■ 宗教界の動き ■


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5月前半の宗教界の動き (0004F)
「靖国」問題から「神の国」発言まで、国家と宗教の関係が問題になりました。

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☆右翼抗議が長期化 西本願寺
浄土真宗本願寺派では、4月から始まった「全国民族派有志一同で作る浄土真宗本願寺派更正委員会」と称する右翼団体による、宗派の基幹運動、特に「靖国」問題に対する取り組み姿勢をタ−ゲットとした抗議活動、街宣活動が5月に入っても続いている。宗派当局は、「迷惑行為の防止」を目的とした法的措置(仮処分)を検討中。また抗議が同派のみに集中(真宗系教団は皆、「反靖国」である)していることから宗内には"反靖国主因説"に疑問を持ち、狙いは別にあるのではとの困惑も広がりつつある。


☆大阪国税局"法定外文書"と確認
大阪国税局管内の税務署が5年ごとに実施している「お尋ね」文書が、今年3月末に各宗教法人にあてて出されたが、このほど、同局はこの文書が拘束力のない法定外文書であることを認めた。同局は今後、質問の項目を再検討する必要性も認めている。


☆「葵」を徳川家に献上
賀茂別雷神社(通称上賀茂神社:建内光儀宮司)が江戸時代、神事として徳川幕府に葵を献上していたことが、このほど見つかった文書で明らかになった。慶長15(1610)年に始まり、その後毎年江戸城内に献上され、明治維新までの約250年間にわたり続けられた。


☆生長の家 武道館で全国大会
5月1日から3日まで、生長の家(谷口清超総裁)の会員らで組織される「白鳩会」「相愛会」「栄える会」「青年会」の全国大会が東京都千代田区の日本武道館で開催された。延べ3万人が参加した。


☆大念仏寺で万部法会
5月1日から5日まで、融通念仏宗総本山大念仏寺(白井慈勲管長)の阿弥陀経万部読誦聖衆来迎会が、宗内の住侶総出仕の下に厳修された。延べ約2万人の参詣人で賑わった。レルネットの三宅善信代表も来賓として参列した。


☆創価学会勤行会
5月3日、創価学会では「創価学会の日」「創価学会母の日」および池田大作第三代会長就任40周年を祝賀する勤行会が全国の会館で営まれた。有珠山噴火の被災地洞爺本部も「噴火に負けるな!」と伊達会館(北海道伊達市)で記念勤行会を開催した。


☆次代会長に石倉寿一氏
5月3日、大阪府堺市の大慧會教団(石倉恒男会長)が第50回春季大祭並びに法燈継承奉告祭を執り行なった。石倉会長の長男である石倉寿一青年部長に次代会長としての法燈継承の印可之儀が行われた。大乗経典の奉読、石倉会長による「御究呪之儀」のあと、印可を受けた石倉青年部長が登壇し、参列者に向かって直立不動、合掌の姿勢で法燈継承者としての決定を延べた。


☆アンマンでプロテスタントのイベント中止
5月3〜5日、ヨルダンのアンマンで予定されていたプロテスタント教会によるイースター(復活祭)を祝うイベントが直前になって政府命令により中止された。招待客には海外の政治家も多く、3月にはローマ教皇を招いて大規模集会が開かれたこともあり、大規模なイベントが企画されていた。


☆中国14団体を「邪教」認定
5月4日、香港の人権団体「中国人権民主化運動ニュースセンター」は、中国当局が法輪功を始め、仏教団体やキリスト教系団体など、14団体を「邪教」と認定し、取締を強化していると発表した。


☆脳死・臓器移植反対署名85万人超す
5月5日、大本(奥田宗弘本部長)は、脳死からの臓器移植に反対する署名活動を終え、1年間の最終集計が854,050人にのぼったことを報告した。厚生大臣宛に署名を提出する予定で、同教団として脳死・臓器移植に強い反対姿勢を貫く。


☆照善寺総堂 震災復興落慶法要
5月5日、浄土真宗本願寺派照善寺(杉本正義住職)で総堂(本堂・会館)の落慶法要が営まれた。1995年の阪神淡路大震災で諸堂が倒壊し、法隆寺の夢殿を模した本堂などが再建された。


☆妙道会 聖地で両聖師大祭
5月5日、大阪市天王寺区の妙道会教団(佐原慶治会長)は、滋賀県志賀町の聖地で、両聖師大祭を行った。明年の立教50周年に向け、原点に立ち帰ることの大切さを確認した。


☆解脱会 春季大祭
5月7・8日、解脱会(岡野聖法法主)では春の芽吹きに生きてあることに感謝を捧げる春季大祭が開催され、全国から延べ20,000人の信者が集まった。


