■ 宗教界の動き ■


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4月後半の宗教界の動き (0004S)
欧州では「教会と国家の関係」について根本的な見直しが進行中です。

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☆北海道神社庁が有珠山視察
4月15日、北海道神社庁は有珠山災害に関して、見舞いと被害状況の調査のために現地に職員を派遣した。今後、被害が拡大すれば直ちに募金や支援の活動を開始する。


☆かわりゆく家庭 宗教の対応を考える
4月15日、財団法人国際宗教研究所(脇本平也理事長・星野英紀所長)が東京西巣鴨の大正大学で公開シンポジウム「かわりゆく家庭−宗教はどう対応しているか?」を開催。6教団の信仰者をパネリストに、約100名が参加した。


☆武蔵野三十三観音霊場 開創60周年を祝う
4月15日、武蔵野三十三観音霊場会(小峰一允会長)は埼玉県・所沢くすのきホールで開創60周年記念法要を執り行ない、約500人が参列した。同霊場は昭和15年に開創され、武蔵野鉄道沿線の寺院で構成される。


☆禊教真派120年教祖大祭
4月15、16日、禊教真派(坂田安弘教主、本部・栃木市)は恒例の春季例大祭・教祖大祭を斎行した。本年は禊教の元となった井上神社建立からちょうど120年の節目の年にあたり、教主自らが参拝者に垂教した。


☆一燈園恒例「春の集い」
4月16日、京都市山科区の一燈園(西田多戈止当番)では恒例の「春の集い」が開かれた。この中で同園が運営する「すわらじ劇園」(木村進次当番)の稽古道場を新築する、と発表された。来年に迎える劇園創立70周年記念事業の一環。


☆壬生狂言 創始700年慶讃法要
4月16日、律宗別格本山壬生寺で、正安2年に圓覚上人によって創始された壬生狂言の「創始700年慶讃法要」が営まれ、中曽根康弘元首相等、約200人が参列した。


☆英国の教会は40年で消滅?
4月16日、英国の『インディペンデント』紙で、宗教専門家、ピーター・ブライアリー氏が著書『未来への階段』から、「英国のキリスト教会は40年後にはほぼ消滅しているだろう」との予言が掲載された。アメリカ人の日曜礼拝への出席率と比べて、英国では5分の1以下で、急速に社会が世俗化している。


☆知恩院教蔵の落慶法要
4月17日、知恩院御忌大会開白前日のこの日、6年3カ月を費やして修理した知恩院教蔵の落慶法要が営まれ、関係者にその内部が公開された。5月7日まで、一般公開された。


☆約8万人天理教教祖の誕生日を祝う
4月18日、奈良県天理市の天理教教会本部で、中山みき教祖の生誕202年を祝う「教祖(おやさま)誕生祭」が厳かに執り行なわれ、海外を含む各地から約8万人の信者らが帰参した。


☆天台宗ラオスで小中校完成
4月19日、天台宗茨城教区(光栄純秀宗務所長)と山形教区・立石寺(清原浄田住職)の資金援助でラオスで建設が進んでいた小中学校が竣工、現地で建物の引渡し式が行なわれた。「一隅を照らす運動」のボランティア団が工事に協力した。


☆上野寛永寺住職に神田秀順師
4月19日、寛永寺山内護國院住職の神田秀順師が、第31世東叡山輪王寺門跡・寛永寺住職に就任した。晋山式の日取りは未定。同寺では2月に宮部亮信門跡(住職)が逝去していた。


☆北野天満宮、古絵馬焼納式
4月19日、北野天満宮(梶季嗣宮司)で、昨年中に入試合格などを祈願して奉納された約10万枚の絵馬が、境内に設けられた斎場で焚きあげられた。また、10日からは「黒漆尾長鳥宝相華唐草文螺鈿」の唐鞍が初公開されている。


☆一心寺 納骨供養法要に3万人
4月21日、一心寺(高口恭行貫首:大阪市天王寺区)では「定例納骨供養大法要」が営まれ、境内は昨年1年間に納骨した遺族ら約3万人で賑わった。同寺では10年ごとに、約15万人から20万人分の遺骨で"骨仏阿弥陀如来像"を制作する。


☆見直そう本願寺中心の真宗史
4月25日、真宗佛光寺派(川端照道宗務総長)は、本願寺中心の真宗史の見直しをと提言するシンポジウムを京都市下京区の本山佛光寺で催した。同派有学階者約50人が出席、客観的な真宗史の再構築との提言が承認され締めくくられた。


☆念法眞教「平成の大伽羅」披露
4月25日、今年立教75年を迎えた念法眞教教団(小倉霊現燈主)ではこのほど、総本山小倉山金剛寺(大阪市鶴見区)の諸堂が完成し、伽羅竣工の披露と祝賀会を開催した。天台宗・真言宗代表など同教団有縁の関係者ら約500人が招かれた。


☆マウニババ師ら来日
4月22日、インドの聖者マウニババ大僧正、レカ・モディ女史一行を迎えての歓迎晩餐会が、日印文化協会(内田大円理事長)主催により行われた。マウニババ大僧正は、ヒンドゥー教で第2位の聖者としてインドで敬われている。


☆竹生島に350年ぶり三重塔復元
4月26日、「竹生島」として知られる真言宗豊山派宝厳寺(峰覚雄住職)では、三重塔を約350年ぶりに復元し、落慶法要が営まれた。宝厳寺は琵琶湖に浮かぶ竹生島にあり、西国第30番札所として知られる。


