記念総会当日ハイライト

2017年6月22日、リーガロイヤルホテルで、国際宗教同志会70周年記念総会が開催され、国際宗教同志会会員諸師はもとより各界からの来賓が多数参加した。70周年記念総会に続いて、国際宗教同志会とも縁の深い同志社大学の村田晃嗣前学長が『トランプ政権下のアメリカと世界』と題する記念講演を行った。総会終了後、会場をクラウンルームに移して、国際宗教同志会70周年記念祝宴が開催された。また、70周年記念事業として、『国際宗教同志会講演録』第1巻と第2巻が同時刊行された。

国際宗教同志会とは

国際宗教同志会は、1947年(昭和23年)、わが国最初の本格的な諸宗教間対話・協力団体として、時の同志社総長牧野虎治先生が発起人となって、金光教泉尾教会、カトリック京都司教区・大本・一燈園・八坂神社・東西両本願寺・知恩院などの協力を得て、新しい時代の宗教者のあり方を探る会として設立され、戦後の混乱がまだ収まらない時期から、米国のジョン・F・ダレス国務長官や世界食料機構の初代総裁ボイド・オア卿ら、当時の日本の国力では考えられないほどの大人物を招くなど積極的な活動を展開してきた。

一時は、各地に「国際宗教同志会」が結成され、わが国の諸宗教間対話運動の礎となった。1970年に京都で開催された世界宗教者平和会議(WCRP)の創設に当たり、その時点で既に20年以上も前から国際宗教同志会で活躍されていた諸先生方が、それまでに培った対話のノウハウや信頼関係のネットワークを惜しみなく提供されたことは特筆に値する。国際宗教同志会は、創設から70年を経た現在でも、その時代その時代の社会問題に対応するため年3回の定期講演会を続けているのをはじめ、歴代のローマ教皇やダライ・ラマ法王との交流、G8/G20宗教指導者サミットへの代表団の派遣や、東日本大震災の被災地や太平洋戦争の激戦地での慰霊祭を開催するなど、積極的な活動を展開している。

ダライ・ラマ14世と会談、バチカンを訪問、東日本大震災の被災地で慰霊祭

ダライ・ラマ14世と会談、バチカンを訪問、東日本大震災の被災地で慰霊祭

ご来賓祝辞(総会)
平成29年度総会

6月22日の午後1時、記念総会に先立ってペリドット前室で平成29年度第2回理事会が開催され、三宅善信事務局長から、平成28年度の決算、29年度の予算、事業報告等に続いて、直前にドイツのポツダムで開催されたG20諸宗教サミットの報告、さらに、70周年記念事業として、1997年の50周年以後2009年までの例会開催時に行われた38人分の講演録を2巻に分けて刊行されたことが報告された。また、西田多戈止会長の任期満了に伴い、三宅光雄理事長から理事の芳村正徳神習教教主(日本宗教連盟理事長)の会長に推戴され、全会一致で承認された。また、高齢の内海雅継監事の退任に伴い、会員の融通念佛宗元宗務総長の山田隆章師に監事を委嘱することが承認された。

国際宗教同志会会長に選任されて抱負を述べる芳村正徳師

国際宗教同志会会長に選任されて抱負を述べる芳村正徳師

午後2時、役員・会員の他、各界からの来賓やオブザーバーで満席のペリドットの間で、国宗創設70周年記念総会の開会が宣言され、会員の上田尚道高野山真言宗明王院住職の先唱で「平和の祈り」に続いて、西田多戈止会長が開会の挨拶を行った。続いて、平成29年度総会の議長に選出された常任理事の村山廣甫曹洞宗審事院副院長の議事進行により、直前に開催された理事会で承認された新役員人事や決算・予算等が総会に諮られ、すべて原案通り可決承認されて、総会は無事終了。最後に、新たに会長に就任した芳村正徳師が決意と抱負を述べた。

記念講演(村田晃嗣先生)
村田晃嗣同志社大学前学長による記念講演

続いて、70周年記念総会の目玉である村田晃嗣同志社大学前学長による『トランプ政権下のアメリカと世界』と題する記念講演が行われた。国政政治学者の村田晃嗣同志社大学法学部教授が、近年非常に流動化した国際情勢について、その必然性について人口動態の変化に基づいて解説し、とかく「不確定要素が大きい」とされる米国トランプ大統領の政策の「幅」を限定するものについて解りやすく解説した。記念講演に続いて、時間の許す限り、参加者との間で質疑応答が行われ、最後に、三宅光雄理事長が閉会の挨拶を行った。なお、祝宴への移動時間を利用して、役員・会員と来賓各師による記念撮影が行われた。

