■ 宗教界の動き ■


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8月前半の宗教界の動き (0008F)
広島・長崎・靖国等、戦争と平和に関する「恒例行事」が多く行われました。

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☆全日本仏教会 靖国参拝中止要請提出
8月1日付で、全日本仏教会は森喜朗首相宛に靖国神社公式参拝に関して、「戦没者の追悼は国家が特定の宗教に関わって行うべきではない」と中止要請を提出した。


☆東大寺別当に新藤師
8月1日、第216世東大寺別当・華厳宗管長に、新藤晋海氏(73歳)が就任した。同日付で、これまで務めていた華厳宗宗務長・東大寺執事長などの役僚も交代した。


☆知山派 モンゴル仏経管長が訪問
8月1日、アジア仏教徒平和会議(ABCP)の副会長を務めるチョイジャムツ・モンゴル仏教総本山ガンダン寺ハンボラマ(管長)らABCP本部代表団一行が、真言宗智山派総本山知積院の宮坂宥勝化主を表敬訪問した。宮坂化主は同会議の顧問でもある。


☆MOA美術館で「薪能」公演
8月1、2日、世界救世教系のMOA美術館(静岡県熱海市)で夏の恒例行事となった「薪能」が公演され、市民ら約4,000人が美術館敷地内の自然に囲まれた特設会場で幽玄の美を楽しんだ。


☆熱田神宮緑陰講座50周年
8月2日、名古屋市の熱田神宮(小串和夫宮司)の林間学校・緑陰講座が今年で50年目を迎えたことを祝い、800人の子どもたちが、手づくりの神輿を担いで境内を行列した。主に小学生を対象にしたこの講座に参加した子どもは延べ3万人を超える。


☆エルサレム国際管理案を拒否
8月2日、イスラエルとパレスチナ双方はバチカンが提案していた「(ユダヤ・キリスト・イスラム各教の聖地で、民族・宗教紛争の原因となっている)エルサレム旧市街を国際的な管理下に置く」という案に不支持を表明した。


☆「四月会」総会開催
8月3日、「四月会(俵孝太郎代表幹事。正式名称:信教と精神性の尊厳と自由を確立する各界懇話会)」の総会が開催された。同会には政教分離の観点から公明党の連立政権入りに反対する教団や文化人が所属している。


☆念法眞教教団が立教75年祭
8月3日、念法眞教教団(小倉霊現燈主)は、大阪市鶴見緑地区の総本山金剛寺祈願本堂で、立教開宗75周年報恩法要を厳修、信徒ら約2,000人が参拝した。


☆寺院生活体験
8月3〜4日、浄土宗西山禅林寺派総本山禅林寺で、約30人の児童らが寺院生活を体験した。「体験学習」は読売新聞が読者サービスの一環として実施したもの。「青少年の情操教育の上でお役にたてれば」と、鬼頭誠英教学部長。


☆大谷派 得度式執行
8月4日、真宗大谷派(木越樹宗務総長)では、臨時得度式を執行し、約200人の仏弟子が誕生した。大谷派では1月と12月を除き、毎月7日に得度式を行っているが、8月は夏休みの子供たちが殺到するため、臨時式を設けている。


☆比叡山「世界平和祈りの集い」
8月4日、天台宗総本山延暦寺で「世界平和祈りの集い」が開催され、教宗派の枠を超えて約600人が参加した。来賓の櫻井勝之進多賀大社名誉宮司(元皇學館大学理事長)が挨拶を行ったが、先頃京都市内で行われた東西本願寺合同の反戦デモを批判し、「備えるべきは備える」との持論の展開に、軍縮を求める「比叡山メッセージ」に反するのではないかと、参加者から当惑の声も上がった。なお、主催者は、「これは、櫻井師の個人的(で主催者とは関係ない)見解」と弁明。


☆「アジア・太平洋修道女会議」国際大会
8月4日から12日まで、カトリックのシスターが国や地域を超えて自主的に連帯する「アジア・太平洋修道女会議」(シリア・チュー会長)の第12回国際大会が広島市で開かれた。25カ国から122人が参加した。


☆100パーセントの力で学校教育
8月4日、学校教職員を兼務する神職による全国教育関係神職協議会(=全神協)が創立40周年を迎え、富山市内のホテルで記念式典を開催した。平尾信麿副会長(八幡神社宮司、富山市)が新会長に選出された。


☆「ヒロシマ原爆忌」に三教区が姉妹縁組
8月5日、カトリック大阪管区(教区長:池長潤大司教区)と広島教区(教区長:三末篤實司教)の共同司式による平和ミサが広島市の世界平和記念聖堂で行なわれた。また広島司教区は、韓国・釜山司教区、フィリピン・インファンタ司教区と姉妹縁組した。


☆原爆忌に「平和への取り組み」
8月6日、原爆忌に参拝した世界連邦日本宗教委員会(委員長:池田瑩輝真言宗中山寺派元管長)と、広島県宗教連盟(久保田訓章理事長)による平和懇談会が広島で行なわれ、約30人が出席した。池田氏は近日国連で開かれる「ミレニアム世界平和サミット」について、世界へ向けての宗教者の交流を呼びかけた。


