佐藤優氏と小川和久氏は神学部の宝? 


02年5月28日


 レルネットの三宅善信代表は、5月22日、大学コンソーシアム京都(京都市下京区)で開催された「宗教倫理学会」の2002年度の第2回研究会『コスモスとしての身体――エコロジーと宗教――』に出席した。

 同学会は、関西在住の研究者を中心に2年前に結成された「若い学会」であるが、クローン問題やヒトES細胞問題などの先端分野における宗教側からの積極的な提言を行い、各方面から注目を集めている。中でも、昨年から始まった研究会シリーズは、三宅代表のハーバード大学世界宗教研究所の「先輩」である澤井義次天理大学教授をモデレータとして運営されている。

 今回(5月22日)の研究集会では、大谷大学の宮下晴輝教授が『仏教の身体論――衆生の身体と生態系の身体――』と題して、興味深い議論が展開された。三宅代表は、同学会の(2001年度第2回)研究会において、昨年8月9日に、『「天地の間」という自然観:遺体から遺伝子まで』と題した研究発表を行っている。

 この日の研究会で同席した同志社大学経済学部の落合仁司教授と三宅代表は、「同志社以外の大学の神学部は、ほとんど牧師や神父といったキリスト教関係者しか輩出していないが、同志社の神学部は、現在話題に上っている外務省の佐藤優氏や軍事アナリストの小川和久氏など、宗教界以外で大活躍する人材 (他のも、かつて「フォークの神様」と呼ばれた岡林信康氏や、知的障害者施設「止揚学園」の創設者福井達雨氏など) をかなり輩出しており、ある意味で、小川・佐藤の両氏は神学部の宝である」という点で、意気投合した。

 落合仁司教授は、経済学部に身を置きながら、「ギリシャ正教における神の概念を集合論で考察する数理神学」を展開するなど、ユニークな研究者であり、今回、佐藤氏逮捕の直接の容疑となったテルアビブでの専門家会議に出席していた国立研究機関のA教授とも、東京大学の大学院時代を共に過ごした仲である。


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