バーミンガムでIARF国際評議員会開催

2014年4月3日〜4日

2014年4月3日から4日にかけて、英国のバーミンガム大学の法学大学院でIARF(国際自由宗教連盟)の国際評議員会が開催され、13名の国際評議員(定員18名、欠員1名)ならびに、本年8月末のバーミンガム大学を会場に開催される第34回IARF世界大会の実行委員ならびに受入委員ら21名が参加した。

IARF国際評議員会の会場となったバーミンガム大学法科大学院
IARF国際評議員会の会場となったバーミンガム大学法科大学院

 最初に、シュロモ・アロン副会長の先導による開会の祈り、そして、昨年4月に大阪で開催された2013年度国際評議員会の議事録が採択された。続いて、三宅光雄会長(金光教泉尾教会長)が過去1年間の活動を30分かけて概括した。

 続いて、世界大会の地元受入委員長であるシーク・アミン氏が8月にこの地で開催される世界大会の準備状況について報告し、さらに、世界大会のプログラムや予算について話し合われた。多くの評議員にとっては、バーミンガム大学を訪れるは初めてのことであり、昼食休憩時間を利用して、開会式を行うホールや分科会会場等に予定されている学内の施設を見学した。

 午後のセッションでは、インドにおけるRFNY(宗教的自由の青年ネットワーク)の活動報告が行われ、世界大会直前に開催されることが恒例となっているRFYNの大会ならびに青年に授与されることになっている賞金を伴う「グリーリー賞」についての話し合いが紛糾した。というのも、過去数年間の実績を尊重して、インドから参加する青年を中心にRFYN大会を開催しようとする勢力と、欧州や中東や日本からの青年も交えてRFYN大会を開催しようとする勢力が対立したからである。その上、現実問題として、インドの青年が英国に滞在するビザを取得するのはかなり困難である。

IARF国際評議員会の様子
IARF国際評議員会の様子

 2日目は、初日の議題から積み残した世界大会の予算について再度審議された。というのも、ある程度の参加者数の見込みが立たなければ、登録費等の収入も、旅費援助や食費等の支出の概算ができないからである。国際評議員会の議長を務める三宅会長の強いリーダーシップにより、日本からの参加者数は、約70名であり、かつ、全体の3分の1以上、2分の1以下という原則を遵守するとの意向表明があり、約10万ドルの世界大会予算が承認された。

 一方、通常の年度予算については、昨年末に財務理事であり英国法人の登記上のセクレタリであったジェフ・ティーゲル氏が辞任し、その後を本年8月までの任期で西田多戈止一燈園当番が暫定財務理事を、米国のエリック・チェリー師がセクレタリを引き継いだが、あいにく今回の国際評議員会には両者とも出席できず、また、前年度の決算資料が不十分なため、厳密な数字まで調整できず、支出約7万ドル・歳入約5万ドルの暫定予算が承認されるに留まった。

IARF国際評議員会で厳しい口調で問題点を指摘する三宅善信代表
IARF国際評議員会で厳しい口調で問題点を指摘する三宅善信代表

 昼食休憩後、最も難航が予想された任期が2014年から2018年までの次期国際評議員候補者リストについての審議が行われた。過去10カ月間におよぶ指名委員会による審議の結果、会長・副会長・財務理事を含む国際評議員の候補者リストが示されたが、従来は、18名あった国際評議員の定員が、予算の削減と寄り迅速な意思決定を目指して、北米・欧州中東・南アジア・東アジアの各地域から各2名プラスRFYN(青年)代表とIALRW(婦人)代表および世界大会時に会場から選出される1名の全11名へとダウンサイズすることが昨年春の評議員会で決められたため、従来は「アメリカ大統領同様の三選禁止」条項の下、実質的には二期目がほぼ保証されていた評議員の内、何名かは再選されないことになり、かつ、北米と東アジアは代表がすんなり決定したが、南アジア地域はインド国内での内紛が影響して、また、欧州中東地域では欧州と中東の勢力争いが影響して、その枠の人選が大いに紛糾した。

 続いて、これも昨年春の評議員会からの宿題になっていたIARF活動をより世界に拡大していくための「ナショナル・チャプター(各国にひとつずつ作ることができる支部)」の申請手続きや認可基準、活動報告のあり方等についての審議が行われ、昨年春に申請があったものの「保留」となっていた香港チャプターの設立が承認された。しかし、このことは、中国「本土」における「少数民族問題」と密接に絡んで、今後の問題の種となった。また、現在、その運営のあり方が最も混乱しているSACC(IARF南アジア協議会)の現状報告と国際評議員会からの調査団の派遣が承認された。

会議を終えれば、こうして手と手を繋ぎ合って共に平和を祈るIARF国際評議員会たち
会議を終えれば、こうして手と手を繋ぎ合って共に平和を祈るIARF国際評議員会たち

 また、世界大会における各加盟団体の議決件数について審議されたが、事務局提出の資料が不十分で、保留となった。最後に、4年に一度の世界大会時に改正される『規約』の改訂原案が規約委員会から提出され、一文の文言を訂正して「評議員会からの改訂案」として世界大会に提出されることになった。また、従来は、正副会長・財務理事以外に、評議員の中から4名の執行理事を選出していたが、評議員会のダウンサイズが決まったことから、執行理事職については廃止することで規約改定を図ることとなった。

 最後に、受入委員で平和部会長であるリチャード・ボーキー博士の先導で閉会の祈りが行われ、二日間にわたる熱心な討議は閉幕した。なお、日本からの参加者は、三宅光雄会長をはじめ、国際評議員の赤川恵一立正佼成会外務部次長、三輪隆裕日吉神社宮司、滝澤俊文むつみ会宗務長(平岡満会長の代理)、一燈園の木村やよい氏(西田多戈止一財務理事の代理)、世界大会実行委員の三宅善信代表他二名である。




戻る