■ 宗教界の動き ■


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11月前半の宗教界の動き (9911F)
「死」の問題が、数多く話題に登りました。

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☆日弁連、団体規制法案の危険性指摘

11月2日、日本弁護士連合会の小堀樹会長は、「無差別大量殺人行為を行なった団体の規制に関する法律案(団体規制法案)」が国会に上程されたことに関し、「憲法上の重要な問題点を含んでいる」と述べ、オウム真理教や、若者がカルトに惹かれる危険性についての理解の不充分さを指摘した。


☆四天王寺ワッソ 開催

11月3日、第10回「四天王寺ワッソ」が行なわれた。古代の日本と東アジアの友好と文化交流の歴史を時代絵巻風に再現し、沿道に集まった約50万人の目を楽しませた。開会式には金大中(キム・デジュン)大統領から、「この祭りが『文化の世紀』となる21世紀を前に、両国関係の歴史と発展を見渡す契機となるように」とのメッセージが披露された。


☆第3回国際代替医療シンポジウム

11月3日、京都で、人と人とのつながりなどから自然治癒力を引き出す「代替医療」のシンポジウムが開催された。宗教的背景のない手かざし療法の実践や、生きがい療法、笑いによる免疫機能の向上などについて、国内外から報告があった。わが国でもターミナルケア、ホスピス活動が定着しつつあるが、今後、代替医療も、その将来性が期待されている。


☆一如まつり開催

 11月3・4日、真如苑では、毎秋恒例の「一如まつり」を執り行い、両日で約30,000人の信徒が参列、一年の精進を仏前に奉告した。


☆韓国圓佛教の元老首位団、泉尾教会訪問

 11月4日、韓国圓佛教の元老首位団員、金仁(キム・インチョル)師が金光教泉尾教会を訪問し、日韓宗教者対話の実現に功績のあった、故三宅歳雄教会長の霊前に弔意を表した。

☆崇教真光、立教40周年大祭

 11月3・5・7・9日、崇教真光は、立教40周年秋季大祭を執行した。同教団は、1959年、救い主・岡田光玉師によって立教され、現在、世界75カ国に広がっている。大祭では、岡田恵珠教え主が、「崇教真光の目的は、諸宗教協力による人類の平和に貢献することである」と説いた。


☆新宗連、ニューメディアセミナー

11月5日、新宗連の第2回ニューメディアセミナーが「宗教のインターネット利用」をテーマに開かれ、「バーチャル参拝」や「バーチャル墓参」が紹介された。


☆中村元博士の本葬営まれる

11月6日、先月10日に86歳で亡くなったインド学・仏教学の権威で文化勲章受章者の中村元東方学院長(東京大学名誉教授)の本葬(東方学院葬)が、築地本願寺で営まれた。浄土真宗本願寺派門主夫妻・東京大学総長・駐日インド大使ら、仏教界・学術界・アジア諸国関係者などから1,300人が参列し、故人に別れを告げた。


☆脳死臓器移植反対署名活動

11月6日、大本(奥田弘本部長)は、開祖大会を開催。席上、10月1日から展開している脳死臓器移植反対の署名活動が、36万人を突破したことが報告された。


☆念法眞教教団、報恩法要

11月11日、念法眞教教団(小暮霊現燈主)は、現世界極楽浄土建設を祈り、聖火法要・採燈護摩をおこない、初代燈主の恩師霊生院への報恩感謝法要を厳修した。


☆池田SGI会長に100個目の名誉市民称号

11月11日、ブラジル・ベレン市から、池田大作創価学会インタナショナル(SGI)会長に「名誉市民」の称号が贈られる式典が開かれた。池田氏が世界各国の都市から名誉市民の称号を受けるのは100個目となった。


☆ご即位十年奉祝国民祭典

 11月12日、政府主催の「天皇陛下の御即位十年を祝う国民祭典」が皇居前広場で開催された。小渕恵三首相、トーマス・S・フォーリー駐日アメリカ大使はじめ、各界の著名人が祝意を表し、国歌「君が代」を斉唱し、若手の歌手も参加して奉祝コンサートが行なわれた。


