■ 宗教界の動き ■

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇

11月後半の宗教界の動き (0011S)
対話と交流の進んだ月でした。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇

*日蓮宗妙法寺「開創七百年」「宗門史跡指定」祝う
日蓮宗妙法寺は11月4日から3日間「開創七百年」並びに「宗門史跡指定」記念の大法要を厳修した。同寺はもともと信昭公の屋敷であった。また、信昭公は日昭上人の遺命により領国へも教えを弘め、後の「日昭門流」として大きな発展を遂げた。このような背景から、平成9年10月、妙法寺は日蓮宗の「宗門史跡」に指定されている。開創七百年は正確には平成17年に迎えるが久住住職並びに同寺役員らは「新世紀を迎えるまでに時代に対応した寺作りを完成させたい」との強い願いと本堂の大改修なども完成したためこのたびの記念法要となった。


*浄土宗 宗務庁移東を要望
浄土宗東京教区で11月6日、第74次臨時教区議会が招集され、浄土宗宗務庁を東京に移すことの要望を全会一致で議決した。同教区議会は、21世紀の情報化時代を迎えるにあたり、諸機関諸機構が東京に集中しているばかりでなく、情報の中心が東京にあるとし、現在、総本山知恩院のある京都に置かれている宗務庁を東京に移転することが望ましいとしている。


*日蓮宗 「霊宝館」の地鎮式を営む
大本山池上本門寺はかねてから、立教開宗750年慶讃事業のひとつとして「霊宝館」の建設を計画していたが、11月6日、酒井日慈貫首の導師のもと地鎮式を営んだ。建物自体は来年の末に完成の予定だが、建物の湿気を取り除くなどして、実際に霊法類を収納できるまでには1年ぐらいの調整期間を要するため、正式オープンは平成15年になりそう。


*ブダガヤの日本寺に眼鏡奉納
「目のお薬師さん」として信仰を集めている島根県の一畑薬師教団総本山一畑寺で11月8日、「めがね供養祭」が営まれ、レンズが合わなくなったり、買い替えたりして使わなくなったものなど、全国各地から寄せられた眼鏡が供養された。
来年の1月30日にはインド仏跡巡礼をしている飯塚住職がブダガヤの日本寺で記念法要を営み、めがね供養祭に寄せられた眼鏡のうち壊れていない1000個を奉納する予定。


*西山浄土宗常蓮寺 第21世の法燈を継承
西山浄土宗常蓮寺で11月12日、柴田康英前住職の退山式、柴田新住職の晋山式が執り行なわれ康仁住職が晋山之疏を宝前に奉読し第21世の法燈を継承した。


*妙智曾教団 「大恩師法会」を厳修
妙智曾教団は11月14日、千葉聖地で宮本孝平大恩師の「みなもといに集う・大恩師法要会」を執り行ない全国から会員代表7,000人が参集した。さらに新支部・新役員の任命式では、今年新たに26の新支部が誕生し宮本会長から代表の東京第156支部の小出欽次郎支部長に、支部長の任命書が授与された。


*御親修で智子裏方を偲ぶ
東本願寺大谷家の光道当主は11月15日、平成元年に死去した実母・智子裏方(故大谷光暢法主夫人で香淳皇后の実妹)の命日法要を勤めた。今回の法要には光道当主夫人の禮子裏方、実姉の大賀美都子さんや夏川須美子さん夫妻も参列した。


☆「仏遥かにあらず」大阪でトーク布教
11月16日、関西で独自な布教活動に取り組んでいる、高野山真言宗の僧侶の集まり「21世紀坊さん委員会」が主催し、落語とトーク布教などを織り交ぜたユニークな試みを、大阪市のワッハ上方演芸ホールで開催する。問合せ、申込みは、常喜Tel:0736-56-2321まで。


☆曹洞宗内局が中国公式訪問
11月16日から、曹洞宗(大竹明彦宗務総長)は中国政府の一機関からの招請により、大竹総長はじめ内局が中国を公式訪問、政府要人とも会談する予定。趙樸初中国仏教協会会長の逝去に弔意を表したことが機縁となった。


*なあむサンガ100回記念講演
11月16日、南無の会(松原泰道会長)では、「なあむサンガ」の第100回記念講演会を、東京の東京芸術劇場で開催する。無着成恭・曹洞宗福泉寺住職が語る。テーマは「今、仏教に何ができるのか?」なあむサンガ事務局Tel:0489-42-6612まで。


*7回の修道体験語り合う
11月20日、禅とカトリックの宗教者が、それぞれの修行体験を通して宗教交流を図ること目的に実施されている東西霊性交流の報告会が京都市内で開かれた。東西霊性交流の実施は今年で7回目。今回はオランダやベルギーの修道院で実施され、日本から安永祖堂天龍寺国際禅堂師家ら総勢5人の禅僧が9月に2週間余りにわたり修道生活を体験し、その体験成果をそれぞれが報告するとともに、今後の霊性交流の在り方についても意見を交換した。


*京都大原の寂光院が拝観を再開
11月20日、今年5月の放火で本堂を全焼した天台宗寂光院がほぼ6ヵ月半ぶりに参拝客の受け入れを再開し、焼失した本堂の南側手前、約1坪の土地に建設された檜造りの仮本堂に納められた地蔵菩薩立像が参拝客を迎えた。


*天理教明城大教会 「子供達のいのち救おう」
11月23日、「新世紀を担う子供達のいのちを救おう」をテーマに「第16回青年会明城分会総会」並びに「第3回たすけあいフェスティバル」が、天理教明城大教会(松井石根会長・大阪市中央区)で行われ、各教会の信者をはじめ地域の人など約600人が参加した。


