日中情勢が緊迫する中、三宅代表ダライ・ラマと東大寺で再会

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  2010年11月8日、広島で開催される『ノーベル平和賞受賞者世界サミット』(12日〜14日)に出席するために来日したチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世法王が、奈良市の華厳宗大本山東大寺に参拝し、金鐘会館において宗教界の関係者向けの法話『これからの宗教者のあり方』を、また、大仏殿裏の特設会場にて一般向けの講演『縁起に基づき、平和と環境のためになすべきこと』を行った。


東大寺中門前で南都の諸僧と共にダライ・ラマ14世を出迎える三宅善信代表

  大仏殿中門前で、東大寺・興福寺・薬師寺等の南都の大寺僧およびスーパーサンガ関係者が出迎える中、ダライ・ラマ法王を乗せた車が到着。三宅善信代表は、各宗派の僧侶と共に法王に、9月4日に南インドのコーチで開催された第33回IARF世界大会で出会って以来、二カ月ぶりの再会を喜んだ。法王一行は、法螺貝を吹き鳴らす吉野山金峯山寺の山伏たちの先導で大仏殿へ向かい、参道の人々に気さくに言葉を交わした。この日、偶然、参詣に訪れた内外からの観光客たちは、思いがけない幸運に皆、感激していた。


東大寺大仏殿前で人々から歓迎されるダライ・ラマ14世

  金堂(大仏殿)では、ダライ・ラマ法王一行は、本尊「盧舎那仏(Buddha Vairocana=奈良の大仏)」前の須弥壇に登壇して、チベット語と日本語(般若心経)で法要を行った。三宅善信代表は、法王と北河原公敬東大寺別当(華厳宗管長)のすぐ後ろで、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所のラクパ・ツォコ所長と並んで読経をした。


大仏殿須弥壇でダライ・ラマ法王と南都の諸僧と共に読経する三宅善信代表

  続いて、光明皇后1250年御遠忌と平城遷都1300年を記念して南大門の西側に新築された金鐘会館において、ダライ・ラマ14世による宗教関係者向けの法話『これからの宗教者のあり方』が行われた。約一時間の法話の後、質疑応答の時間となり、トップバッターを三宅善信代表が務めた。三宅代表は、IARF世界大会へのダライ・ラマ法王の協力に対して礼を述べた後、「尖閣事件」の影響で日中関係が緊迫する中、名古屋で開催されていた『生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)』と絡めて、「自然界における生物種の多様性(bio diversity)を確保することが地球上の全生命が繁栄することにとって最重要であるのと同様に、世界各地の少数民族・言語・文化・宗教の多様性を確保することこそ、人類文明の保全にとって最重要課題であるが、どのように考えるか?」と、毎年、滞在ビザを発給してくれる日本政府に迷惑をかけたくないので、政治的に過激な発言をすることを控えておられるダライ・ラマ法王に配慮した形の質問を行った。


金鐘会館でダライ・ラマ14世への質問のトップバッターを務める三宅善信代表

  ダライ・ラマ法王は、三宅代表からの質問に回答した後、逆に、「自然を尊重する宗教である神道にとって、生物多様性はどのような意味を持つか?」と質問を返し、三宅代表からの回答を受けて、さらに「神道では、参拝時に拍手を打つのは何故か?」と逆質問をされ、三宅代表がジョークを交えて回答してディスカッションは大いに盛り上がった。これをきっかけに、数人の僧侶がそれぞれの立場から、法王に質問をした。


ダライ・ラマ14世と親しく言葉を交わす三宅善信代表



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