■ 宗教界の動き ■


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6月後半の宗教界の動き (0106S)
「集団自殺」から「魔女狩り」まで、海外ではいろいろありました。

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☆成田空港公団 東峰神社の鎮守の森を抜き打ち伐採
6月16日、成田空港の暫定平行滑走路(2,180m)を建設するため、新東京国際空港公団(中村徹公団総裁)は同滑走路南端正面の成田市東峰にある東峰神社境内の立ち木19本を伐採した。これに対し空港反対派住民が強く反発。同公団は、ワールドカップサッカーの日本開催に間に合わせるため、平行滑走路の2,500m拡張を来年5月までに実現を目指している。

東峰神社は戦後、同地区の入植者らが建立。空港建設で氏子が移転、減少し、神社敷地の所有者も1969年に他地区へ移転し、昨年12月に公団に土地を売却した。伐採された木は最高で18mあり、公団は「航空機進入面の障害物の上限高5mを超え、安全運航確保のため必要」と判断した。同神社の氏子である空港反対派農家6戸は「事前連絡なしの抜き打ち工事。勝手に鎮守の森を切るのは不当だ」と反発している。


☆久保トシ子創立者夫人 霊友会葬
6月16日、今年3月13日に97歳で死去した霊友会(久保派)会長の久保継成師の実母、久保トシ子さんの教団葬が、横浜市の国立横浜国際会議場で営まれ、全国の会員ら約3,500人が参列した。


☆修養団捧誠会 発会60年祭
6月16・17両日、発会60周年を向える修養団捧誠会(出居茂総裁)は、本部平和郷(東京・池袋)で、「発会六十周年祭」の行事を開催した。テーマは「21世紀の捧誠会・広く温かい捧誠会」。また、全国ブロック長会議、全国支部長会議も行われ、21世紀を見通した教団の運営について討議した。


☆皇居で死穢のお清め
17日、昨年6月16日に崩御された香淳皇后(昭和天皇の后)の一周年祭に出席された天皇陛下らがお清めをされる「香淳皇后一周年祭後一日御禊(おんみそぎ)の儀」と「同大祓(おおはらえ)の儀」が、皇居で仕えられた。
「御禊の儀」は両陛下と皇太子ご夫妻のお清めで、「大祓の儀」はその他の皇族方や一周年祭に参列した宮内庁職員らを対象とする伝統的な死穢のお清め。宮殿「竹の間」で、陛下は御小直衣(おんおのうし)と呼ばれる古来の儀式用装束でお祓いを受けられた。


☆辯天宗 婦人部大会を大阪城ホールで開催
6月17日、辯天宗(大森慈祥管長)の第16回婦人部大会が、『21世紀・慈しみの対話』をテーマに大阪城ホールで開かれ、家族を核に一層の信仰の輪の拡張が強調され、16,000人が随喜した。同大会は3年に1度開催されている。


☆法輪功メンバー14人が矯正労働所で集団自殺?
「6月20日、気功集団法輪功のメンバー14人が、黒竜江省ハルピン市の矯正労働所で集団自殺した」と、中国政府が発表した。しかし、香港の法輪功はこれを否定し、「女性ばかり少なくとも15人が当局の拷問で殺された」と抗議している。法輪功香港支部と、労働所側の見解は分かれている。


☆大阪府宗教連盟総会開く
6月22日、金光教泉尾教会(三宅龍雄教会長)の神徳館国際会議場において、大阪府宗教連盟(増田貞圓理事長)の平成13年度総会が開催され、同連盟を構成する神社本庁、教派神道連合会、全日本仏教会、キリスト教連合会、新宗連、諸派の代表と所轄庁である大阪府の代表ら約50人が参加、太田房江大阪府知事からは祝辞が寄せられた。
前年度決算や、本年度予算等を承認、続いて筑波大学名誉教授の荒木美智雄氏による基調講演が行われた。


☆初の黒人会長 米国ユニテリアン協会
6月23日、米国ボストンに本部を置く進歩的キリスト教系教団のUUA(ユニテリアン・ユニバーサリスト協会)は、クリーブランドで開催した年次総会で、ジョン・ビューレンズ会長の後任にウイリアム・シンクフォード師を選出した。高学歴でリベラルな白人富裕層主体で形成されている同派が、黒人(アフリカ系アメリカ人)を会長に選出するのは初めてのことであり、米国の宗教界から注目されている。


☆教皇のウクライナ訪問に100万人集う
6月23〜27日、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は、5日間ウクライナを訪問した。教皇はウクライナ語でミサを行い、「宗教における伝統の多様性が信仰の統一の妨げにならないように望む」と述べて、東方正教会(ロシア正教やウクライナ正教等)との和解を間接ながら求める態度を示したが、教皇即位以来、一貫してローマ・カトリック教会の東欧への拡大政策を採っているバチカンに対して、東方各正教会関係者は警戒の色を隠しきれない。

