JLC200回記念難民問題シンポ

2016年10月9日

2016年10月9日、一燈園(京都市山科区)において、国際自由宗教連盟(IARF)日本連絡協議会(JLC)主催の難民問題について考えるシンポジウム『ボーダーをなくそう〜日本における難民の実情を通して〜』が開催され、アフガニスタンやネパールからの難民の代表をはじめ、この問題に取り組む宗教関係者約80名が参加した。

一燈園で開催されたJLC難民問題シンポジウムの様子
一燈園で開催されたJLC難民問題シンポジウムの様子

JLCは、1984年、IARFの第25回世界大会が初めて日本で開催される際に、日本国内のIARF加盟教団相互の連絡を密にするために構成された協議機関で、その後も、当番事務局を各教団の持ち回りで運営するというユニークな体制で、年数回の割合で会議を開催し、世界の動きを日本国内の加盟教団に伝え、日本の要望を国際事務局へと反映させてきたが、本年、7月に開催されたJLC会議が第200回目の節目を迎えたことを記念して、昨年、欧州に200万人のシリア難民が押し寄せたことからも判るように、現在喫緊の課題となっている難民問題こそ、宗教的・民族的少数派の人権擁護を趣旨とするIARFのテーマに相応しいと考え、今回のシンポジウムを開催されることになった。

熱を帯びたJLC難民問題シンポでのパネル討議
熱を帯びたJLC難民問題シンポでのパネル討議

10月9日午後から一燈園の総寮で開催されたシンポジウムは、西田多戈止一燈園当番が開会挨拶、IALRW(国際自由宗教婦人連盟)のペギー金田副会長の開会の祈りに続いて、第1部として、『日本国内における難民の現状』と題して、難民支援協会常任理事の石井宏明氏、ネパール難民のK・C・ディパック氏、アフガニスタン難民のイーダック・M・レザ氏がそれぞれの経験に基づく内容について報告した。

フォロアとパネリストの気持ちが一体となった
フォロアとパネリストの気持ちが一体となった

休憩後、第2部として、『ボーダーをなくそう〜日本における難民の実情を通して〜』と題するパネルディスカッションが、三宅善信金光教泉尾教会総長をモデレータに開催され、現状報告を行った上記の三氏に加えて、日本の宗教界で難民問題について最も長く取り組んできた根本昌廣立正佼成会宗教協力特任主席を加えて、一時間半にわたって展開され、欧米では、毎年10万人から100万人単位で難民を受け入れているのに、日本の難民受け入れ数が年間1桁(10人未満)という現状について、どこに問題があり、宗教界としてどのように取り組んでゆけば良いかについて、フロアも交えて真剣に討議された。

最後に、IARF日本チャプター事務局次長の芝幸介師が閉会の祈りを、IARF国際副会長の三宅光雄金光教泉尾教会長が閉会の挨拶を行い、すべてのプログラムを終了した。




戻る