■ 宗教界の動き ■


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8月前半の宗教界の動き (0108F)
小泉首相の「靖国参拝」問題が、内外で大きな波紋を呼びました。

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☆ヒトES細胞研究指針 大本が政府に反対声明
8月1日、脳死臓器移植や遺伝子操作など生命倫理問題に積極的に取り組んでいる大本(出口紅教主)は、政府が人間のES細胞(あらゆる臓器に生成しうる「万能細胞」とも呼ばれるヒトの胚性幹細胞)研究を事実上解禁する指針をまとめようとしていることに対し、小泉首相宛の「『ヒトES細胞研究解禁』に対する反対声明」を松田達夫事務局長が内閣参事官に手渡した。


☆世界平和を祈念しPL花火芸術

8月1日、大阪府富田林市のパーフェクトリバティー教団(御木貴日止教主)は、戦争による犠牲者の御霊に慰霊を捧げ、世界恒久の平和を祈願する大平和祈念塔年祭、世界平和拾来を祈念する教祖祭を挙行し、続いて約12万発の「PL花火芸術」が行われた。


☆アラファト議長が教皇と会談
8月2日、レスチナ自治政府のアラファト議長は、訪問先のローマでベルルスコーニ・イタリア首相、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世と会談した。議長はイスラエルとの衝突の拡大を防ぐため、国際調査委員会が勧告した国際監視部隊派遣への支持を求めた。


☆天台宗 世界平和の祈りの集い開催
8月4日、比叡山宗教サミット14周年「世界平和の祈りの集い」が、比叡山延暦寺(滋賀県大津市)で開催された。日本の宗教指導者が宗派を超えて祈りを捧げ、恒久平和へ向けての責務を再確認した。「平和を語る」と題して講演した広瀬静水・人類愛善会名誉会長は「宗教者の最大の使命は、人類普遍の倫理の確立である」と訴えた。レルネットの三宅善信代表も参加した。


諸宗教の代表が登壇して平和の祈りを行った

☆「生長の家」元事務局長に実刑判決
8月4日、生長の家茨城県教化部の銀行口座から現金約1,900万円を引き出し着服したとして、業務上横領の罪に問われた同県教化部の元事務局長蔵野孝久被告に対する判決公判が水戸地裁で開かれ、「贅沢したいという動機に酌量の余地はない。信者の信頼を裏切り、犯行は悪質」として、懲役3年の実刑判決を言い渡たされた。


☆タリバンがNGOの24人を拘束
8月5日、アフガニスタンを実効支配しているイスラム原理主義勢力タリバン政権は、「キリスト教を布教した」として、難民支援のNGO「シェルター・ナウ・インターナショナル」のメンバー24人を拘束、事務所を閉鎖した。タリバンの日刊紙によると、「外国人8人は死刑を免れ国外追放されるが、アフガン人16人は、イスラム法に基づいて死刑になる可能性がある」という。


☆曹洞宗が「京都議定書」で首相へ意見書

8月6日、地球環境保全のため「グリーンプラン」を宗門として推進している曹洞宗は、ドイツで開かれたCOP6再開会合で先進国の温暖化ガス削減量等を定めた『京都議定書』が発効されなかったことに関して、小泉首相はじめ関係大臣に意見書を送付した。


☆マロン派100人以上を逮捕 レバノン
8月7日、レバノン治安当局は、国内に駐留するシリア軍の撤退を求めているマロン派キリスト教者の一部が「無許可で集会を開いた」などとして、100人以上を逮捕、11日までに拘束者は250人以上に達した。


☆辯天宗で万燈会花火大会

8月8日、辯天宗(大森慈祥管長)総本部(大阪府茨木市)で「万燈会大法要」が行われ、高校野球で有名な智辯学園のブラスバントによる演奏や婦人部の奉納踊りや13万人の人出で賑わった「奉納花火大会」が行われた。レルネットの三宅善信代表も公式に招待されて参列した。


☆米大統領 ヒト万能細胞研究に連邦予算出仕認める
8月9日、ブッシュ米大統領は、「万能細胞」とも呼ばれるヒトの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)の研究に、2億5千万ドル(約380億円)の連邦予算支出を認めることを明らかにした。ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が7月に大統領と会談した際に、ES細胞を使った研究の禁止を求めていたのを退けたことになり、米カトリック司教会議のジョセフ・フィオレンツァ会長は不快感を示している。


☆北朝鮮 靖国参拝を「軍国主義」と非難
8月9日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の『労働新聞』は、社説で、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題について、「靖国神社参拝は、日本社会に軍国主義の思想を吹き込み、国民に侵略戦争を呼び掛けることを目的としたものだ」と非難した。


☆中国 いかなる形の靖国神社参拝にも反対
8月13日、中国外交部は、小泉首相の靖国神社参拝に対して、「いかなる形であれ、日本の指導者による靖国神社参拝に反対する」との立場を表明した。


☆韓国「深い遺憾の意」を表明
8月13日、韓国の外交通商省は、小泉首相が、韓国政府の度重なる中止要請にもかかわらず、靖国神社を参拝したことに対し、「深い遺憾の意」を表明した。


