■ 宗教界の動き ■


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5月後半の宗教界の動き (0105S)
ローマ教皇やダライ・ラマなどが積極的に活動しました。◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

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☆聖職者の9割「報酬足りない」と 英国
5月15日、英国で国教会(聖公会)の聖職者10,000人に調査したところ、「使えるお金が十分でない」と答えた人が9割近くもいたことが判明した。聖職者1,500人の加盟している組合「MSF」は、「この調査が聖職者の給与を増やし、さらにその権利を拡充するべきであることを示している」と主張しているそうである。


☆日韓仏教代表者 金大中大統領を表敬

5月16日、ソウル市で開催されていた第22回日韓・韓日仏教文化交流大会に参加していた両国仏教代表が金大中(キム・デジュン)大統領と会見。折から両国間で懸案となっていた「歴史教科書」問題解決のために、日本の仏教指導者に期待する言葉が、キム大統領から述べられた。


☆ブッシュ大統領 宗教団体への連邦助成擁護
5月20日、昨年、宗教右派の支援を得て、史上稀にみる接戦を制して合衆国大統領に就任したジョージ・W・ブッシュ大統領は、カトリック系ノートルダム大学の卒業式に出席し、「Faith based Initiativeと呼ばれる信仰に基盤を置いた福祉活動支援策を教化していく」と述べた。特定の宗教団体に連邦資金が供与されるのは、明らかに合衆国憲法違反である。


☆富山県でコーラン破り捨て事件
5月21日、富山県小杉町のパキスタン人男性経営の中古車販売店前で、裁断されたイスラム教の聖典『コーラン』の紙片が見つかり、イスラム教徒約250人が集まり、県や県警などに事件捜査などを要請した。県警小杉署は、「イスラム教徒の集会所で今年3月か4月に『コーラン』などが盗まれた」というこの男性からの盗難届を受理、本格的な捜査に乗り出した。


☆史上最大の枢機卿会議 バチカン
5月21〜25日、バチカンにおいて、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が召集した特別枢機卿会議を開催された。教皇がこの2月に任命した枢機卿を含め、史上最高人数と言われる183人の枢機卿(世界各地で活躍)の中から155人が参加、これまでにない規模の会議となった。公式の枢機卿会議は1994年以来7年ぶり。『第3千年紀の教会への展望』を描き出そうという今回の会議では、教会の一致、教皇の権能、宣教、メディアを通じ教会のメッセージを伝える必要、バチカンからのコミニュケーションに至るまで広範な問題が論じられたが、高齢でパーキンソン病を患っている教皇ヨハネ・パウロ2世の後継問題については一切触れられなかったという。枢機卿会議は、折からのパレスチナでの暴力が双方の自制のもとに収束するように祈りを捧げられた。


☆タリバン政権がヒンズー教徒に識別票
5月22日、アフガニスタンを実行支配しているイスラム原理主義政権タリバンが、「アフガニスタン在住のヒンズー教徒は、イスラム教徒でないことを示す識別票を衣服に着けなければならない」と、発表した。3月の「バーミヤン石窟大仏破壊」に続き、この基本的人権を無視したタリバン政策に、イスラム教諸国からも批判が集まっている。


☆波乱もなく設立55周年式典 神社本庁
5月22日、全国の神社の大部分を統括する神社本庁(東園基文統理)設立55周年記念大会の式典が、皇族の臨席を仰ぎ明治神宮会館で盛大に開催された。続いて23〜25日に開催された神社本庁の評議会では、神社本庁の外郭団体である「神道政治連盟」の政治家側のカウンターパートナー団体の会長と事務総長を務めていた自民党の参議院議員2名が「KSD事件」で逮捕され、議員辞職を行ったばかりであるにもかかわらず、神社本庁側の執行部最高責任者である工藤伊豆総長は留任となった。


☆治療研究用の胎児使用支持
5月22日、スコットランド教会(長老派)総会、「衰弱治療の研究に受胎後14日以内の胎児(胚)使用を支持」した動議を採択した。総会はまた、政府に「生殖目的のためのクローン作り禁止」を要請した。


☆『今、神道が動く』出版記念に明石康元国連事務次長
5月22日、平成神道研究会と神道時事問題研究会(世話人片山文彦・新宿花園神社宮司)主催による第410回の記念講演回を兼ねた『今、神道が動く』出版記念パーティーが、新宿の京王プラザホテルで開催され、明石康元国連事務次長の講演が行なわれた。折から、代々木で神社本庁の設立55周年記念式典が開催されていたので、神社関係の参加者は少なく、医学博士でもある片山師の広い交友関係もあって、演劇家の唐十郎氏をはじめ各界から約250人の来賓、関係者がお祝いに駆けつけた。レルネットの三宅善信代表も、『今、神道が動く』の共同執筆者の一人として出席した。


☆ダライ・ラマ パウエル国務長官と会談
5月22日、訪米中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は、米国務省でパウエル国務長官、アーミテージ副長官、チベット問題調整官に任命されたドブリアンスキー次官と会談した。ブッシュ政権発足後、ダライ・ラマが国務長官らと会うのは初めて。


☆ブッシュ大統領がダライ・ラマに支持表明
5月23日、ブッシュ米大統領は、ホワイトハウスでダライ・ラマ14世と会談、ダライ・ラマを強く支持する意向を明らかにした。同日は中国当局がチベット支配の根拠とする「チベットの平和解放に関する協定」締結から50周年に当たる。フライシャー報道官は、声明を発表し、「ブッシュ大統領が、ダライ・ラマ14世と中国政府との対話を推進することを確約した」と述べた。
米国では、チベット問題は宗教や文化への抑圧であり、中国の人権侵害の象徴との見方がある。ブッシュ政権は保守派の圧力もあり、中国の反発を計算しながらチベットを対中カードに使っている。


☆コーラン破り捨て事件 東京でも抗議集会
5月25日、富山県で起きたイスラム教の聖典『コーラン』破り捨て問題で、イスラム教徒約400人が東京・日比谷公園などで抗議集会を開き、外務省に再発防止や事件の早期解決などを求める要請文を提出した。参加者はプラカードを片手に「コーランを冒涜する行為は許し難い」などと訴え、シュプレヒコールを繰り返した。


☆吉本興業がタイアップして宗教用具業界がイベント
5月25〜26日、長引く不況に直面する仏壇仏具などの宗教用具産業界が、新しい価値を創造しこの難局を打開しようと吉本興業とタイアップして、大阪市中央区のなんばグランド花月でイベント「家族や先祖のことを思わなあかんDE!全国行脚」が開催した。


☆立正大学新理事長に渡邊一之氏
5月28日、日蓮宗の宗門学校、立正大学学園では、任期途中で退任した高嶌正人理事長の後任として、新理事長に渡邊一之常任理事(横浜市港北区・本長寺住職)を評議会で選出、同日就任した。任期は前理事長の残任期間である平成2003年3月31日まで。

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