日頃は男山山上に坐(ましま)す八幡大神が、この日一日だけは里の頓宮にお出ましになられるので、それをもてなすという祭事である。

雨の中、勅使として神殿に参進する上卿役の宮内庁掌典
雨の中、勅使として神殿に参進する上卿役の宮内庁掌典

 そろそろ空が白み出す午前5時半、勅使である「上卿(しょうけい=宮内庁の掌典職が勤める)」が、天皇陛下からの神饌物を八幡大神に献じ、御祭文(=祝詞)を奏上する「奉幣(ほうべい)の儀」である。ひっきりなしに降り注ぐ雨の音以外には、暗闇の中で、虫の声と篝火の弾ける音、楽人の奏でる雅楽の音、庭上の砂を踏む浅沓(あさぐつ=神職の履く木製の靴)の音しか聞こえない様子は、「千年前の神事はかくあるものか」と思わせるに十分な森厳な雰囲気の中で進行してゆく。

上卿とタイミングを合わせて合拍手を行う田中恆清宮司
上卿とタイミングを合わせて合拍手を行う田中恆清宮司

 天皇陛下から八幡大神に供えられた幣帛は、上卿の配下の神職から石清水八幡宮の神職に手渡され、最後は宮司が神前に献じる。その後、上卿が鳥子紙という黄色い紙に書かれた御祭文を奏上する前後に、起拝(きはい)と呼ばれる何度も立ったり座ったりする丁寧な拝礼が行われる。その後、確かに幣帛物が神前に供えられたということを確認するための合図として、宮司と上卿との間で交互に柏手を打つ「返祝詞(かえしのりと)」と呼ばれる「合拍手(あいのはくしゅ)」が行われる。他にも、平安時代から伝えられた神物楽器を使った雅楽の演奏や神馬の奉納が行われた。

神前には神饌だけでなく、雅楽の奏上や神馬も奉納される
神前には神饌だけでなく、雅楽の奏上や神馬も奉納される

 しかも、今年は、清和天皇の御代貞観5年(863年)に「放生会(ほうじょうえ=殺生の罪を償うため、捕らえた鳥魚を逃がす儀式)」が開始されてから1150年の佳節に当たり、明治維新の「神仏判然令」以前の形態を復活させ、比叡山延暦寺から森川宏映探題以下の高僧が出仕して、神前で「法華三昧」の法要が仕えられた。三宅善信代表は、前年に続き、招待されて本年もこの神事に列席した。

法華三昧の修法を終え神前を退出する天台宗の高僧
法華三昧の修法を終え神前を退出する天台宗の高僧




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