☆勧学院長に雲井師
4月26日、天台宗では、昨年12月の任期満了による大久保良順師の退任以来、4カ月間空席だった勧学院院長に雲井昭善師(現代における宗教役割研究会副会長=インド哲学者)が決まった。副院長に三崎良周師、宗義研究所所長に村中祐生師が選ばれた。


☆紫光学苑川上苑主の帰天式
4月27日、肝臓癌のため64歳で死去した宗教法人紫光学苑苑主・社会福祉法人尚紫会理事長の川上照彦氏の「帰天式」が兵庫県姫路市四郷町東阿保27の紫光学園本部大聖堂で営まれ、約3,000人が参列。故人との別れを惜しんだ。


☆大谷派VS暢道派、2つの「御影道中」
4月27日、真宗大谷派で蓮如上人の足跡を辿る恒例の「御影道中」が行われた。今回は、宗派の道中と別に、宗派と対立している大谷暢道師(大谷家当主)の道中も吉崎入りした。昨年まで大谷派によって奉じられてきた蓮如上人の御影は、裁判の結果、暢道師に所有権が認められたので、大谷派は「代わり御影」を用いて道中を実施。2体の蓮如像が競合する300年の「道中」史初の事態に門徒の困惑がみられた。


☆アジア仏教合同法要
4月29日〜5月5日、アジア6カ国の仏教徒321人が一同に会して「アジア仏教合同追悼法要」が東京・西新宿の日蓮宗常圓寺で行なわれた。戦争や災害等で亡くなった死者を慰霊し、アジアの平和と安寧を祈願するもの


☆800年ぶりの大修理成る
4月30日、東寺真言宗総本山教王護国寺(通称東寺、鷲尾隆輝長者)講堂の大日如来像など、鎌倉時代に作られた諸尊20体の大修理が完了し、開眼法要が執り行なわれた。この慶事に合わせ、5月14日まで寺宝の公開などされる。


☆アフリカへ毛布を送る運動
立正佼成会などNGO6団体で構成する「アフリカへ毛布をおくる運動推進委員会」は6月末まで収集キャンペーンを行っている。寄せられた毛布はエチオピアやエトリア、モザンビークなどの民キャンプにおくられる。問合せ先、Tel:03-3381-1138


☆曹洞宗でミレニアム論争
曹洞宗通常宗議会で乙川議員が、総長の施政方針演説で何度か使用された「ミレニアム」について「仏教教団としては違和感を覚える」と追求した。大竹総長は、「西暦によったものだが、用途に宗教性は非常に希薄」とした。


☆不正蓄財で死刑を執行 (中国)
『北京週報』によると、胡長清元国務院宗教事務局副局長は、収賄と巨額な財産の不正取得の件で、最高人民法院において死刑の判決が確定し、3月8日に刑死した。職務権限を利用し、日本円で約7,000万円の金品を受け取っていた。


☆反ユダヤ語句削る (スウェーデン)
スウェーデン国民の大部分が属する「スウェーデン教会(ルーテル派)」は、祈祷文の中の反ユダヤ的な用語を変更、讃美歌の歌詞も手を加えている。この問題を研究してきた教会委員会のキリスト教とユダヤ教の関係についてのレポートに基づくもの。なお、スウェーデン教会は今年1月1日をもって「国教会」制度が廃止されたばかり。


☆キリスト者強制労働13年 (モンゴル)
モンゴルで、カザフ系市民がキリスト教信仰を普及させたとの容疑で強制労働13年の判決が下された。警察からの通知書では「モンゴル共和国憲法では、布教できるのは仏教とイスラム教だけ」と指摘している。


☆チャプレンに初のカトリック神父 (米国)
米下院で、共和党と民主党間で「政治と宗教」の議論となった、下院議会チャプレン(専属聖職者)選出問題は下院議長デニス・ハステート氏(共和党)がカトリックのダニエル・コーリン神父を次期チャプレンとして任命し決着した。200年以上にわたる合衆国議会史上、カトリックの神父がチャプレンの地位に就くのは初めて(従前は、すべてプロテスタント牧師)のケース。


☆バーコードは反キリスト的? (ロシア)
ロシアでは、納税者管理のため市民にIDナンバーを割り当て、バーコードが記されたカードを配る制度の導入が検討されているが、これを「反キリスト的」と危惧したロシア正教会は、政府に対し制度導入見直しを求める公式声明を発表した。


☆中絶経験者キャンペーン (米国)
米カトリック教会は、中絶手術後、教会に戻りにくくなっている女性信者を対象に、カウンセリングと教会に戻るよう呼びかける全国キャンペーン「プロジェクト・ラケル」を開始した。広告にカトリック教会の名称は用いず、無料の電話カウンセリングを行う。


☆国教会の政教分離を示唆 (英国)
全世界の聖公会の指導者で、英国国教会のトップでもあるジョージ・ケアリー・カンタベリー大主教は、「いつの日にか英国国教会は国家との関係を切ることになる」と語った。国教会側は、カンタベリー大主教の発言は「教会の変化を議論しようとの意で、新しい教会と国家との関係を断つとの意味ではない」とコメントした上で、「国民の真意を知る必要がある」ともした。ヘンリー8世の離婚以来、教会内部では、国家と教会との分離論争が続いている。しかし現在、分離支持は少数派。