■ 宗教界の動き ■


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5月後半の宗教界の動き (0004S)
「神の国」問題への賛否で、三宅代表も活躍、おおいに盛り上がりました。

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☆統一教会がUPI通信を買収
5月15日、世界基督教統一神霊協会(通称:統一教会)の文鮮明教祖が創設した米ニューズ・ワールド・コミュニケーションズ社は、米国の通信社「UPI通信」を同日付で買収したと発表した。


☆一燈園、皇居前のトイレを掃除
5月15日、「6・15クラブ・トイレの会」(世話人:木村茂千代田区長、西田多戈止一燈園当番)の第555回を記念してのトイレ掃除が、東京・神田の神田明神で開かれ、約150人の会員やボランティアらが参加しトイレ掃除を行った。


☆霊友会 濱口「会長」の葬儀営む
5月16日、故濱口八重霊友会「第3代」会長(註:霊友会は現在、久保派と増永派に分かれて法廷係争中であり、この度、逝去した濱口八重氏は増永派の擁立した第3代会長であった)の葬儀が、東京・麻布台の本部釈迦殿小谷ホールで執り行なわれ、石原慎太郎東京都知事、花田勝治元日本相撲協会理事長、森喜朗自民党総裁、鳩山由紀夫民主党代表をはじめ、政治・経済・教育・文化・スポーツ等、各界からの弔問者や会員ら3,100人が参列し、濱口会長の遺徳を偲んだ。


☆「神の国」発言で辞任を求め特別決議
5月16日、日本宗教者平和協議会(通称:宗平協、鈴木徹衆理事長)は、森喜朗首相の「神の国」発言に関し、森首相の辞任を求める特別決議を採択した。


☆子どものための宗教者ネットワーク
5月16日から3日間、妙智會教団「ありがとう基金」(総裁=宮本丈靖会長)が主催する「子どものための宗教者ネットワーク」第1回フォーラムが、渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された。海外から120人以上、国内から約60人の計180人以上が参加した。小林隆彰叡山学院学院長、河野公俊WCRP日本委事務次長らが「ネットワーク」顧問委員を務めた。18日には教団本部に世界の宗教者が一堂に会して「祈りの集い」を執り行なった。15日に開催されたオープニングパーティには、中曽根文部大臣、石原都知事、バチカン諸宗教対話評議会フィツジェラルド次官らも列席し、祝辞を述べた。レルネットの三宅善信代表も参加した。


☆「神の国」発言 東西本願寺やNCCが抗議
森喜朗首相の「神の国」発言について、浄土真宗本願寺派(京都市下京区)は、17日、「戦前の国家神道体制の復活をもくろむかのような発言で、信教の自由の保障や政教分離の原則に照らしても配慮に欠け、危惧を感じる」との抗議文を森首相宛に郵送した。20日、真宗大谷派(木越樹宗務総長)は「書簡」を送付。
このほか、立正平和の会(中濃教篤理事長)は「要望書」を、日本キリスト教協議会(NCC 鈴木怜子議長・大津健一総幹事)も抗議声明を発表。各宗派から反発が続いている。


☆ロシア正教総主教が初来日
ロシア正教会史上はじめて来日したアレクセイ2世総主教(カトリック教会のローマ教皇に相当)の歓迎レセプションが東京麻布台のロシア大使館で開催され、パノフ駐日ロシア大使からの招待を受けた政財界・宗教界の指導者が多数列席した。
レルネットの三宅善信代表は、1988年に挙行されたロシア正教宣教ミレニアム(東ローマ帝国からロシアにキリスト教が伝道されて千年の記念式典)にも招かれて参列し、修士論文のテーマに「ロシア正教会の儀礼」について採り上げたほどのロシア正教通であり、旧知の総主教と再会した。


☆大谷光輪門主 スリランカへ
5月17日、京都市伏見区の「本願寺」の大谷暢順門跡は、スリランカ大菩堤会の本山アグラスラーワカ寺(ウパティッサ管長)でこの日から始まった釈尊十大弟子、舎利弗と目連の遺骨の開扉法要に長男の光輪門主を派遣した。


