食品添加物にこそ注目を
     02年07月05日
   三阪和弘 (神戸大学大学院国際協力研究科)

 食品の包装に賞味期限が記されていることは周知の事実である。そして、その賞味期限が、保存状況等の要因に依存しており、一概に断定できないことも、三宅氏が指摘(『賞味期限って誰が決めた』へ飛べるように)された通りである。

 筆者は賞味期限について、ここでこれ以上ふれるつもりはない。というのは、第1に、賞味期限については既に三宅氏がふれられている、第2に、既に多くの消費者が商品の購入時に気をつかっている、第3に、人体に与える影響が致命的になることは少ない、という理由からである。

 筆者がここで問題にしたいのは、むしろ、食品の包装に賞味期限とともに表示されている原材料表示の方である。

 ここ数年、環境ホルモン等のマスコミ報道で、消費者の化学物質に対する関心は高まったように思われる。しかし、食品の購入時、一体どれだけの人々が原材料表示を見て購入しているだろうか。筆者の予想では、賞味期限は注意して見ることはあっても、原材料表示まで気にする人は少数派であると思うのだが、いかがだろうか。

 原材料表示を注意して見る必要があるのは、そこに人体に致命的な悪影響を及ぼす可能性のある化学物質が含まれているからであり、それを知らずに摂取し続けると、取り返しのつかないことになる危険性があるからである。

 以下、上記の内容を念頭に置きながら、危険な食品添加物に注目して頂きたい。以下の内容は、主に、渡辺雄二(1999)『食品添加物危険度事典』KKベストセラーズを参考にしている。

 極力避けるべきもの
1.OPP、OPP-Na(含まれる食品)・・・レモン、グレープフルーツ、オレンジ (用途)・・・防カビ剤
2.TBZ (含まれる食品)・・・レモン、グレープフルーツ、オレンジ、バナナ (用途)・・・防カビ剤
3.ジェフェニル (含まれる食品)・・・レモン、グレープフルーツ、オレンジ (用途)・・・防カビ剤
4.イマザリル(含まれる食品)・・・レモン、グレープフルーツ、オレンジ、バナナ(用途)・・・防カビ剤
5.過酸化水素(含まれる食品)・・・かずのこ (用途)・・・漂白剤
6.亜硝酸ナトリウム(含まれる食品)・・・ハム、ウィンナー、ベーコン等(用途)・・・発色剤
7.赤色2号(含まれる食品)・・・氷菓、清涼飲料水等(用途)・・・着色料
8.BHA(含まれる食品)・・・パーム原料油(用途)・・・酸化防止剤

 次に、できるだけ避けるべきものを列挙していくが、それらは相当数に上るため、用途のみ記すに留める。

9.保存料(11種)
10.漂白剤(6種)
11.発色剤(2種)
12.着色料(11種)
13.酸化防止剤(3種)
14.甘味料(3種)

 以上、簡単に食品に含まれる危険な化学物質についてふれてきた。これらを見てもわかるように、その数は膨大である。はっきり言ってしまうと、化学物質は避けようがないのかもしれない。しかし、意識の中で危険度を察知しているのとしていないのとでは、食品の選択の際、異なることだけは確かであろう。

 昨今のマスコミ報道を見ていると、食品メーカーの不正表示の話題が多いことが非常に気がかりである。ただでさえ、危険な食品が氾濫しているのに、その上さらに不正表示までされると、消費者は何を信じて良いのか分からなくなってしまう。消費者として、危険な化学物質を避けるという「賢い消費者」になる義務・責任はあるのかもしれないが、それとて、正確な表示があってこそのなせる業である。

 多くのことに共通して言えることだが、上記の化学物質の扱いについても、海外からの政治的な圧力が関係しているようである。一例としては、かつての牛肉・オレンジの輸入自由化等を想像して頂きたい。

 政府・官僚は危険度を把握しておきながら、時としてそれを軽視しがちである。(薬害エイズ、ヤコブ病、狂牛病も同様)我々は賢い消費者となり、自らの身の安全を守るとともに、様々なルートを通じて、政府・官僚・企業等にはたらきかけていく必要があるだろう。

 三宅氏のホームページもその一環になれば、幸いであると思っている。


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