☆戦争協力を「謝罪」
8月6日、大津市の天台寺門宗総本山園城寺(通称:三井寺、福家俊明長吏)は、今世紀最後の原爆忌に際し「平和への三井寺アピール2000」を発表した。「教団の過去の戦争協力を懺悔・謝罪するとともに、恒久平和の実現を強く望む」という趣旨。


☆立教41周年大祭開く
8月6日、世界真光文明教団(関口勝利教え主)は、立教41周年大祭を、静岡県田方郡中伊豆町の主(ス)座世界総本山で執り行なった。国内のみならず、世界各地からも信者が参拝し、延べ30,000人を超した。


☆辯天宗奉納花火大会
8月8日、辯天宗(大森慈祥管長)では、「夏祭祭典法要」が厳修された。夜の「夏祭奉納花火大会」では、茨木市長が挨拶に立ち、境内は約10万人の信徒や市民で賑わった。


☆長崎で原爆慰霊祭
55回目となるナガサキ原爆忌を迎え、長崎県宗教者懇話会(代表:上杉千郷諏訪神社宮司)は8日、「第28回原爆殉難者慰霊祭」を執り行ない、また、世界連邦日本宗教委員会(池田瑩輝委員長)と平和問題懇談会を開催した。9日にも懇話会の7宗教の代表が慰霊祭を奉仕した。


☆清水寺で開帳中日法要
8月9日、秘仏本尊「十一面千手観音」の33年に一度の開帳を行っている北法相宗大本山清水寺(森清範貫主)では、中日法要を厳修した。また、1日からは今年で85回目となる「うらぼん法話」を行っている。


☆四天王寺お盆まいり 始まる
8月9日、和宗総本山四天王寺(吉田英哲管長)で「四天王寺お盆まいり」が始まった。期間中の「万燈供養」の献灯は約10万本にもおよぶといわれる。8月16日まで。


☆万燈会盛大に
8月9日、滋賀県彦根市の慈眼寺(能登春夫住職)は、十一面観世音菩薩開扉と万燈会を盛大に執り行なった。昭和60年から開始し、終日参拝者で賑わった。今回で15回目。


☆国宝飛雲閣の和船復元
8月10日、京都市下京区の浄土真宗本願寺派本山本願寺(通称:西本願寺)境内にある国宝飛雲閣(豊臣秀吉の聚楽第から移築)の池に、和船(泉水船)が復元され、進水式が執り行われた。蓮清典総長らが参列した。飛雲閣特別公開(定員300人、9月20〜25日)希望者は、同派宗務所参拝部へ申し込み。


☆在日韓国・朝鮮仏教徒が合同法要
8月11日、南北首脳会談と共同宣言を受けて、在日韓国・朝鮮人仏教徒らが集い、大阪市天王寺区の統国寺で共同宣言を支持する合同法要を執り行った。約100人が参列した。


☆平和祈り 光の行列
8月12日、カトリック東京大司教区は、東京・九段の千鳥ヶ淵戦没者墓苑で「平和祈願祭」を執り行ない、約650人の参列者が平和を祈った。毎年8月6日から15日までを「平和旬間」とし"平和行事"を開催している。


☆新宗連が平和式典
8月14日、終戦記念日前日のこの日、新日本宗教団体連合会(通称:新宗連、理事長:深田充啓円応教教主)と新日本宗教青年会連盟(新井光興委員長)共催による「第35回戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典」が行われた。「8・14式典」として定着した行事で、3,500人が参列した。


☆日蓮宗平和祈願法要
8月15日、日蓮宗(渡邊清明宗務総長)が千鳥ヶ淵戦没者墓苑で「第56回忌戦没者追善並びに世界立正平和祈願法要」を執行し、引き続き、約70名が参加して「平和祈念行脚」を開催した。約700人が参列した。千鳥ヶ淵墓苑が建立された昭和34年以来毎年、戦没者追善供養が行われている。


☆靖国神社公式参拝反対平和遺族会デモ
8月15日、首相・閣僚の靖国神社公式参拝に反対し、憲法遵守を訴える戦没者遺族の集まり「平和遺族会全国連絡会」(小川武満代表)が集会、デモ行進を行った。220名を超す参加者が集った。


☆東寺で5,000人が踊る
8月15日、東寺真言宗総本山教王護国寺(通称:東寺)の境内で、恒例の「万燈会法要・盆踊り」が行なわれた。地元住民ら約5,000人が踊りの輪に加わった。今年で19年目を迎えたこの盆踊りは地元の夏の風物詩として定着している。


☆政府主催・全国戦没者追悼式
8月15日、政府主催の戦没者追悼式が東京九段の日本武道館で行なわれた。遺族や各界代表ら約6,300人が参列。恒久平和への誓いを新たにした。天皇・皇后両陛下ご臨席のもと、全員で「国歌」となった『君が代』を斉唱。また森首相が式辞を述べた。