☆清水寺 本尊御開帳で慶讃法要
5月9日、33年ぶりに秘仏の本尊・十一面千手観音像の御開帳を行なっている北法相宗大本山清水寺(森清範貫主)で、経堂の解体修理落慶法要と京都仏教会(東伏見慈洽会長、有馬頼底理事長)出仕による御開帳慶讃法要が厳修された。


☆本願寺派反靖国連帯会議 全国集会開催
5月9日、浄土真宗本願寺派反靖国連帯会議(信楽峻磨会長)は全国集会を京都市で開催し、30人あまりの参加者が現在の政治状況を踏まえて、今後の運動のあり方などについて協議を重ねた。


☆寂光院本堂が全焼
5月9日、京都市左京区大原の天台宗寂光院(小松智光住職)の本堂付近で火の手が上がり、建物約82平方メートルが全焼した。庫裡や書院などほかの建造物には延焼せず、小松住職ら関係者にけがはなかった。本堂に安置されていた国の重要文化財が焼損するなどした。京都府警は放火の疑いで捜査を進めている。寂光院は推古2(594)年、聖徳太子が創建したとされる尼僧寺院で、慶長には淀君が再建したとされる。


☆「法の華三法行」福永法源前代表ら幹部逮捕
5月9日、宗教法人「法の華三法行」(本部:静岡県富士市)の福永法源前代表ら教団幹部12人が、詐欺容疑で警視庁と静岡県警の合同捜査本部に逮捕された。病苦に悩む主婦らに「足裏診断」を行ない、総額2,500万円にのぼる多額の金額を騙し取った疑い。宗教教団が信者から集める金は「布施」として意義づけられる。宗教活動にかかわる金銭の流れは一般の経済活動とは本質的に異なるというのが大前提。今回、組織的詐欺行為と断定されたことは、他の宗教教団にとっても由々しい問題。


☆大谷瑩潤氏の顕彰碑中国に建立
5月9日、真宗大谷派(木越樹宗務総長)は、同派第22世法主の子息で宗務総長を務めた故大谷瑩潤師が大戦中に、日本に強制連行された中国人の遺骨送還に尽力した功績をたたえる顕彰碑を中国仏教協会と共同で山西省の玄中寺に建立。落慶記念法要を勤めた。


☆各宗研究機関研究会 開催
5月10日、伝統教団研究機関の研究員が集まる「各宗研究機関研究会」は、「自・公」問題や創価学会について意見を交換した。


☆日本一の大鳥居
5月11日、熊野本宮大社(九鬼宗隆宮司)で建立が進められていた、高さ34m、幅42mの大鳥居が完成し、神社界をはじめ各界から約500人が参列して竣工祭が斎行された。


☆金峯山寺で開祖役行者1300年大遠忌
5月11日、金峯山修験本宗総本山金峯山寺(五條順教管長)で「開祖役行者(えんのぎょうじゃ)1300年大遠忌招待者法要」ならびに「本地堂落慶法要」が厳修された。


☆ロシア正教会総主教 初来日
5月12日からロシア正教会総主教アレクセイ2世(カトリック教会のローマ教皇に相当する)が総主教として初めて訪日し、函館・東京・京都などを訪れた。日本ハリストス正教会で主代郁夫首座主教の着座式と府主教昇叙式を祝福し、各地で信徒と交流した。17日には天皇陛下を表敬訪問した。また、ロシア大使館で記者会見に臨み、両国の友好関係の発展や日本の文化について語り、その後、大使館主催の晩餐会に出席した。翌18日には森喜朗首相と会談をした。レルネットの三宅善信代表も来賓として参列した。


☆真言宗豊山派 次期管長推戴
5月12日、真言宗豊山派は濱野堅照管長の任期満了に伴う「管長推戴委員会」を開き、前宗務総長の川田聖定氏を次期管長に決定した。


☆辯天宗 少年隊大会 開催
5月14日、辯天宗(大森慈祥管長)は少年隊大会を開催した。全国から小中学生の隊員と保護者約4,000人が参加し、大森管長が昨今の少年犯罪と家庭問題や信仰心の欠如について憂慮する「おさとし」を行った。


☆創価学会の大規模墓地計画で町議会解散
5月14日、創価学会の大規模墓地計画が持ち上がっている新潟県小国町で、計画を推進する町議会の解散を求めて住民投票が行われ、議会の解散が決まった。


☆「神の国」発言に波紋
5月15日、森喜朗首相が神道政治連盟国会議員懇談会の30周年記念祝賀会の席上、「日本は天皇を中心とした神の国である」と発言したことに関し、「政教分離を否定しかねない」と宗教界にも波紋が広がっている。


☆橿原神宮で新宮司就任
5月15日、橿原神宮で4月に急遽退任した廣瀬和俊前宮司に代わり、伊勢美登権宮司が就任した。