*真言宗和田管長タイへ親教
11月24日、「タイ国日本人納骨堂・真如親王供養塔法要とボロブドゥール巡礼の旅」の名誉団長として、高野山真言宗の和田有玄管長が最初の訪問地タイ・バンコクへ向けて旅立った。和田管長は今回、日本人納骨堂や真如親王供養塔での法要の導師を務めるほか、巡礼団とともにバンコクのワット・パクナム寺院やインドネシア・ジャワ島のボロブドゥールなども訪問する。


*妙心寺で無文元管長の十三年諱法要
11月24日、臨済宗大本山妙心寺塔頭霊雲院で堂院で入寂した山田無文元妙心寺派管長の十三年諱法要が則竹住職を導師に厳修された。全国各地から260人の大方尊宿と有縁の在家270人の僧俗あわせて約550人が参列し、無文元管長の遺徳を偲んだ。


*寂光院に義援金
11月25日、去る5月の放火事件で本堂を全焼した寂光院の小松智光住職に、同じ大原地区にある同じ天台宗の三千院の小堀光詮門主が義援金100万円を贈った。この義援金は三千院の「平成大修理」の完成を記念して東京・東武美術館で9〜10月に開かれた「名宝展」で募金を呼びかけ、約1ヵ月の会期中に来場者らが寄せた浄財。


☆曹洞宗 大船観音寺で「アジア・フェスタ」
11月25日、SOTO禅インターナショナルと大船観音寺は、「ゆめ観音in大船」と銘打ってアジア・フェスタを行った。問合せ:大船観音寺Tel:0467-43-1561松山氏、SOTO禅インターナショナルTel:045-843-8842亀野氏まで。


*真盛宗と西山深草派 合同研修会
11月25日、天台真盛宗の宗学研究所と同派宗学研究室の合同研修会という珍しい試みが真盛宗の総本山西教寺で開催された。真盛宗の教義が深草派に近いということから、交流し理解を深めようということになり実現したもの。この会合には、天台宗の渡邊惠進天台座主も飛び入りで参加するなど、思わぬ波及効果ももたらせた。


*浄専寺震災修復工事終了 遷座法要
11月26日、阪神淡路大震災で被災し修復工事を進めていた浄土真宗本願寺派浄専寺(武内紹晃住職・兵庫県尼崎市)の元禄様式の本堂は無事工事が終了し、遷座法要を営むこととなった。同寺本堂は慶長年間に建立され、尼崎市に現存する数少ない古建築のひとつ。


*「福娘」最終選考
11月26日、大阪の「十日戎」で知られる今宮戎神社(津江明宏宮司・大阪市浪速区)で10月29日から始まった2001年「十日戎」の福娘50人を選ぶ最終の福娘選出審査会がABCホール(大阪市北区)で行われ、福娘50人が決定した。さらに、12月3日には福娘代表3人を選ぶ「福娘発表会」が同ホールで行われる。


*第7回ビハーラ活動全国集会開催
11月26・27両日、第7回ビハーラ活動全国集会が本願寺会館で開催され、日本キリスト教団西尾教会の杉本誠牧師が「カルトに惹かれる青年たち」と題して記念講演を行い、「家族の本来のあるべき姿を回復することがカルト対策だ」などと説いた。


☆WCRP(世界宗教者平和会議)30周年記念
11月27・28両日、WCRP(世界宗教者平和会議)の創立30周年記念行事(シンポジウム・レセプション・記念講演・式典等)が、WCRP創設の地、国立京都国際会館において、内外からの宗教指導者や平和問題の専門家をはじめ、関係者約2,500人が参加して盛大に開催された。元ドイツ首相のH・シュミット氏や元コスタリカ大統領のR・カラゾ氏らが講演したのはじめ、WCRPのメンバー宗教指導者だけでなく、渡邊惠進天台座主・大谷光真浄土真宗本願寺派門主・中山善衛天理教前真柱ら、宗教界の重鎮が参列した。レルネットからも三宅善信代表他3名が参加した。


*家光公遠忌法要結願へ
11月30日、日光山輪王寺門跡の「徳川家光公三百五十年御遠忌」は、大猷院(将軍家光の院号)「奥の院」特別公開の終了をもって結願した。NHKの大河ドラマ『葵〜徳川三代〜』の放送に合わせて4月に始まった「奥の院」の初公開以来、大猷院にはこれまでに例年の約5倍の参拝者が訪れた。「奥の院」閉門後は従来通り、それ以外の大猷院廟境内の参拝となり、静寂な雰囲気に戻る。大猷院御遠忌結願法要は12月1日「奥の院」で行われる。


☆浄土宗 宗務庁「移東」移問題
11月下旬、仏教タイムス社の行った調査によると、浄土宗宗務庁の東京移転問題に関し積極的に賛成の意向を示す宗議会議員は少数であることが判った。約40年にもわたって決着できずにいる微妙な問題だけに、今後の議論次第では、宗派が分裂しかねないとの見方も出ている。


*堂々と女性だけの勤行
真宗大谷派は初めて調声、示教、御木、法中も「オール女性」で勤めた大谷婦人会の創立110周年法要。藤川雄子大聖寺教区加賀江沼支部長の調声により、3人の女性准堂衆補、全国の会員8人が出仕し、堂々と勤行、満席となった会場の出席者とともに高らかに念仏を称えた。


戻る