☆三宅代表 鳩山党首に激
5月17日、都内で開催されたパーティで、民主党の鳩山由紀夫党首と同席したレルネットの三宅善信代表は、森首相の「神の国」発言に対して、これを厳しく批判。鳩山氏に対して、「仏教・キリスト教関係者だけでなく、教派神道の良識ある指導者たちも迷惑している。終盤国会ではこの点をしっかりと追求して欲しい」と激励。翌18日の森・鳩山党首会談での鳩山氏の厳しい態度を引き出す一因となった。


☆大形氏 霊友会「新会長」に就任
5月18日、霊友会(増永派:増永雄俊理事長)は「釈迦殿在家のつどい」を開催し、13日に死去した故濱口八重会長の後任の第4代会長に、大形市太郎氏が就任、併せて副会長に増永雄俊氏、平川廣道氏及び代表役員も任命された。


☆代表者地位確認請求で霊友会全面勝訴
霊友会第2代会長、久保継成氏が辞任後の平成8年、独自に「会長復帰」を宣言して霊友会(増永派)との間で宗教法人代表者地位確認請求で争っていた裁判で、東京地裁は5月18日、久保氏の主張を却下し霊友会(増永派)側全面勝訴(先の大阪地裁での同様の裁判での判決は久保派が全面勝訴。東京と大阪で全く逆の判決が出された)の判決を下した。今回の判決について、久保派は、直ちに東京高裁に控訴し、再度「霊友会会長は久保継成である」という事実確認を求めるとの見解を発表。


☆「政教分離の会」全国集会
5月20日、政教分離の会(小林孝輔代表)は「憲法20条は今!?」と題して信教の自由や憲法問題を考えるシンポジウムを開催した。


☆中国仏教協会趙樸初会長が死去
5月21日、日中の仏教交流にきわめて大きな足跡を残してきた中国仏教協会の趙樸初会長(93歳)が、北京市内で死去した。建国後、共産党以外の政党のひとつである中国民主促進会の設立に参加。1953年に成立した中国仏教協会では秘書長、副会長を経て会長に就任。在家の立場で、およそ半世紀にわたって中国仏教界をリードし、仏教の復興に大きな功績を残した。
趙氏は、全国政治協商会議副主席、全国人民代表大会(国会に相当)常務委員などの国家の要職も歴任した。WCRP国際名誉会長でもあった趙氏の死は、日中仏教交流のひとつの時代の終りを象徴するだけでなく、チベット問題や法輪功問題で揺れる中国宗教界の動向にも微妙な影響を与えそうだ。


☆高田派 御影像を如来堂へ
5月21日、三重県津市の真宗高田派本山専修寺で、御影堂修理を前に、親鸞聖人の御影像を御影堂から如来堂に遷座する「御遷座法会」が営まれ、多くの檀信徒らが参列した。


☆曹洞宗東光院 大震災の災禍振り返り決意
5月21日、「萩の寺」として知られる曹洞宗東光院(村山廣甫住職、大阪府豊中市)は宮崎奕保大本山永平寺貫主を拝請し、本堂・開山堂諸堂阪神淡路大震災復興遍座入仏落慶法要等を厳修し、各界からの来賓と共に、レルネットの三宅善信代表も来賓として参列した。


☆「神の国」発言真宗大谷派が撤回求める抗議文郵送
森喜朗首相の「神の国」発言について、真宗大谷派(京都市下京区)は22日、木越樹(きごしたつる)宗務総長名で発言の撤回を求める抗議文を首相あてに郵送したと発表した。同派の門徒である森首相に対して、「首相の神の概念はあいまいで、過去の歴史認識と未来への展望を誤る無責任体制に通じ、宗教の強制による天皇中心の国家観そのもの。真宗門徒としての自覚を持って、発言の撤回を求める」としている。


☆道元禅師生誕800年式典
5月23日、曹洞宗大本山永平寺(宮崎奕保貫首)は「高祖道元禅師御誕生800年慶讃式典・祝賀会」を開催し、百歳を迎えた宮崎貫首を導師に法要が厳修された。


