日本宗教界は素晴らしい!

 8月28日から31日(現地時間)、ニューヨークの国連本部において宗教指導者・精神的指導者によるミレニアム世界平和サミットが開催されたことを、一般の人はどの程度知っているでしょう? 続いて行われた政治指導者によるサミットのことは、かなり多くの人がテレビのニュースなどでも目にしたことでしょう。実は1000人を超える宗教家たちが集まっていたのです。
 
 もちろん日本からも、伊勢神宮の大宮司や比叡山の天台座主をはじめとする代表団がこの宗教者によるサミットに参加していました。三宅主幹も代表の一人として参加されました今回、その代表団によるサミット反省会が、今サミット事務総長のバワ・ジャイン氏を招いて京都で行われ、私も同席させていただくことができました。もちろん、代表団全員ではなく、20名ほどが机を囲み、黒住教黒住宗道副教主の議長の巧みな話術に導かれ、和やかな雰囲気の中、具体的な事項についてかなりつっこんだ話し合いがなされていました。



反省会で意見を述べる三宅主幹(左端)



バワ・ジャイン事務総長と一緒に

  日本のメンバーには、今回のミレニアムサミットを1回限りの「お祭り」にしてしまってはならないと、今回の試みに世界平和に向けた現実的な影響力を持たせようという真剣な意気込みが溢れていました。そのために、時にはかなり厳しい言葉で問題点を洗い出し、次の機会に向けて、その改善を探っていました。

  そして、バワ・ジャイン事務総長からは日本の宗教界に対する大きな期待の言葉が何度も発せられました。その期待の根拠になっているのは、日本には教団・教派を超えた長年の宗教協力体制が、既にできあがっていることでした。これは貴重なことらしいのです。

  私自身、レルネットの活動に関わった当初は、神様もお祈りのしかたも違う教団同士が、同じ目的のためとはいえ、理解しあい協力しあっていることに大きな驚きを感じたものの、このような活動を皆さんがあたりまえのようにされている姿を見るうちに、当然のことと受けとめるようになっていました。しかし、日本で当然であっても、諸外国での状況はどうかということに思い及んでいなかったのです。

  もちろん、海外においても宗教間協力の団体も多く存在し、活動もなされているけれど、どうも、日本ほど数多くの教団が互いに協調しあい統率のもと行動できる国は、今のところ無いらしいのです。バワ・ジャイン事務総長は、この日本の特性を活かして、国連と宗教界との協調体制を整えるために日本がイニシャティブをとることを期待されていたのです。

  とかく欧米のスタイルがお手本とされることの多い中、文化的な事柄で日本が世界に対して手本を示すことを期待されるというのは、嬉しいことだなあと感じつつ、議事の進行を見学させていただきました。この会の成果が日本国内、そして世界に詳しく報告され、大きく波及していくのが楽しみな一日でした。

宇根希英
                                     2000/11/13

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