国宗70周年記念講演で熱弁を揮う村田晃嗣同志社大学前学長

国宗70周年記念講演で熱弁を揮う村田晃嗣同志社大学前学長

ご来賓祝辞(祝宴)
70周年記念祝宴

引き続き、大阪市内が一望できるリーガロイヤルホテル28階のクラウンルームへ会場を移して、国際宗教同志会70周年記念祝宴が始まった。三宅光雄理事長の挨拶と来賓を代表して、日本国際連合協会関西本部の吉村精仁本部長の祝辞に続いて、8名の役員が登壇して鏡開きを行い、常任理事の大森慈祥辯天宗管長の発声による乾杯で開宴となった。祝宴中、大阪ユネスコ協会の中馬弘毅会長、東大寺の平岡昇修上院院主、四方修大阪日華親善協会理事長、清風学園の平岡英信理事長らがお祝いのスピーチを行った。また、祝宴の司会進行を務めた三宅善信事務局長から国際宗教同志会70周年記念出版が刊行されたことが報告された。最後に、三宅善信事務局長による閉会の挨拶でこの日の全ての行事は終了した。

常任理事の大森慈祥辨天宗管長の発声で乾杯

常任理事の大森慈祥辨天宗管長の発声で乾杯

参加者の顔ぶれ
70周年記念総会参加者の顔ぶれ (順不同・敬称略)

2017年6月22日、リーガロイヤルホテルで開催された国際宗教同志会70周年記念総会・祝宴には、国宗役員・会員諸師から各界の来賓まで大勢が参加した。ここでは、オブザーバーを除く主な参加者名を紹介する。

<役員>
新会長 芳村正徳 神習教教主
旧会長 西田多戈止 一燈園当番
理事長 三宅光雄 金光教泉尾教会長
常任理事 村山廣甫 曹洞宗審事院副院長
大森慈祥 辯天宗管長
平岡英信 清風学園理事長
西村日要(代) 本門佛立宗誕生寺住職
理事 三宅善信 神道国際学会理事長
松本貢一 立正佼成会大阪教会長
津江明宏 今宮戎神社宮司
左藤一義 大谷学園理事長
高井道弘(代) 住吉大社宮司
監事 懸野直樹 野宮神社宮司
山田隆章 融通念佛宗法覚寺住職
<会員>

上田尚道 高野山真言宗明王院住職、 大西龍心 高野山真言宗観音院住職、 清澤悟 真宗大谷派願得寺住職、 倉田宇山 神声天眼学会教主、 近藤剛 神戸国際大学教授、 正垣肇 (株)寺の友社代表取締役、 嶽盛俊光 曹洞宗南詢寺副住職、 立石泰教 大阪府佛教会理事、 中村殊萌 真言宗大覚寺派高澤寺住職、 中村暢晃 千里天神宮宮司、 西奥薫尚 成道会教団会主、 平田教信 真宗高田派善友寺住職、 二上寛弘 大阪府佛教会事務局長、 村山博雅 曹洞宗東光院副住職、 森祐昭 浄土真宗本願寺派浄久寺住職、 田中瑞修 融通念佛宗宗務総長、 若林正信 金光教大阪センター所長


<来賓>
村田晃嗣 同志社大学法学部教授
平岡昇修 華厳宗東大寺上院院主
吉村精仁 関西国連協会本部長
中馬弘毅 大阪ユネスコ協会会長
四方修 大阪日華親善協会理事長
中島裕司 関西ハンガリー交流協会事務局長
岸田妃佐香 関西国連協会事務局長
小林淳 文化時報社長
瀧悌治 一燈園全国光友会当番
多田則明 宗教新聞編集長
工藤信人 仏教タイムス編集長
有路誠市郞 WCRP日本委員会事務局
藤原忠己 野村證券金融公共法人部
70周年記念出版
国宗記念出版

