宗教団体の非宗教活動
                

なぜ、宗教にあまり関心のなかった私がレルネットと出会ったのか、という話なのですが、実は某求人雑誌上でだったのです。レルネットの関連リンクを見ていただくと判るのですが、この会社は宗教情報を取り扱っているだけではなく、「神様がちがっても仲良くなれる」の中でも紹介したように、国際協力や援助のために多くの宗教団体がNGO活動を展開していて、三宅主幹もそんな活動に深く関わっているのです。

そんなNGO活動のお手伝いをしてみたい! しかも、それでお金がもらえたらもっといい! と思っていざ、面接に臨んでみると「金光教泉尾教会」という立派な教会の敷地の中に事務所が建っているではありませんか。しかも、大きなお寺のような建物なのに「教会」。恥ずかしながら金光教の存在すら知らなかった私は「怪しい!新手の勧誘活動かもしれない」と時節柄、警戒心が働き、入らずに帰ろうかとさえ思ったんです。でも、様子を見てみると大丈夫そうだった…。それがレルネットとの出会い。

ところで、宗教団体と国際協力活動って結びつきますか? そもそも、儀式や布教活動以外にどんなことをしているのか想像できますか? 私もここで働ようになって宗教儀式以外のいろいろな活動を初めて知った。途上国で孤児院を経営したり、アフリカなどで給水ポンプを設置したり、植林活動をしている団体もある。去年はトルコで大地震があり、台湾でも大震災に見舞われ、ベネズエラでは洪水…。多くの自然災害があったけれど、その度に多くの教団が反応していたんです。

8・9月の新聞(初めて存在を知ったいわゆる業界紙)をざっと見ただけでも、20余りの教団や宗派が100万単位の義援金をトルコ、台湾に贈り、さらに募金活動を繰り広げる教団、物資を送る教団、ボランティア団を結成して復興の手助けに向かう教団、または宗教本来の役割として、犠牲者の慰霊祭を行いに行く教団もありました。ざっと見ただけなので、おそらく、この何倍もの宗教団体が世界中の災害の度に対応していたと思います。

 言葉も通じない海外での活動だから、もちろん新しい信者の獲得のためでもなく、また、この活動をことさらに世間に宣伝するわけでもなく。「助けたい、役に立ちたい」という気持ちの現われなんだと思います。

 どうして今まで、こういう活動に宗教団体が関わっているということを知らなかったのでしょう。今までは何か知らない世界について知る手段というと、テレビや新聞といったマスメディアが圧倒的でした。マスメディアに宗教関係の話題が載ることというと、伝統的な祭事(季節の話題と国の催事)か邪悪な事件ばかり。う〜ん、この件については次の機会にお話するとして、こんな人道的な活動を含めて、現代社会問題にも取組んでいるんですよ、宗教団体も。        

宇根希英
                                       2000/2/20

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