■ 宗教界の動き ■


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7月前半の宗教界の動き (0107F)
小泉総理の「靖国参拝」発言にだけでなく、鈴木宗男代議士の「単一民族」発言には宗教界も抗議しました。

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☆英仏 教会一致へ歴史的な協定
7月1日、フランスの主流プロテスタント教会とアイルランド聖公会(英国国教会)の間で一致へ向かう歴史的な協定『リュイリー共同宣言』が成立、双方で調印式典が行われた。宣言は「共通の存在と使命」を双方が担うとともに「完全な目に見える一致」に向ってさらに歩みを進めることを約束している。


☆「単一民族」発言に東西本願寺が抗議声明
7月2日、札幌市で平沼赳夫経済産業相が、東京では鈴木宗男衆議院議員が相次いで「単一民族」発言を行ったことに対し、「日本における先住民族・少数民族の存在とその尊厳を否定するもの」とし、浄土真宗本願寺派北海道教区の基幹運動推進委員会と、真宗大谷派同和推進本部が、両氏と小泉首相宛てに抗議声明とメッセージを送付し、歴史認識や民族差別意識を厳しく問い質した。
また、本件に関連して、(社)北海道ウタリ協会の理事長交代にも波及し、8月末に南アフリカで開催される国連「反人種主義・差別撤廃会議」への同協会からの日本政府代表団人事(当初、外務省で検討されていた初のアイヌ代表の派遣中止)疑惑へも発展した。詳細は、『北海道:アイヌだけが先住民か


☆全日仏 新理事に石上本願寺派宗会議長
7月2日、全日本仏教会(会長=大谷鴨顯真宗大谷派門首)は、京都市下京区の本願寺聞法会館で評議員会・理事会を開催し、任期半ばで辞任した北條成之前理事長の後任に浄土真宗本願寺派の石上智康集会議長を選出した。石上理事長は会見で、小泉総理の靖国神社参拝問題については、「靖国問題の解決なくして日本の戦後は終らないという大きなテーマだ」とし、7月末の参院選については「全日仏としては(自民党の)候補者の推薦はしない」と、公明党の政権入りを問題ありとする立場を堅持することも示した。


☆タイの高僧 政府に金約700kgを寄贈
7月2日、タイの高僧マハ・ブア(Luang Ta Maha Bua)師が、政府の財源を支援するため金687.4kgを寄贈した。贈呈式典に望んだマハ・ブア師は、タイ中央銀行のプリディヤトーン総裁に、金の延べ棒55本(約600万ドルに相当)と30万ドルの小切手を手渡した。 合計で約8億円に相当する。
1997年7月2日にタイの通貨バーツが管理変動相場制に移行したことによって、同国や東南アジア各国の経済危機の引き金となったが、それ以来マハ・ブア師は、一般市民から現金や貴金属類の寄付を募ってきた。


☆中東で宗教指導者が極秘交渉
7月4日付の英紙『ガーディアン』は、「イスラエルとパレスチナの宗教指導者が両国およびユダヤ教とイスラム教の平和共存を目指し、極秘に交渉を続けている」と報じた。この交渉はかつてのイスラエル政府とPLO(パレスチナ解放機構)の直接交渉の糸口を作った北欧オスロでの交渉と同様、欧州のある国が仲介役となり、エルサレムあるいは両国以外の場所で行われている。


☆中国政府 法輪功信者の「集団自殺」を確認
7月5日、中国外務省の章啓月報道局副局長は、この日の定例会見で「黒竜江省ハルビン市の矯正労働施設で6月21日、収容されていた気功集団法輪功の女性メンバーによる"集団自殺"事件があった」ことを確認した。同副局長は「13人がシーツで首つり自殺を図り、3人が死亡した」と述べた。 


☆都宗連 環境問題で東京都と意見交換
7月6日、東京都宗教連盟(黒澤国雄理事長)は、東京・代々木の新宗連会館で定例理事会を開催し、廃棄物の焼却の規制が厳しくなる中、神社や寺院のお札・お守り・塔婆などの焚き上げのあり方について東京都の担当者と意見を交換した。