☆靖国神社で追悼集会
8月15日、英霊にこたえる会(堀江正夫会長)と日本会議(稲葉興作会長)は、内閣総理大臣の靖国神社公式参拝の実現を目指して、第14回「戦没者追悼中央国民集会」を靖国神社境内で開いた。総理参拝を求める声明文を発表した。


☆折りヅル奉納
8月15日、立正佼成会(庭野日鑛会長)では、東京・杉並の本部はじめ全国の教会で「戦争犠牲者慰霊・平和祈願の日」式典を厳修した。本部大聖堂は全国各地から奉納された千羽ヅルで埋め尽くされ、3,000人が参集した。


☆叡山学寮「5期生」を公募
天台宗では、僧侶志望者を一般から募る「叡山学寮生」第5期公募が9月1日から始まる。採用は3人以内。来年4月1日から2年間、比叡山で修行する。公募締め切りは10月31日。問合せは、宗務庁教学部(電話077-579-0022)まで。


☆北野天満宮 葺き替え
鎮座1100年大萬燈祭に向けて諸社殿の修復工事がすすむ京都の北野天満宮(梶季嗣宮司)では、このほど、国宝指定・本殿の檜皮葺き屋根の葺き替え工事が完了した。また同宮のホームページが開設された。http://www.kitanotenmangu.or.jp


☆「創造者」への尊敬は違憲?
米国ジョージア州の学校教育新指導要綱で定められた品性カリキュラムの中で「創造者を敬う」という部分が憲法の政教分離に抵触するかをめぐり、対応に苦慮している。


☆最後の皇帝ニコライ2世の一家を「聖人」に
今月中旬、ロシア正教会の主教会議がモスクワで開かれたが、そのなかで、ソビエト社会主義革命政権により1918年、一家全員が射殺された帝政ロシア最後の皇帝ニコライ2世一家を殉教者とみなし、「聖人」に加えることを決めた。


☆イエスは共産主義者だった?
キューバのカストロ首相は、議会での答弁で、「イエス・キリストは歴史上もっとも偉大な共産主義者である」と述べた。カストロ首相自身は、キューバのイエズス会系高校を卒業したが、自分のことは無神論者と呼んでいる。


☆ACRP第6回大会決まる
アジア宗教者平和会議(通称ACRP)の第6回大会が、来年11月上旬にインドネシアで、「和解」をメーンテーマに開催されることが決定した。会議には300〜500人が出席見込。この度、現地で先立って開催された準備会議のレセプションでは、イスラム教団体の指導者を務めていたワヒド大統領もスピーチした。


☆「戦争と平和」展開く
大津市の天台寺門宗総本山園城寺(福家俊明長吏)で、展覧会「戦争と平和〜語り得ぬものの記憶〜」が開催されている。「南京大虐殺」や「従軍慰安婦」など取り上げており、真相が隠されてきた歴史的事実を一考させる内容になっている。20日まで。


☆ミレニアムサミット代表者決まる
「宗教者・精神的指導者によるミレニアム世界平和サミット」が世界各国から約700人が参加して8月28〜31日、ニューヨークの国連本部などで開催されるが、渡邊惠進天台座主・久邇邦昭伊勢神宮大宮司ら27人の日本からの出席予定者が決まった。29日の総会では渡邊・久邇両氏が日本の宗教を代表して講演を行う。レルネットの三宅善信代表も公式参加する予定。


☆「清水寺奨学金」創設
北法相宗大本山清水寺(森清範貫主)は、33年に一度の秘仏開帳を記念して、「清水寺奨学金」を創設した。主にアジアからの留学生を対象に、月額10万円を限度とする1年間の支給で返済の義務はない。


☆新宗連 靖国問題で意見書提出
新日本宗教団体連合会(新宗連)の「信教の自由委員会」(委員長:力久隆積善隣教教主)では、靖国神社への公式参拝の自粛を求める意見書を、森喜朗内閣総理大臣宛に提出。「信教の自由」と「政教分離」の原則の尊守、閣僚による靖国神社公式参拝について慎むよう要請した。


☆真宗教団連合 靖国公式参拝の中止要請文
真宗十派で構成する真宗教団連合は「首相・閣僚の靖国神社公式参拝中止要請文」を森総理宛に提出した。「同神社に総理・閣僚が公式参拝することが憲法の精神に背く違憲行為であることは明確」と中止を求めた。


☆教皇立生命アカデミー、胎児実験を否定
米政府が受精後2週間目までの胎児実験に公的助成を決めた直後、ローマ教皇立生命アカデミーは「胎児実験は倫理的見地から受け入れられない」との考えを発表した。


☆リーバーマン氏の信仰心強調に警告
民主党の副大統領候補として初めてユダヤ系のリーバーマン氏が選出されたが、信仰心を強調する同氏に対し、「アンチ・デファメーション・リーグ(反中傷連盟)」は過度に宗教に言及することが国民を選挙戦から遠ざける危険性を指摘している。