■ 宗教界の動き ■


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3月後半の宗教界の動き (0103S)
宗教界にも新しい時代の波が訪れつつあります。

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☆ヒトES細胞指針へ大本だ遺憾の意を表明
3月16日、大本(奥田宗弘本部長・京都府亀岡市)は、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)研究に関する国の方針として作成された『ヒトES細胞の樹立および使用に関する指針案』に対し、「生命の尊厳にかかわるものだ」と遺憾の意を表わし、国民の合意を得られるよう慎重審議を求める「要望」を町村信孝文部科学大臣宛に郵送した。


☆東大寺別当の新藤晋海師 遷化
3月17日、華厳宗管長・東大寺別当の新藤晋海師が、奈良市の自坊(観音院)で逝去した(74歳)。密葬は、20日に観音院で営まれた。


☆教皇 双方に中東和平の場に戻るよう要請
3月17日、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は、紛争が泥沼化しているイスラエルとパレスチナ双方に「中東和平協議の場に戻るよう」訴え、また、紛争地域に滞在するキリスト教徒に、「現在の困難があるからといって、聖地にいることを断念することのないよう」に促した。


☆各地で彼岸会
3月20日、春の彼岸の中日にあたるこの日、全国各地の寺院では、彼岸会法要が営まれ、東山本廟や大谷祖廟をはじめ、各地の霊園には、墓参をする人々が大勢つめかけた。


☆ガリレオは聖体を否定し訴追?
3月21日、イタリアの歴史学会の発表によると、最近発見された17世紀の文書が、当時、「異端」として断罪されていたガリレオ・ガリレイを有罪決定に導いたものは、これまで広範囲に信じられていた「地動説」唱導のためではなく、聖体拝領に関する教義を否定する「アトミスト」論のために異端査問に付されたことを明らかにした。これがもし、事実だったとすれば、教会史だけでなく科学史も大きく書き換えられることになる。


☆ロシア教会 ドイツ型の教会税を
3月21日、ロシア正教会の有力指導者の一人、スモレンスクとカリーニングラードを管轄するキリル府主教は、主教就任25周年記念式典の際のインタビューで、ロシアの税制の大規模改革を提案した。キリル府主教によると、「ロシアもドイツの方式を採択し、政府が国民から徴収した所得税の一定割合を、宗教別人口構成に応じて、正教会はじめ各宗教団体に助成するべき」と語り、注目を集めた。


☆念法眞教二代燈主の教団葬
3月24日、去る2月16日に逝去した念法眞教二代燈主小倉霊現師の教団葬が、総本山金剛寺(大阪市鶴見区)で営まれた。三代燈主を継承した稲山霊芳師をはじめ教団関係者、各界からの会葬者が最期の別れを惜しんだ。なお、レルネットの三宅代表は、21日に同教団本部に弔問し、長谷川霊信教務総長に弔意を伝えた。


☆成田有恒師 増上寺法主として入山式
3月26日、浄土宗大本山増上寺(東京・芝)において、成田有恒第87世増上寺法主の入山式が執り行われた。「寺内大吉」のペンネームで知られる前浄土宗宗務総長の成田有恒師は、昨年12月14日に逝去した藤堂恭俊浄土宗大本山増上寺法主の後を受けて、増上寺法主についた。成田師は、去る14日に総本山知恩院(京都市左京区)で中村康隆浄土門主から認証を受けた。
浄土宗の首都圏布教の拠点ともいえる増上寺の法主に、一般社会でも名の知られている成田師が着任したことによって、注目されると同時に、現在、同宗議会最大の問題となっている宗務庁の東京移転問題に新たな一石が投じられる可能性が出てきた。


☆伝統教団がマルチメディア研究会
3月27日、全日本仏教会の「仏教徒マルチメディア研究会」(田代弘興座長)が、公開セミナーを京都市内のホテルで開催した。中央集権的教団運営がなされる傾向の強い新宗教諸教団では、早くからコンピュータが導入されて、大きな実績を上げているところが多いが、インターネットの普及やIT技術の個別化(各末寺向けの会計処理ソフトや過去帳・檀家管理ソフトが多数販売されるようになった)が進み、伝統教団でも本山末寺ともに、マルチメディア化が計られるようになった。


☆「法の華」破産宣言
3月29日、「法の華三法行」に対して、東京地裁より破産宣告がなされた。いわゆる「霊感商法」問題で世間を騒がせた「法の華三法行」教団は、昨年5月に、教祖であった福永法源元代表らが逮捕され、壊滅的な打撃を受けた。全国各地で、元信者らによる「返還請求訴訟」が起こされており、この日、司直の手によって、同教団の破産宣言がなされた。


☆薬師寺で花会式
3月30日、南都の法相宗大本山薬師寺で、伝統の花会式が営まれ、大勢の参拝客が見守った。


☆教皇 日本司教団に福音伝達を助言
3月30日、日本からバチカンを訪れている司教団一行に対して、教皇ヨハネ・パウロ2世は、「キリスト者には『アジア的なイエス像』の提示が求められている」と語り、日本への福音伝達に助言した。


☆川島理事長を偲ぶ会で第6代理事長を推挙
3月31日、リーガロイヤルホテル(大阪市北区)で、大阪尼僧法団、大阪府宗教婦人連盟、大阪仏教婦人連盟共催による「大阪府宗教婦人連盟理事長川嶋妙香様を偲ぶ会」が開催され、六條照瑞道明寺門跡の導師によって、昨年8月に逝去した故川嶋妙香師の追悼法要が行われた。引き続き、大阪府宗教婦人連盟の第6代理事長として、金光教泉尾教会長婦人の三宅壽賀子女史が推挙され、全会一致で承認、推戴された。


☆横浜で自然葬語る集い
3月31日、「葬送の自由をすすめる会(安田睦彦会長)」は、かながわ県民センターで「自然葬を語る市民の集い」を開催した。安田会長が「自然葬の現状と今後の課題」、薦田哲氏が「自然葬を営む人の遺言状の書き方」を講演、体験発表や質問コーナーも設けられた。


☆日テレ『宗教の時間』打ち切り
読売新聞社主の故正力松太郎氏に肝いりで始められ、日本テレビ系列で約40年間にわたり放映されていた民放最長寿番組『宗教の時間』が、放送の24時間化に伴い、早朝の時間帯充実させる春の番組改編のあおりで3月末で打ち切りとなった。同番組は、宗派を超えて日本の仏教、神道、民間伝承などを紹介し、根強い人気を集めてきただけに、「打ち切り」は宗教界に大きな波紋を広げた。



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