国際宗教同志会では、創設70周年を迎えるに当たり、記録の保存されている20年前からの全ての講演録(60話)を刊行することになった。現代社会は、急激に発展した科学技術によって、それぞれの宗教の教祖宗祖らが想像することすらできなかったような、遺伝子操作に伴う生命倫理の問題や瞬時の内に世界中を飛び交う情報通信や金融資本市場のグローバル化に伴う深刻な問題が顕在化してきたが、国際宗教同志会の講演録はそれらの問題に取り組むための縁(よすが)として、社会一般の人々にも広く役立てていただけるような構成にした。

そこで、第1巻として、創設50周年に当たる1997年から2003年までの7年分の記念講演全22話分を収録した。それらの中には、「宗教」と縁の深い歴史学や社会学といったような分野の専門家だけでなく、最先端のバイオテクノロジーをはじめとする自然科学者が4名、外交官が3名、さらには、「国際」宗教同志会の名にふさわしく外国人が6名も講師として顔を連ねており、講演が収録されてから十数年の歳月が経過しているとはいえ、未だに色あせないものがある。

第2巻には、2004年から2009年までの6年分の記念講演全16話分を収録した。それらの中には、自然科学者が3名、外交官が3名、外国人が4名も講師として顔を連ねており、各講師の肩書きは、講演当時のものを用いているが、それぞれの文末には、各講師の方のその後の経歴も含めて、略歴や主著名の情報が提供されている。

ほとんどの講演会は、国際宗教同志会事務局のある金光教泉尾教会の施設で開催されたが、それ以外の教団の施設で開催された場合のみ、会場名を添付している。また、実際の講演時には、門外漢の者にも解りやすく説明するため、講師の先生方が数多くの写真や図表等を示してお話しくださったが、紙面の関係もありすべて割愛させていただいた。第1巻と第2巻の目次は、以下の通りである(敬称略)。

<第1巻>
  • ヨーロッパの〈セクト(カルト)宗教〉について横山真佳

  • 民俗のこころと鎮めの文化大村英昭

  • イスラム教徒の目から見た日本の宗教建築ムサ・オマール

  • いのちと生命の違い泉 美治

  • 神道のこころ―その国際性米山俊直

  • 日本人の宗教生とその心理的効果金児暁嗣

  • チベット仏教とは何かペマ・ギャルポ

  • 移植医療現場は、今…猪股裕紀洋

  • イスラム原理主義の挑戦を受けるロシアG・コマロフスキー

  • これからの日本宗教山折哲雄

  • 宗教と詐欺・脅迫植田勝博

  • 「忘己利他」こそ宗教者の道瀧藤尊教

  • 21世紀と宗教生態主義時代李 性陀

  • 環日本海文化と東アジアの宗教上田正昭

  • いのちを繋ぐ「孝」の世界~先祖供養から遺伝子まで加地伸行

  • 様々な靖国神社ジョン・ブリーン

  • 最近の国際情勢と日本の対応望月敏夫

  • 今後の日本経済と資産運用

    ―ペイオフ解禁後の宗教法人の対応―原田和明

  • 「有事」とは何か? 何が問題なのか?関 肇

  • ゲノム(遺伝子情報)から見た人間の意味中村桂子

  • 自然環境保護に貢献してきた日本の宗教アラン・グラパール

  • 日本の将来と教育問題柳本行雄

<第2巻>
  • 日本人には何ができるのか?菅波 茂

  • 鑑真和上はなぜ海を渡ったのか:中国から見た日本王 勇

  • 大統領選挙とアメリカの宗教状況森 孝一

  • 宗教と文化の混交について―近代ヒューマニズム批判―西村惠信

  • 水・森・いのち田中利典

  • 多宗教の併存と社会的摩擦―欧州・日本・インドネシア―マイケル・パイ

  • 韓国人から見た日本人オ・ソンファ

  • 外交と宗教:一外交官の経験から天江喜七郎

  • イスラム世界とつきあう法四戸潤弥

  • 平和を実現する祈り小川和久

  • 日本における国家と宗教―歴史の視点から―森本公誠

  • 待ったなし地球温暖化 宗教者に問う山本良一

  • 憲法改正:日本人は如何に生きるべきか?

    ―グローバル化の中の日本と日本国憲法棟居快行

  • G8宗教指導者サミットで取り組むべき課題井上昭夫

  • 懸念される新型インフルエンザのパンデミックに備えて上田重晴

  • チベットの現状と特別会議についてラクパ・ツォコ

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