教皇ヨハネ・パウロ2世は26日、野外ミサ・列福式を行い、人口80万人のリボフに、教皇の姿を一目見ようと隣国ポーランドやハンガリーなどから信者ら100万人が押し寄せた。東欧のカトリック教徒は教皇を歓迎したが、訪問の主目的だったカトリック教会と東方正教会の「和解」は、ロシア正教会の反発で進まなかった。


☆日蓮宗がシカゴで50周年
6月24日、50周年を迎えたシカゴ日蓮仏教会(小山田和正主任)では、記念法要がボブ・スタッフ・シカゴ日蓮仏教会理事長、日本の僧侶、当地の会員ら約60人の集う中で行われ、創立者の故荒川要博師の遺徳を称え、荒川師の冥福と教会の発展を祈った。


☆大竹総長がハンセン病政策に公式謝罪 曹洞宗
6月25日、招集された曹洞宗の通常宗議会の総長演説で、大竹明彦宗務総長はハンセン病国家賠償訴訟の熊本判決と控訴を断念した首相の決断に理解を示すと共に、「あらためてすべてのハンセン病に関わった人々に、宗門として謝罪する」と公式に謝罪した。伝統教団の総長自身による公式謝罪は今回が初めて。


☆臨南寺にドーム型合葬墓
6月25日、大阪市東住吉区長居公園内の曹洞宗臨南寺(渡辺剛毅住職)にドーム型の「合葬墓」が完成した。「先祖代々の墓」にこだわらないなど墓に対する価値の多様化、都市部での墓地不足、継承者の問題などを考慮して建てられた。申し込みは生前契約(永代供養)が原則。(問い合せは 06-6698-1001 臨南寺まで)


☆四天王寺で初めてJLC会議を開催
6月25日、和宗総本山四天王寺本坊において第113回JLC会議(IARF日本連絡協議会)が開催された。本年度当番教団の金光教泉尾教会で開催されるべきであるが、本年中だけでも数回泉尾教会で開催されているので、「IARF運動への理解を広げる」との主旨で、初めて四天王寺を会場に借りてJLC会議が開催された。四天王寺からは吉田英哲管長ならびに瀧藤尊順総務部長の両師が臨席した。なお、レルネットの三宅善信代表は、今年度JLCの事務局長として、協議会の議長を務めた。


☆浄土宗挙げて参議院選へ
6月27日、7月の参議院選に自民党比例区から出馬している浄土宗僧侶、小泉顕雄氏(京都府薗部町教伝寺住職)の事務所開きが、京都市東山区の東大路通りに面した知恩院駐車場で執り行なわれ、教育改革と環境問題への取り組みを公約に掲げた小泉氏は、「仏教の心を政治・教育の中に反映したい」と決意を表明した。空前の国民的「小泉(総理)ブーム」にあやかって「当選は確実」と言われている小泉氏であるが、国政選挙への宗門を挙げての選挙の印象もあり、宗内からは一部批判も出ている。


☆ハンセン病で決議採択 曹洞宗
6月28日、曹洞宗宗議会では、最終日にあたるこの日、「ハンセン病患者及び元患者とその家族及び親族に対する謝罪と人権回復のための啓発活動に尽力することの決議文」が全会一致で採択された。この決議文をうけて人権擁護推進本部では、全国の療養所を訪問し、謝罪する方向。


☆ペット愛好家4割が遺影を飾り「供養」
6月28日に発表された調査によると、動物を飼っている人の40%が「ペットが死んだら遺影を飾って供養したい」と思い、20%が「自分の棺にペットとの写真を入れてほしい」と、フィルムメーカーのコニカが実施した首都圏のペット愛好家の意識調査からこんな結果が出た。


☆「魔女狩り」で400人死亡か コンゴのウガンダ軍支配地域
アフリカ中部コンゴ(旧ザイール)北東部の村々で6月半ば以降、「魔女狩り」で約400人が暴徒により殺害された疑いが浮上している。隣国ウガンダから伝えられたところによると、コンゴ北東部を支配しているウガンダ軍の当局者は、「これまでに394人が殺され、逃げ出した村人がウガンダ国内に流入している」と語った。
コンゴは今も内戦状態にあり、国際機関などによる公式の確認はないが、ウガンダ紙や英紙によると、虐殺が始まったのは6月15日。コンゴ北東部のアル地区の村で、ささいなきっかけからリンチに遭った男性が「魔術を使った」と"自白"。騒ぎが広まり、「魔術団」の摘発が始まったという。

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