☆台湾「未来志向」を強調
8月13日、中華民国(台湾)外交部は、小泉首相の靖国神社参拝に対して、中国や韓国よりも日本政府に配慮した表現で「未来志向の視野に立って近隣諸国との友好協力関係を推進し、域内の自由と平和、安定と繁栄に向けて共に貢献するよう」求めた。


☆靖国参拝で東・西本願寺と真宗教団連合が抗議
8月13日、この日、小泉首相が靖国神社を参拝したことに対し、真宗大谷派(東本願寺)と浄土真宗本願寺派(西本願寺)と真宗教団連合の3団体が、「憲法に反する行為」として、相次いで抗議声明文を発表した。3団体は、参拝を公言していた首相に対し、事前に参拝中止を要請していた。


☆韓国の暴力団員20人が小指を切断
8月13日、韓国ソウルの独立門前で、同国の暴力団員の男20人が、小泉首相の靖国神社参拝に抗議し、小指を切り落とした。


☆「熟慮に熟慮を重ねた結果」と小泉首相
8月13日、小泉首相は、当初予定していた終戦記念日の8月15日から、13日に前倒しして靖国神社を参拝したことについて、「虚心担懐にいろいろな方の話を伺い、熟慮に熟慮を重ねた結果、今日(13日)がいいと判断した」と参拝後、記者団に述べた。また、「公式参拝か? 私的な参拝か?」との記者団のワンパターンの質問に対し、「公式、私的にはこだわらず、総理大臣小泉純一郎として参拝した」と答えた。



靖国神社に昇殿参拝する小泉純一郎総理

☆ヘビメタ・カルト集団の生徒らを治療 マレーシア当局
8月14日から、マレーシア当局は、悪魔崇拝のヘビーメタル音楽を愛好するカルト集団「ブラック・メタル」のメンバーと見られる15校の生徒150人を対象に、麻薬中毒者の治療プログラムを実施する。


☆新宗連 千鳥が淵で式典
8月14日、総理大臣の靖国参拝に反対している新日本宗教団体連合会(新宗連:深田充啓理事長)と新日本宗教青年会連盟(力久道臣委員長)は、靖国神社に隣接する国立千鳥が淵戦没者墓苑で、「第36回戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典」を開催、加盟教団の青年信徒ら約3,000人が参列し、信教の自由と平和を誓い、祈りを捧げた。


☆金大統領 光復節で日本への失望感を表明
8月15日、韓国の金大中大統領は、日本からの「解放」を記念する「光復節」の演説で、13日の小泉首相の靖国神社参拝を踏まえ、「過去にわれわれに与えた多くの痛みを忘れ、無視しようとする人々と、どうして友好関係を結び、将来的に信頼関係を築くことができるのか」と語った。


☆異様な興奮の中、人出倍増の靖国神社
8月15日、小泉首相の「靖国神社公式参拝」発言で例年以上の話題を呼んだ靖国神社は、この日、平年の2倍の人が訪れた。神社を警備する制服警官と、無線で絶え間なく連絡を取るスーツ姿の私服警官が厳重な警戒態勢を敷き、物々しい空気を漂わせ、海外メディアや民放各社・NHKが参拝者の声を集めていた。靖国通りでは若者たちと、首相の公式参拝に抗議するグループが衝突した。警察を合わせ400人ほどがひしめき、機動隊が投入されれる騒ぎとなった。


☆千鳥が淵から本門寺まで平和祈念行脚
8月15日、千鳥が淵墓苑で行われた「第57回忌戦没者追善並びに世界立正平和祈願法要」の終了後、日蓮宗東京南部青年会と日本山妙法寺の僧侶・檀信徒ら約60名による平和祈念行脚が行われ、千鳥が淵墓苑から池上本門寺まで題目を唱え、平和を祈念しながら徒歩で行進した。


☆故マザー・テレサを福者・聖人に列する正式手続き開始
8月15日、ローマカトリック教会のカルカッタ司教区の特別委員会が、インドのカルカッタで重病や貧困に苦しむ人々の救済に努めた「死を待つ人々の家」の創設者で、ノーベル平和賞受賞者の修道女、故マザー・テレサ(1997年没)の活動をまとめた報告書の編纂を終えたことに伴い、ローマ教皇庁(バチカン)はカトリック教会の福者・聖人に列するための正式な手続きを始める。
列福・列聖には通常、対象者の死後数十年かかるが、故マザー・テレサの献身的活動は生前から世界中の尊敬を集めてきたため、教皇ヨハネ・パウロ2世は99年に手続きを早める特例を認めた。列福は早ければ来年中にも実現する見込み。マザー・テレサは1910年、オスマン・トルコ統治下のマケドニアのアルバニア人家庭に生まれ、18歳で修道女となってカルカッタに派遣された。79年にノーベル平和賞を受賞した。


☆大本 公用車にハイブリッドカー
大本(出口紅教主)では8月上旬、環境保全の見地から教主用の公用車にハイブリッドカー「プリウス」(トヨタ)を初めて導入、亀岡・綾部の両聖地間の移動等に既に使用している。教団では順次、公用車の買い替えの際に導入を図る考え。

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