■ 宗教界の動き ■

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11月前半の宗教界の動き (0111F)

アフガニスタンを巡る攻防が活発化してきました。

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☆「靖国参拝は違憲」・遺族らが首相など提訴
11月1日、小泉純一郎首相が今夏、靖国神社を参拝したのは「憲法第20条が禁止する宗教的活動に当たる」などとして、日本人戦没者遺族や韓国在住の日本軍に徴用された元軍人・軍属の遺族、在日中国人らが、国・首相・靖国神社を相手取り、違憲確認や将来にわたる参拝の差し止めと慰謝料を求める訴訟を起こした。これに対し、小泉首相は「話しにならない」と批判。これを受け、原告団は7日、首相や福田官房長官に対し、「裁判を受ける権利の侵害」として、謝罪を求める抗議声名を首相官邸に送った。


☆大谷派・祖廟参拝裁判 宗派が控訴へ
11月1日、故大谷光暢前門首の四男で、真宗大谷派に僧籍のない大谷光道(暢道)師が、宗派が管理する大谷祖廟(京都市東山区)内の大谷家墓地への参拝を求めていた「門扉開錠等請求事件」の判決が、京都地裁で言い渡され、光道師の参拝は1年に3回と日数制限付きで認められた(光道師側の実質的勝訴)が、同判決を不服として宗派は14日、大阪高裁へ控訴した。


☆アラブ連盟は、「聖戦」呼びかけを拒否
11月3日、9月11日に米国で起きた「同時多発テロ事件」の首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏が、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラで放映されたビデオメッセージで、全世界のイスラム教徒に、「欧米諸国との『ジハード(聖戦)』に参加するよう」呼びかけたが、4日、アフリカ・中東地域の22カ国が加盟する「アラブ連盟」のムーサ事務局長は、「ビンラディン氏は、アラブ人やイスラム教徒の代弁者ではない」と述べ、この呼びかけを拒否する姿勢を強調した。


☆真如苑「一如まつり」を開催
11月3・4日の2日間、真如苑(伊藤真聰苑主)は、伊藤苑主の導師により、「一如まつり」を催行した。大祭の模様は全国70カ所に衛星中継され、東京立川市の総本部には両日併せて約3万人の教徒が参拝した。


☆日蓮宗妙見閣寺が「統合学術国際研究所」設立へ
11月8日、毎夏、大阪で開催される『国際永久平和祈念祭典』を実質的に運営している日蓮宗妙見閣寺(竹内日祥住職、大阪市旭区)は、明年、様々な学問分野の知の統合の可能性を研究する『統合学術国際研究所』を開設することを発表した。所長には、ライプニッツの研究家である池田善昭立命館大学教授の就任が内定している他、哲学・生物学等の各分野の第一人者が参加する本格的な研究機関を目指している。なお、この日、開催された『国際永久平和祈念祭典』には、レルネットの三宅善信代表も招かれて参列した。


☆西郊良光師が天台宗総長選で無投票当選
11月8日、任期満了に伴う天台宗宗務総長選挙は、午後4時半で立候補届出が締め切られた。立候補したのは現宗議会議長の西郊良光師(60)の1人のみで、同氏の無投票当選が事実上決まった。28日に選挙会が開かれ、当選が確定する。


☆霊視商法の明覚寺が任意解散を申請
11月10日、「霊視商法事件」として騒がれた和歌山県の宗教法人「明覚寺」が、9月に文化庁に任意解散を申請し、受理されたことが判明した。手続きに問題がなければ受理から3カ月以内に解散が認証される。


☆宗教倫理学会 「エコロジーと宗教」で討論
11月11日、昨年12月に発足した宗教倫理学会(瓜生津隆真会長)の第2回学術大会(学会)が、『エコロジーと宗教』をテーマに京都市で開かれ、7つの研究発表の他、一般公開で特別講演とパネル討論が行われた。宗教内部にいると、とかく陥りがちな宗教万能的な考えに対して、環境問題について宗教の可能性を限定的に捉える発言が目立った。なお、本学会の会員でもあるレルネットの三宅善信代表も出席した。


☆PTSDに仏教は無力か?
11月14日、激動変化する現代社会に惹起してきた「心」の問題に対して、「仏教は何ができるのか?」を問うシンポジウムが、大阪府仏教徒大会で行われた。阪神淡路大震災、大阪教育大学付属池田小学校児童殺傷事件、米国同時テロ等、ショッキングな事件報道の中でしばしば取り上げらるようになったPTSD(心的外傷後ストレス障害)について、パネリストの臨床心理学者、実践運動家から正確な知識の他、地域に密接した寺院・僧侶に対する提言が示された。


☆ラマダンを前にサウジ政府が扇動的な説教自粛を要請
11月14日、サウジアラビアのアブドラ皇太子(政治の実務上の最高責任者)は、16日から始まるラマダン(イスラム教の断食月)を前に、国内の宗教指導者に対して「反米色の強い扇動的な説教を控えるよう」強く求めた。イスラム原理主義国家であるサウジアラビアは、ウサマ・ビンラディン氏の出身国であり、同氏の支持者も少なくないとされるが、一方で、現王室は、その独裁権力の軍事的保証をアメリカ政府から受けることによって安定しており、当局は、イスラム指導者の説教が「反米」、「ビンラディン支持」の感情を煽ることを懸念している。


☆人道支援の活動家救出
11月14日、米国防総省当局者は、アフガニスタンの法律で禁じられているキリスト教布教活動をしたとして、タリバン政権に逮捕されていたドイツの非政府救援組織(NGO)「シェルター・ナウ・インターナショナル」の外国人活動家8人らを、アフガニスタン国内の監禁場所から米軍特殊部隊が同日救出したことを明らかにした。

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