世界人として生きる
00年09月15日
丹下 学
▽ 21世紀に向かって

出会い とは摩訶不思議なものです。日本の諺にそで振り合うも他生の縁と申しまして、友好
親善をうながすものがあります。英語では Even a chance acquaintance is decreed by des
tiny. というそうですが、今この摩訶不思議な ”出会いという現象 ”がグローバルにもローカル
にもあらゆるレベルで頻発しているように思われるこの頃なのです。世界の平和も、日本の未
来も、個人の運命もまさに一つ一つの有機体のようにそれぞれに組織され、連動し、破壊と創
造を繰り返しています。今回は21世紀に向かって地球という惑星が我々人類によってこれから
どのように変わって行くのか考える為の一つのきっかけを作りたい・・・そんな思いをつづってみ
ました。
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▽ 世界の平和 を考える

ワールド・ピース!! 何と素晴らしい言葉、響きでありましょうか。 私はここから世界中の人が
手を取り合い、肩を抱き合って、 お互い幸せに笑ってすごせる一瞬一瞬が想起して来ます。
ほのぼのとした喜びの感情までもが湧いて来るのを感じるのです。ワールド・ピース・・私にとって
それは、冬から春になる時のぽかぽかとしたあたたかさにも似た気分であったり、何かずっと昔
から知っているような・・・・・・懐かしさを持つ実在とでもいいましようか・・・・・そうですね、なくした
大切な宝物を見つけたようなものであると言った方がより適切な表現かもわかりません。

ワールド・ピース・・・日本語では世界平和、ヘブライ語ではシャローム、アラビア語ではサラーム、
ヒンデイー語ではシャンティーというそうですね。私はワールド・ピースは古今を問わず我々人類
が求めてやまない憧れであり、最大目標だと思っています。

大聖キリストが言った神の王国-地上天国も、釈尊の言ったみろくの世もその意味に他ならない
のでありましょうし、現実に世界平和とは幸福者の集まる人類理想の世界の姿であるに違いないと
思うのです。


▽『 病、貧、争絶無の理想世界を創造する。』

実際、私共は混沌としたこの汚濁世界に生きていながら、常々、世界平和という偉大なるスピリチュ
アリティーによって支えられ、生きております。我共は大自然・・・神仏へ清浄なる祈りを捧げ、かつそ
の祈りを他人に向かって表現する時、即ち善美なる行為を重ねる・・・・活動する時にですね、私共の
生活の中に平和が訪れるのであります。これは間違いない事実で、否定できないものです。つまり、 私
共の生きがいは確かにそこにあるのです。即ち世界平和という理想追求こそ 、我等の目的であり、その
為の祈りこそ、平和世界実現を達成する核心と言えるのです。だから今後世界が大きな波を幾度も受
けようとも、やはり私共はここに活動の原点を置かなければならないと思います。


▽ 理想と現実は一致しなくてはいけない

そうして、今ここにあって振り返らなくてはいけない事があるのですが、それははこのような考え方や活
動は今まで世間一般ではどのように認識されて来たのでしょうか?

古今東西、人類の歴史を眺めて見ると、平和がいろいろな地域、時代に存在していることが伺えます。
ご存じ世界の4大文明と呼ばれる地域周辺などからは輝かしい有形無形の芸術作品の数々が作り出さ
れ、当時からそして現在に到っても我々の目を楽しませ、心に安らぎを与えてくれています。そうして、こ
れらバラエティーに富んだ芸術作品の持つ力に魂がゆり動かされた時、我々は世界諸地域で平和を求め
る人々の築き上げた時代がそれぞれにある事を認識するのです。日本にあっても短い期間ながら、平和
文化が発達した事は古美術品等の数々に少しでも触れる機会を持つ事が出来る人であれば、うなづかれ
る事と思います。皆さんとこれについて、もっと深い対話が出来たら面白いかと思います。


▽ 地球環境の変化

ところで、この世界・・・地球という、人や国を越えた大きな存在は今大きな変化を遂げています。
地球全体の流れを見てみますと、実はこれまでは最悪の方向に向かっていたのです。オゾン層破壊、
森林破壊、生態系破壊等、地球を壊す仕事を、我々は知らず知らずとはいえ、積極的に推進して来た
訳です。しかし近年になって環境破壊の原因が明きらかなると同時に、これまでの方向性の中に間違い
が認識され始めました。そう地球環境の保全への働きかけが活発となってきたのです。つまり、最悪の方
向とは地球全体の破壊でありますが、今度は最善の方向・・・地球全体の新しい創造に目を向け歩を進め
るというようにはっきり変ってきたのです。そちらの方向に一致しつつある訳です。

最悪から最善に向かうリズム丁度、今までの逆のプロセスで、その流れとは未来は過去に進みつつ、再
検討され新たに創造されると共に、破壊的分子は溶けて滅消に向かうものと思われるのです。

今、国際連合が兎に角頑張っていますが、先にアメリカ・ニューヨークでのミレニアム世界平和サミットも
このような活動の一つと言えましょう。また、昨年私は南アフリカでの第3回世界宗教会議に参加しまし
たが、これは世界の平和を祝う祭典でもありました。(第1回は1883年にシカゴで行われています。)
平和を求める気持ちは世界共通であり、その高まりは現在地球規模のつながりを求め広がりつつありま
す。


▽次世代

そうして今、世界の人口は60億を超え、かつてない人間の世界が展開しつつあるのはご存知の通りで
す。この事は、勿論全人類を挙げて祝福すべき事であり、人類始まって以来の大事件でもあるのです。
20世紀は人類にとって戦争と搾取の苦難の時代とも思われますが、その苦しみの中から60億の人類を
生み出す結果となりました。これからの新しい時代、21世紀はこの60億の人類を背景にして創造される事
になる訳です。この60億人を見渡すと、次世代である若人は発展途上国といわれる国々の人々が大多数
をしめ、これに対して文化先進地域の若人は少数なのです。 これからの新しい時代、21世紀を担うのは若
人の行動力、若いエネルギーです。従って、21世紀を創造する鍵は発展途上国の若人の手に握られている
といっても良いでしょう。実際、発展途上地域の出生率と先進地域でのそれとでは大小の差があり、加えて、
出生率の低い先進地域の平均寿命は高く、(発展途上地域での平均寿命は先進地域のそれに対して、低い。)
先進国と発展途上国ではこのように出生率にしても、平均寿命にしてもアンバランスですので、我々の未来は
手と手をとりあい、築き上げ発展してきたものは、さらに洗練されますように。失った、忘れてしまった貴重なる物
は復活、再生せしめるように。と祈り、そしてその実現のために共に努力する所にこそあると思うのです。


▽『これからの人間は世界人にならなければ駄目だ。』

そこで想われる事は全国に居住する我々一人一人は世界市民なんだという認識です。そしてそのための相互理
解です。すべて市民生活は一つの色にぬりつぶされるものではありません。老若男女それぞれが、それぞれに美
しくなっていけば良いわけで、それが本物の民主主義であり自由でありましょう。わがままかっての行過ぎた自由
主義は偽者になってしまうでしょうから、どこまでも本当の民主主義に奉仕する一人一人であることが個人の持つ
最小にして最大の責任となりましょう。また、社会の組織はその地域に根ざした活動がその主なるものであり、地
域そして住民に役立つ者としての組織でなければ世界市民としてやっていけなくなるでしょう。理想世界は多くの
世界人の手によって創出されるのです。

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