☆韓国人軍属遺児 靖国合祀取り下げを訴え
7月7日、都内で開かれたキリスト者や真宗者、市民の平和遺族会の集会で、「旧日本軍に徴用され、戦死した知らせも伝えられず、勝手に靖国神社に合祀したのは許せない」と日本政府に対し合祀取り下げ、廃止を求めている韓国の軍属遺児の婦人が、合祀取り下げに至った心境を訴えた。集会では、靖国問題を通した政教分離、首相の靖国参拝に強く反対する姿勢を打ち出した。


☆東西本願寺の有志が京都市内をデモ行進
7月8日、真宗大谷派と浄土真宗本願寺の僧侶有志らが、京都市内をデモ行進し、小泉総理や閣僚の靖国神社参拝や『新しい歴史教科書』の教科書検定採択に対して反対をアピールした。両派の僧侶でつくる「東西本願寺を結ぶ非戦平和共同行動委員会」や、浄土真宗本願寺派反靖国連帯会議、真宗大谷派反靖国全国連絡会、同派非武装平和を願う会、真宗遺族会の5団体と、宗門校の大谷大学・龍谷大学の真宗学科の学生ら約100人が参加した。


☆新宗連 小泉首相に「靖国神社参拝発言」で意見書
7月9日、新宗連(新日本宗教団体連合会)の深田充啓理事長(円応教教主)や同連盟の有力加盟教団である立正佼成会の酒井教雄理事長らは、首相官邸に福田内閣官房長官を訪ね、小泉純一郎内閣総理大臣あての『靖国神社参拝発言に対する意見書』を手渡した。意見書は、「公式参拝」が日本国憲法に定める信教の自由・政教分離の原則に反するとの見解を表明、首相に「公式参拝」を行わないよう求めている。


☆中国で地下教会司祭16人逮捕
7月10日、中国南東部の江西省で、非合法の地下カトリック教会(共産党政府公認の「愛国教会」とは逆の立場を取るバチカン直系のカトリック教会)の司祭16人が警察に逮捕された。このところ、地下教会メンバーに、政府公認の「愛国教会」に加入するよう圧力が強まっている。


☆全日仏 閣僚の靖国公式参拝中止を要請
7月11日、全日本仏教会(石上智康理事長)は、東京・永田町の自民党本部を訪れ、担当者を通じて『首相及び閣僚の靖国神社公式参拝中止の要請』書を小泉総理大臣あてに送った。要請書は靖国問題に対する全日仏の基本姿勢を示しながら、首相や閣僚の公式参拝は「信教の自由」「政教分離」に違反するとしている。


☆米大統領が香港行政長官に中国当局の弾圧懸念
7月11日、ブッシュ米国大統領は、訪米した香港の董建華行政長官と会談し、中国当局による宗教活動への厳しい取り締まりや、気功集団「法輪功」に対する抑圧が香港にも及ぶ可能性に懸念を表明した。


☆大本 軽費老人ホーム・ケアハウス建設へ
7月11日、高齢化社会に対応する公益事業として軽費老人ホーム・ケアハウス開設へ向けて目下取り組みを進めている大本(奥田宗弘本部長)は、申請していた社会福祉法人「このはな」の設立認可を府知事から受けた。施設内には礼拝所を設け、死を前向きに捉えて信仰的雰囲気の中で安心して暮せるよう運営を図っていく方針。


☆創価学会の会館駐車場に火炎瓶
7月14日未明、創価学会尼崎文化会館(兵庫県尼崎市名神町)の駐車場で、火炎瓶のようなものが燃えているのを通りかかった学生が発見。会館警備員が消火器で消し止め、けが人や同会館への被害はなかった。 


☆妙智曾 千鳥が淵墓苑で盂蘭盆法要厳修
7月14日、妙智曾教団(宮本丈靖会長)は、東京・代々木の教団本部と千鳥が淵戦没者墓苑で盂蘭盆法要を厳修した。本部盂蘭盆法要には首都圏の支部長と役員のみが出席し、千鳥が淵戦没者墓苑には関東近郊の信者ら3,000人以上が参拝した。


☆金光教泉尾教会 介護問題をテーマに婦人大会
7月15日、金光教泉尾教会(三宅龍雄教会長・大阪市大正区三)は、同教会で開催された創立73年婦人大会において、「痴呆症の妻の介護をしたい」と任期途中で市長を辞任し、話題となった元高槻市長の江村利雄氏を招いた。。講演では江村氏の個人的体験を踏まえ、介護について行政がどうあるべきかなどについて話された。

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