トルコでG20諸宗教サミット

2015年11月16日〜18日


2015年11月16日から18日までの三日間、トルコのイスタンブールで、世界各国から約300人を集めて、『宗教・調和・持続的発展』をテーマにG20諸宗教サミットが開催された。このG20諸宗教サミットは、2006年以来開催されてきたG8宗教指導者サミットが、ウクライナ問題による欧米との対立でロシアの離脱したことに伴い開催困難になったことを受けて、新たに世界経済の中心となったG20首脳会議に合わせて、宗教界の声を世界に向けて発信する手段として昨年再構築されたものである。

G20開会全体セッションでフロアから質問する三宅善信代表
G20開会全体セッションでフロアから質問する三宅善信代表

特に、今回の宗教サミットは、国際的宗教対話の「新しい勢力」として昨年のオーストラリアに続いて今回のG20諸宗教サミットを主催し、新たなフォーマットを確立した豪州グリフィス大学宗教文化対話研究所のブライアン・アダムス所長と、「ホスト」をして今回のサミットを受け入れたスルタン・メフメット大学文明間対話研究所のレセプ・センチュルク所長らに加えて、これまで、各国でG8宗教指導者サミットを「ホスト」してきたフランス正教会のエマニュエル府主教、カナダ教会協議会のカレン・ハミルトン事務総長、イタリアの聖エジディオ共同体のアルベルト・クアトルッチ事務総長、日本の三宅善信師らが一緒になって新しいスタイルの諸宗教サミットの運営に協力したことが特筆される。

G20全体セッションのモデレータを務める三宅善信代表
G20全体セッションのモデレータを務める三宅善信代表

直前にパリで発生したテロ事件や今年になってシリア等からヨーロッパに大量の「難民」が流出する「経由地」となっているトルコでの開催だけに、メディアからも大きな注目を集めた。今回G20諸宗教サミットでは、それぞれサブテーマごとに、全体集会や分科会が数多く設けられ、1枠90分単位で、それぞれにパネリスト4名が約15分ずつプレゼンテーションを行い、モデレータの進行によって、会場からの質問を交えて議論を進める形式で、全体集会ならびに4カ所で平行する分科会が開催され、三日間に140名以上の参加者が登壇して、持論を展開し、他のパネリストやフロアからの質問に答えるという密度の濃いサミットであった。

G20全体セッションのパネリストと意見を交わす三宅善信代表
G20全体セッションのパネリストと意見を交わす三宅善信代表

日本人として「唯一」参加した三宅善信師は、第3日朝の全体集会『持続可能な発展における信仰的展望』において、アメリカ、ニュージーランド、南アフリカ、中国からのパネリストが発表する中、ヘブライ語やギリシャ語の知識を活かしてモデレータとして、パネリストそれぞれの主張を巧く引き出していた。同師はまた、G20諸宗教サミット分科会『環境と持続可能な発展』で、トルコ、インド、バチカンからのパネリストたちと共にパネリストを務め、古代メソポタミア文明のテキストと日本書紀を比較しつつ、神話がそれぞれの民族の環境問題に対する理解に大きな影響を与えたという点について発表を行い、注目された。

G20分科会でプレゼンテーションを行う三宅善信代表
G20分科会でプレゼンテーションを行う三宅善信代表



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