☆真宗仏光寺派、制度改革断行
5月23〜26日、真宗仏光寺派は第144回定期宗会を開催した。宗務総長の選出方法の見直しを行ない、宗務総長候補者推薦会の推薦と立候補による候補者を宗会で選挙することを決めた。


☆神社界「神の国」発言支持で統一行動
神社本庁が包括する全国約8万神社の代表が集まる平成12年度定例評議員会が、24日から、東京・代々木の神社本庁で開かれた。初日、緊急動議として先の森首相が「天皇を中心としている神の国」と発言したことに端を発した各界のさまざまな動きに対して、神社界として統一的な態度を表明することが提案され、本庁執行部で案文を作成のうえ評議員会に付議することが承認された。


☆全日仏 「神の国」発言撤回の「要請書」
5月25日、主な仏教教団書く宗派で構成する(財)全日本仏教会(北條成之理事長)は、「神の国」発言について、「遺憾の意」を表明するとともに、速やかに発言撤回を求める理事長名の「要請書」を総理宛に提出した。


☆「神の国」発言「支持」決議可決
5月26日、平成12年度神社本庁定例評議員会は、初日24日に森喜朗首相の「神の国」発言をめぐる動きに対して、神社界の立場を表明すべきとの緊急動議をうけ、「決議」案を討議し、支持の「決議」を可決した。


☆神社の情報 データ化
5月26日、神社本庁(東園基文統理)の平成12年定例評議員会が閉会した。本庁設立55年記念事業、本庁業務「情報センター」構想の実現を目指した基本方針の規程化、神職養成の神宮道場改築などの諸事業が展開されることとなった。


西山禅林寺派 五十嵐新管長が晋山
5月27日、京都市左京区の浄土宗西山禅林寺派総本山禅林寺で、同派管長・禅林寺法主に就任した五十嵐隆明新管長の晋山式が執り行なわれ、第88世の法燈を継承した。浄土宗関係者など約900人が参列した。


☆道元禅師生誕800年奉祝の集い
5月27日、曹洞宗大本山永平寺(宮崎奕保貫首)は、道元禅師生誕800年奉祝の集い「『いのちの法灯(ともしび)』をあなたの胸に」を開催し、集まった約800人の参加者は、永平寺開創以来続く法灯を授与された。


☆イスラームのシンポジウム開催
5月29〜30日、イスラーム諸国会議機構(OIC)とイスラミックセンター・ジャパン(通称ICJ:サーリフ・サマライ代表理事)が「東アジアとムスリム世界」と題したシンポジウムを東京青山の国連大学で開催した。


☆自治会「神社管理費訴訟」めぐる集い
5月30日、本願寺派真宗遺族会は、第30回「真宗遺族の集い――佐賀」を本願寺佐賀会館で開催した。高石史人筑紫学園大学教授が基調講演を行い、昨年末提訴された「自治会神社管理費訴訟」について問題提起などが行われた。


☆趙樸初会長告別式 日本からも参列者
5月30日、31日、趙樸初中国仏教協会会長の告別式と追悼法会が北京で営まれた。日本からも故人と交わりの深かった仏教指導者33人が訪中して参列、最後の別れを告げた。国務院主催の「遺体送別」式には江沢民国家主席ら政府、中国共産党などの首脳が参列した。日本からは有馬頼底臨済宗相国寺派管長、大野玄妙聖徳宗法隆寺管長、庭野日鑛立正佼成会会長ら各宗派にまたがる33人が参列した。


☆堤たち氏 死去
5月31日、阿含宗副管長で平川出版社長の堤たち氏(76歳)が心不全のため、東京都文京区の病院で死去。葬儀は阿含宗葬として7月2日京都市山科区の阿含宗総本殿釈迦山大菩堤寺で営まれる。


☆四天王寺 吉田英哲管長晋山式
5月30日、和宗総本山四天王寺で行われた吉田英哲第108世管長の晋山式が行われ、渡邊惠進天台座主をはじめ各宗派からの来賓と共に、三宅善信レルネット代表も列席した。