☆ライフスペースがらみのミイラ化遺体発見

 11月12日、成田空港に近いホテルの一室で、ミイラ化した男性の遺体が発見され、4ヶ月間、遺体と共に生活していた女性(遺体の男性の未亡人)と男性(同長男)が、警察に連行された。同ホテルには「ライフスペース」というカルト集団(自称は「自己啓発セミナー」)の中心的メンバーが多数生活しており、同教団の指導者高橋グルの教え「ミイラは必ず生き返る」を実践していたものと見られる。


☆ご即位十年記念の臨時祭

 11月12日、伊勢の神宮(久邇邦明大宮司)では、臨時祭を厳修した。昭和天皇のご即位60年の際の臨時祭に準じて斎行されたもの。


☆「インターネットと宗教」シンポジウム

11月12日、(財)国際宗教研究所の主催で、「インターネットと宗教」をテーマに公開シンポジウムが開かれた。弁護士や大学教授、そして宗教界からは、浄土真宗、カトリック、真如苑などからパネリストが参加し、関心のある人が気軽にアクセスできる利点や、文化が均質化してしまう危険性について指摘された。また、インターネット社会に対応するための、組織としての迅速な意思決定の必要性が指摘された。


☆葬式仏教を擁護

 11月12日、大阪府宗務所(八木道雄宗務所長)は、現職研修を開催した。加地伸行甲子園短期大学学長が、「仏教と儒教―臓器移植の問題点―」と題して、講義を行ない、「日本人の風土・文化に応えてきた、先祖供養の葬式仏教のどこが悪いのか」と断じた。


☆東方研究会緊急理事会

11月13日、(財)東方研究会は、故中村元前理事長の後任に、洛子夫人を選出した。また、前田専学理事が常務理事に、三枝充悳氏が東方学院長に就任した。三枝氏は、「充実した学問の場でありたい」と、抱負を語った。


☆日本人の死に方を考える

11月13日、大阪市天王寺区の浄土宗應典院(秋田光彦住職)で、臓器移植のコーディネーターや、大学教授などが参加して、臓器移植問題や介護保健・実りある老後について考える討論会が開かれ、白熱した議論が行なわれた。


☆国際観音フェスティバル開催

11月14日、大船観音寺(渡辺剛毅住職)で、スリランカ、中国、ミャンマーなど5カ国の僧侶を招いて、フェスティバルが開かれた。悩みを抱えて同寺を訪れる在日外国人が増えたため、母国の僧侶に母国語で適切なアドバイスが受けられるようにと、企画された。当日は、各国語での法要や民族舞踊、バザーなどが行われた。


☆妙智会、大恩師法会を厳修

11月14日、妙智会教団(宮本丈靖会長)は、7,000人以上の参列のもと、宮本孝平大恩師の法会を執り行い、また、新支部・新役員の任命式を行なった。


☆韓国曹渓宗新総務院長選出

11月15日、紛争が再燃している韓国最大の仏教宗派曹渓(チョゲ)宗は、先にソウル地裁が杲山(コサン)総務院長の無資格判決を下したのに伴ない、主流派の総務院側が、中央宗会議員の正大(チョンデ)氏を新総務院長に選出。これに対し、反対派の浄化改革会議は、同選挙の無効を求める訴訟を準備中とも伝えられている


☆真言宗大覚寺派、新宗務総長選任

 11月15日、真言宗大覚寺派の新宗務総長を選定する臨時宗会が開かれ、3人が推薦されたが、話し合いによって坂口博之氏が選定された。


☆立正佼成会、報恩感謝の日

 11月15日、故庭野日敬開祖の誕生日にあたるこの日、立正佼成会では、「開祖さま、報恩感謝の集い」を行ない、開祖の偉業を偲ぶと共に、新たなる報恩行を誓った。


☆臨界事故で緊急集会

11月15日、「原子力行政を問い直す宗教者の会」(事務局=願船寺 藤井学昭 師)は、緊急集会を開き、翌16日には、科学技術庁、通産省、労働省に対し、安全対策の徹底や原発行政の転換を求める緊急申し入れを行なった。同会はこれまでにも原子力政策の転換を求めてきた。

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