中東情勢をテーマに国際宗教同志会

2016年2月12日

2016年2月12日、国際宗教同志会(西田多戈止会長)の平成28年度第1回例会が金光教泉尾教会で開催された。富澤昇住吉大社権宮司による平和の祈りに続いて、常任理事の大森慈祥辨天宗管長による開会挨拶が行われた。続いて、この度、新たに入会が認められた田中利典金峯山修験本宗長老他二名が紹介され、それぞれ短い挨拶を行った。

新入会員として紹介を受ける中村殊萌真言宗大覚寺派元教学部長
新入会員として紹介を受ける中村殊萌真言宗大覚寺派元教学部長

続いて、記念講演に移り、日本では一般的な、いったん「欧米の価値観」という色眼鏡を経由して日本にもたらされた情報ではなく、直接、中東のイスラム教徒から意見を聞くという機会として、エジプト出身のサミール・ヌーハ同志社大学一神教学際研究センター副所長から『中東で今、何が起きているのか? 宗教の役割』と題する講演を聞いた。ヌーハ教授は、現在の中東の混乱の遠因となった1916年の『サイクス・ピコ協定』(オスマン帝国のアラブ領域の分割をめぐる英仏露三国の秘密協定)から説き起こし、米ソ冷戦終結後の「湾岸戦争」、「アフガン戦争」から近年の「アラブの春」「イスラム国」まで採り上げ、これまでの歴史的経緯を中東情勢に馴染みの薄い日本人にも解りやすく説明し、それらの背後で常に暗躍してきた西側各国の思惑について、イスラム教徒の目からみた分析を行った。

サミール・ヌーハ教授による記念講演
サミール・ヌーハ教授による記念講演

講師との質疑応答の後、空援隊の遺骨収容事業に合わせて本年7月にサイパンで実施されることが決まった『バンザイ突撃合同慰霊祭』についての説明が倉田宇山空援隊事務局長から行われ、三宅光雄理事長が閉会挨拶を、吉村タ英宗務総長の唱導による平和の祈りを行って、閉会となった。

サミール・ヌーハ同志社大学一神教学際研究センター副所長
サミール・ヌーハ同志社大学一神教学際研究センター副所長



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