ユーゴ空爆即時停止への祈り


平成11年4月8日


私共、世界宗教者会議(WCRP)日本委員会に連なる宗教者は、この度の北大西洋約機構(NATO)によるユーゴスラビアに対する軍事行動に深い憂慮を表明するものであります

連日打ち統く空爆を含む武力行使に関連し、数十万にのぼる難民が、燃え盛る我が家を後にして積雪残る厳しい寒さの中、飢えと死の恐怖に脅えながら国境地域をさ迷い歩かねばならないバルカンの人々の苦悩に深く胸を痛めております。私共は、NATO加盟諸国が世界の平和と安全保障の為に日夜ご努力をされておられることは評価するものであります。しかしながら、宗教者の対話と協力によって世界の平和を希求し行動する者として、NATO加盟各国首脳に対し、今後、尊い人命を犠牲にした武力に訴える問題の解決方法をとるのではなく、対話と軍事以外の外交手段によって問題の解決を図られることを心よりお願い申し上げます。暴力に対し、更に大きな暴力をもってしても、平和は訪れない事を私共は強く訴えます。

私共は、ユーゴスラビアの罪のない人々の命が失われていくことを見るにつけ深い悲しみを覚えます。他方ユーゴスラビア政府が、アルバニア人を主体にしたコソボ自治州はじめ近隣諸国との不信と対立を解消する努力をされることを強く望むものであります。

更に、日本政府は平和憲法の精神に則り、この度の武力行使を積極的に支援することなく、独自の平和的努力を継続されるよう望みます。

ここにWCRP日本委員会はWCRPの各国委員会と共に、以上の主旨をそれぞれ自国の政府及び国連の関係機関に訴え、祈りと行動を共にすることを誓うものであります。

合 掌


財団法人世界宗教者平和会議
日本委員会 理事長 白柳誠一



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